|
33
「……」
星子は、息をするのも忘れたように見つめた。
蛍のほのかな光の帯が、まるで、ドレスのようにまりも姫を包み込み、この世のものとは思えないほど美しく幻想的な姿を湖面に映している。いかにも、伝説にふさわしい姿だった。
もしかして、夢でも見ているのかも…そんな気持ちがしてくる。
だが、五月の目は冷静で、鋭い視線をまりも姫に向けていた。重い怪我と出血、それに、星子を支えてここまで連れてきたし、かなり、体力は消耗しているはずだ。事実、顔色は土気色で、頬はげっそりと削げ落ち、気力だけで立っている感じだった。
それにしても、まりも姫がいるからには、まだ、圭一はここにきていないようだ。たとえ異界の人間だろうと、圭一にこれ以上の犯行を重ねさせたくない。それが、五月の気持ちだった。
じきに、まりも姫がゆっくりと星子に顔を向けた。
なんて、美しい少女だろう。姫というよりも、妖精の名前がふさわしいかもしれない。
「お待ちしていました、星子さん。よくきてくれましたね。本当に有難う。心から、お礼をいいます」
まりも姫の柔らかな声が、星子の心に伝わってくる。まるで、天上の音楽のような声だ。聞いているうちに、星子は綿毛の揺り篭に揺られているような気分になってきた。
「星子さん、私のそばにきてくれますね」
まりも姫は、星子に微笑みかけた。
「さぁ、星子さん」
まりも姫が手招きすると、蛍の群れが帯となって星子のほうへ飛んできて、星子を包み込んだ。そのあと、星子は蛍の群れに包まれたまま、まりも姫のほうへ歩き出そうとした。
瞬間、五月が星子の腕を掴んだ。
「星子さん、いくんじゃない!」
「大丈夫、わたし、あの人を説得しにきたんだから」
「そんなことは、無理だ。とにかく、あとのことは俺に任せるんだ。いいか」
だが、星子は五月の手を払いのけて歩き出した。
「星子さん!」
(つづく)
追記 腱鞘炎でございます。進行が遅くなりますが、ご容赦を!
|
腱鞘炎って、辛いですよね。あたしも、なったことあります。
ゆっくりでいいです。
腱鞘炎が、一日でも早く直ることを祈ってます。
2008/12/22(月) 午前 10:29 [ とも ]
先生こんにちは^^
私も腱鞘炎持ちです…辛いですよね><;
どうぞご無理をなさらず、お大事になさってくださいね。
お見舞いの傑作ポチさせていただきますm(__)m
2008/12/22(月) 午後 1:33 [ ゆうきあおい ]
先生、お大事に(>_<)
私も仕事で拍手をするときに(結婚式場なもので)長い間し続けると肩が上がらなくなります。四十肩ですかね・・・
今、「トランプ刑事・・」を読み終え、違う目線の進行が面白くて、毎晩子供が寝てからの読書時間が楽しみです♪
2008/12/22(月) 午後 9:31 [ まりも ]
腱鞘炎とは辛いですね(;O;) 寒いときにはこたえます(x_x;)
それに何となく今年中には完治して欲しいですよね(^^; お身体をお大事に…
2008/12/22(月) 午後 9:56 [ いちそこ ]