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「泣くな、男なら! 泣くな!」
っていうのは、こういう時のセリフじゃないと思う。
星子としては、男が恋で泣くのは、許せる。そこまで、気持ちが純粋になっているからね。
「泣いていいのよ、気がすむまで泣いて」
そういいながら、花太郎の大きな体を抱きしめてあげたくなる。
だって、こんなに純情でストレートな男の子って、近頃、めったにいないもんね。あ、もちろん、星子のまわりには、マサルをはじめとして、純粋で直情的な男もいる。宙太だって、タレメでひょうきんな仮面をかぶっているけど、ほんとは、サイコウに男気のあるヤツだ。でも、泣いたところは見ていないけど…。
それはともかく、
花太郎は、ひとしきり男泣きしたあと、ボクシングのグローブのような拳でごしごしと涙をぬぐった。
「やべぇ」
「え?」
「だってよ、こんな無様なところを、お前に見せてしまって。カッコ悪いもいいとこだぜ。そうだろ?」
「だったら、わたし、あなたを蹴飛ばしてる」
「なに?」
「ステキだったよ、花太郎さん」
「ステキって…」
「ホントの気持ちを見せてくれたんだもん。男の子って、人様の前では、なかなか、本心は明かさないじゃん」
「いうなぁ、お前」
花太郎は、苦笑した。
「たしかに、はじめてだぜ、俺、そういうこと。いつも、バリァ張って身構えているもんな」
「さぞかし、重たいでしょうね、メカロボットの縫いぐるみ」
「うん、重い重い」
もう一度、ニタリとしたあとで、星子を見た。
「いい仲になれそうだな、俺達」
「恋人じゃないよね」
「当たり前だ。似た者同士って、かえって、恋人にはなれないんじゃないのか」
「うん、いえてる」
その通りだ。星子と宙太のカンケイも、そういうことかもね。
「お前、泣いたことあんのか?」
「え?」
「カレシを好きになってさ、泣いたことって…」
「まぁね」
星子、あいまいに答えた。
―いつだったか、そんなことがあったような…でも、夢の中の出来事だったのかも知れない。長い長い夢の旅をしていたからね。でも、近いうちに、きっと、泣きたくなるような恋をするかも…そんな予感がする…。
「とにかく」
花太郎の声に、星子は我に帰った。
「俺が惚れてるのは、リツ子さまだけだぜ!」
花太郎の顔が、再び、キラキラとひかりはじめた。
「恋はミステリアス。リツ子さまも、ミステリアス。俺、そこがたまんねぇんだ」
リツ子がミステリアス、ですか。ウソーッ。
「ほんとは、な、俺、この思いを告白したいけどよ」
「ええっ」
それは、マズイよ、と、いおうとしたら、
「でも、ま、ガラじゃねぇよな」
「うんうん」
星子、ホッ。
「で、告白の代わりに、キチンと約束を果たすことにするぜ」
「約束って?」
「甲子園に出場するキップの一件、話、聞いてるんだろ」
「ええ、でも、細井さんっていうマネージャーから聞いたけど、予選で負けて、チャンスはなくなったって…」
「なぁに、チャンスは待っていてはこねぇ。作るものだぜ。このゲンコツでな」
「ゲンコツで?」
どういうことだろ。
「で、約束果たしたら、俺、リツ子さまにプロポーズするつもりだ」
「プロポーズ!」
「うん、将来、俺の嫁さんになって下さいって! きっと、世界一、幸せな嫁さんにしてみせるって!」
「!…」
ヒ、ヒェーッ。冗談じゃない、リツ子がそんな話聞いたら、大変なことになる。
「ま、待って、花太郎さん…」
星子、止めようとしたけど、早くも、花太郎はエンジン全開だ。
「さ、ついてこいや、姉貴達に見つかる前に、早いとこ、ここから出ないとな」
花太郎は、星子の手首を掴んで促した。
(つづく)
追記 T大病院で眼科の定期診断にいってきました。術後約二年、経過はほぼ順調とのこと。でも、あまり、無理はしないように、と。ま、やれやれです。ま、無理をしない程度に、このブログも続けていければいいな、と、思ってはいるのですが。
それにしても、花太郎、リツ子にプロポーズする気かい。オラ、シラネット。ひたすら、逃げる山浦であります。
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先生、経過が順調との事で何よりです〜^^ 安心致しました♪
そして、花太郎君と星子さん、性別を超えたいい友達になれそうですネ〜^^
リツ子相手に花太郎君がどう動くのか、星子さんがどう応援していくのか、とても楽しみです〜♪
2008/6/11(水) 午後 8:07
星子さんと、花太郎君、良かったです!。さて、星子さんも、花太郎君とリツ子さんの間で悩みそうですね。
ところで、自分も、最近、又、目の調子が悪いので、病院に行きました。症状は、数年前より少し軽い症状なのですが、ほぼ同じなので、診断結果も同じかな?と思っていたのですが、異なった結果に。他の病院にも行った方が良いのでしょうか。
先生は、順調との事で、とても嬉しいです。
2008/6/11(水) 午後 11:39 [ 理 ]
こんにちはw経過は良好のようですねwww
順調な経過を聞かせて頂いて有り難うございます!
焦らずゆっくり治して下さい(*´∇`*)
番外編はお話が続くにつれてハナコ様がどんどん可愛くみえてくる件。
ていうか萌えすぎますよハナコ様*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
ほんとニヤニヤが止まりません(*´Д`*)www
次回はプロポーズ編ですかwwwまた妄想がwww楽しみですw
2008/6/12(木) 午後 2:46 [ ゆうきあおい ]