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「や、やめて! お願い!」
激しく睨みあう宙太と涼に、星子、懸命に呼びかけた。でも、二人とも、星子のいうことには、まるで、耳を貸してくれない。
こうなったら、体を張ってでも、止めよう。星子、思い切って二人の間に、とびこむようにして立ち塞がった。
「ね、やめてったら! 宙太さんも、涼くんも、お願いだから!」
でも、効果なし。
「どけ、星子さん! 危ないから、どくんだ!」
「どくんだ、姫!」
宙太と涼、大声で叫ぶと、ほぼ同時に体を横っ飛びにジャンプさせた。
「あっ」
星子の目の前で二人の体がガシッと組みあい、もつれ、離れたと思うと、鋭く空気を切る音がして、パンチとキックが踊るように飛び交う。
こうなると、もう、星子には止められない。おろおろ、はらはらしながら見ているだけだ。
つらくて、悲しくて、涙が出てくる。
そのうち、二人のうちのどちらかがひどく怪我をするんじゃないか、と思い始めた時だ。
バシッと、宙太のキックが涼のコートの胸のあたりを切り裂いた。
その拍子にポケットの中身が飛び出し、ヒラリと二羽の蝶が舞った……と見えたのは、さっき、涼が星子に見せた二枚の切符、二年前のラストラン『さくら』の寝台乗車券だ。
「!……」
星子、夢中で手をのばして掴まえようとした。でも、まるで、本物の蝶のように、二枚のチケットはひらひらと飛んでいく。
やっとのことで追いつき、右手と左手に一枚づつ切符を掴み、ホッとなったその瞬間だった。
切符からまばゆい光りがサーッと放たれて、大きく広がった。
「な、なんだ?……」
「!……」
宙太と涼、お互いの胸倉を掴みあったまま、茫然と目をやった。
まぶしい。はっきりとは目を開けていられないくらい、白銀色の光りがあたりをおおい、じきに、虹色の光彩があらわれて、ゆっくりと渦を巻き始めた。
やがて、その光彩の中から、巨大なものがあらわれ、次第にはっきりとした形になった。
「!……」
星子、宙太、涼の三人、唖然と見上げた。
目の前にあらわれたのは、マリンブルーの寝台列車だ。最後尾の表示板には、桜の花をかたどったマークに『さくら』という文字が読める。そして、そのそばには、『さよなら、有難う、さくら』と書かれたボードが飾られている。
「『さくら』よ! ラストランの『さくら』だわ!」
星子、うわずった声で叫んだ。
宙太も、そして、涼も、愕然と息を呑んだ。
追記 さぁ、いよいよ、ラストラン「さくら」の登場です! はたして、このあと、どういう展開になるやら……ほんとうは、もう、出来ているんですけどね、あまり、先を急ぐと早く終わってしまう。それじゃ、ちょっと、寂しい。みんなとつなぐ糸が切れてしまうような気がする。でもって、なるべく、引き伸ばすことにします。ほんと、イジワルな男だ。でも、愛すればこそです! お許しを!
ところで、今日、ファンクラブ「JOKER!」の最新号を送っていただきました。相変わらず、素晴らしい出来ばえで……星子一家が楽しそうに暮らしているのが、なによりも嬉しい! イラストもいいよ! まだまだ小さい僕のブログですが、ファンの皆さんにこんなにも支えてもらい、感謝感激、胸が熱くなります。今夜も、呑みすぎにはご用心だぜ、ヤマサン!
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こんばんは^^早く続きが読みたいけど、終わってしまうのも寂しいですしねvvv
でも今日の終わり方は特に続きが気になりますよv(笑)
2007/10/25(木) 午後 9:05 [ - ]
ラストが垣間見えてワクワクです♪
なるべく引き伸ばすの大賛成です!毎日の楽しみですもん。
ファンクラブがあるんですね。調べてみまーす(^^)。
昨日は満月。雲の間から顔を出す満月を見ながら一杯もいいかも♪
2007/10/26(金) 午前 10:41 [ のりぷこ ]
こんにちは!新シリーズもいよいよクライマックスなんですねー寂しい。・゚・(ノД`)でも続きは早く見たいです!本日はゲスブにコメントを有難うございました!(敬礼)会誌が無事にお手元にお届けできて安心しましたw会員サマ達にも先生からのメッセージを代理でお伝えしておきましたw会誌は書いててとても楽しかったです(*´Д`*)w次は誰でどんなポスターを書くのかを楽しみにしててくださいね(にこりw)夢画廊イラストは必ず書かせて頂きますのでお時間下さいませ!
2007/10/26(金) 午後 1:59 [ ゆうきあおい ]
ラストラン「さくら」の登場。いよいよクライマックス近いですネ〜。終わりが近づくのは寂しいけれど、早く続きが読みたいし。でも先生が次回作の予定が控えているのなら、それはそれで楽しみだし〜(笑)
2007/10/28(日) 午前 6:41