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うわぁ、まるで、時代劇のお姫様ね!
星子、うっとりと見つめた。その視線の先には、超豪華な振袖姿の、超美人のお嬢様が、広々としたお庭の池のほとりに立ち、大勢の招待客達に囲まれている。その中には、テレビカメラを担いだり、カメラやマイクを持ったマスコミ関係の人も、かなりいるみたい。さすが、花陰流の御曹司の婚約発表だけのことはあって、マスコの注目度もバツグンってわけよね。
「カノジョが、春ちゃんのフィアンセだな。それにしても、すっごい美人だな」
宙太のタレ目が、さらに、目じりを下げた。
「なんでも、日本でも五本の指に入る超リッチなホテル王・大森家のご令嬢だってさ。あんな子をフィアンセに出来るなんて、まさに、男冥利につきるよな」
「ふん! じゃ、宙太さん、そういう相手をさがせばいじゃん」
星子がむくれると、宙太、すかさず、
「とととっ、なにをおっしゃる、姫。ボクチャンの花嫁候補は星子さん、キミ一人、キミ以外には有り得ない。これ、永遠の真実です。ハイ!」
星子の肩に手を回して、ささやいた。
こうだからね。
「誰が、宙太さんの花嫁なんかに。勝手なこといわないで!」
ぶんむくれたけど、ま、悪い気はしない。
「とにかく、華道花陰流の御曹司の許婚にふさわしいお相手だぜ。それにしても、肝心の春之介クンはどこに……」
庭園を見回すと……ん?
紋付はかま姿の若い長身の美形が、同じく紋付はかま姿の中年男性に腕をつかまれながら、あらわれた。
それにしても、すっごくいいオトコ!
星子、思わずうっとりと……でも、ちょっと、待って。どこかで見た顔だけど……。
「ま、まさか?……」
「そ、春之介クンさ」
「う、うそーっ」
星子、目をこすって、見つめ直した。
やっぱり、春之介だ。まだ、オトコの子姿の春ちゃんをしっかりとは見ていなかったので、ちょっと、戸惑ったわけ。
だけど、なんて、きれいなんだろう。女装姿の春ちゃんもすてきだけど、紋付はかま姿の春ちゃんは、まるで、タカラヅカの男装の麗人か、伝説の美形・ドンファンか、それとも、光源氏か、と、見まごうばかりの超の字がつく美形じゃないですか。
羽織はかま姿、よく似合う。でも、宙太さんが見たという着流しの殺し屋姿、もっと、よく似合うかも。
なんて、星子が見とれていると、宙太、
「どうやら、親子の間がうまくいっていないようだな」
と、つぶやいた。
「親子?」
「春之介クンの腕を掴んでいるのは、花陰流宗家、家元の伊集院夏太夫サンだ」
「ほんと」
と、その夏太夫の腕を、春之介が払いのけた。
「父上、やっぱり、この縁談、僕は不承知です。受ける気はありません!」
「春之介! 今更何をいう。こうして皆さんが祝いに集まって下さったんだぞ」
「それは、父上が勝手にやったことです」
春之介、きびしい顔で夏太夫を睨んだ。
どうやら、この縁談、夏太夫が春之介の了解なしに仕切ったらしい。
「たしかに、その通りだ。でもな、春之介……」
夏太夫、哀願するようにいった。
「花陰流は他の流派に押されて、経営も苦しくなっている。もう、私の力ではどうにもならんのだ。あとは一人息子のお前が家元を継ぎ、大森家の財政支援で、花陰流を建て直して欲しいのだ。頼む、春之介!」
ふむ、そういう事情だったわけね。
でも、春之介、きっぱりといった。
「お断りします。家のための結婚だなんて、絶対にいやです!」
「春之介!」
「第一、今の僕には、結婚したい人が他にいるんです!」
「なに? 誰だ、それは?」
星子も、宙太も、「ん!」と、春之介に注目した。
春ちゃんに結婚したい相手が?
ということは、宙太さん!
「あなたってわけね」
「お、おいっ」
星子にニヤリと指をさされて、宙太、あわてて、首を振った。
「どうして? 春ちゃん、宙太さんにラブラブじゃん」
「し、しかしだね……」
宙太の顔には、汗がビッシリ。
さぁ、ハッキリいって、春ちゃん。
「僕が結婚したい人は……」
春之介、決心したようにいった。
「流……星子っていう女の子です!……」
「!……」
(つづく)
追記 なんだか、おかしな雰囲気になってきたようで。春之介クンが星子を? 宙太クンに熱烈ラブコールしてはずですがね。あ、でも、オトコ姿の春之介クンだってことをお忘れなく。ま、とにかく、この先、メンドイことになりそうです。
オラ、しらねぇぞ!
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いやいや、前から男としての春ちゃんは、星子さんが大切な存在だったはず。でもまあ、メンドイ事にはなりそうですネ〜。続きが楽しみです〜♪
2008/1/16(水) 午後 10:33
御曹司春ちゃんにトキメキがとまりません〜特に口調とかツボりました(*´艸`*)w
そんな春ちゃんから衝撃的な告白されていて、星子さんてば相変わらず羨ましいですね(*´Д`*)www
2008/1/17(木) 午前 11:35 [ ゆうきあおい ]