星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

まぼろしの銀河鉄道

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まぼろしの銀河鉄道
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ああ、もう、死んでもいい!
 そう、死んじゃうよ、わたし!
 シヌ!
 なんて、いきなり、カゲキなセリフがとびだしちゃって、ゴメンナサイ。
 お姫様のわたくしにはふさわしくないお言葉でありやした、ご勘弁を、アネサンがた。
 うほっ、うほぅ、ほほほっ。
 んもう、どうしちゃったわけ、星子ったら。テンション、上がりっぱなし。
 だって、当り前でしょ、バースデイに送られてきたのが、超の字がつくプラチナチケット、な、なんと、銀河鉄道の乗車券だっ。
 銀河鉄道は、わたしのあこがれ、原作の漫画はもちろん、テレビ版も映画版もミュージカル版もぜんぶ見ています。一度でいいから、銀河鉄道に乗り、銀河の世界を夢とロマンと冒険の旅をしてみたかった。
 おっと、ほんというと、もっと大きな夢が……それは、あこがれのヒト、宇宙の海賊キャプテン・プリンスと出会い、熱いキッスを……。
 うううっ、シビレルっ。その先は、イエナイ。
 で、夢がかなうなら、大好きなイチゴケーキも断ちます。ゴンベエをいけにえにしてもいいです。さらにさらに、しっかりオトコ断ちもしますっ。
 なんちゃって、うふっ。
 とにかく、その銀河鉄道に乗れるチケットが送られてきたとは。
 誰が送ってくれたのか、そこんとこは不明。封筒には差し出し人の名前も住所も書かれていない。
 わたしのカンでは、たぶん、あいつ、ほら、きまっているじゃん。
 美空の宙太さん。
 花束や飾り物のような当り前のプレゼントじゃわたしが鼻もひっかけないと思い、銀河鉄道のチケットを思いついたに違いない。
 ういヤツじゃ。苦しゅうないぞえ。
 でもよ、銀河鉄道ってあくまでマンガの世界のお話じゃない。現実に存在する列車じゃないよね。もしかして、宙太さんがわたしのために仕組んだオアソビかもしれない。
 それでもいい。銀河鉄道がからんだオアソビなら許してあげる。
 で、どこへ行けば銀河鉄道に乗れるっていうわけ。
 チケットをよく見ると、
「乗り場・地下鉄銀座線・新橋駅」
 と印刷されている。
 ま、とにかく、行ってみますか。
 ということで、星子、学校の帰り道、オアソビ気分、寄り道気分で地下鉄銀座線の新橋へ向かった。
 まさか、命がけの恋と冒険の旅になるとも知らずに……。


                 2

「はい、到着っと」
 星子、地下鉄銀座線新橋駅の改札口近くで、細い首をくるっと回した。
 丁度夕方ってこともあって、駅の構内は大変な混雑だ。サラリーマンやOLさん、それに観光客もわんさか。なんたって、新橋はあのビッグスポットお台場行きの「ゆりかもめ」の始発駅ですからね。
 夕暮れ時のお台場は、サイコー。紅い夕陽を浴びながら、カレと二人でライトアップされたレインボウブリッジを眺めつつ、熱く甘いキッスを……うううっ、シビレル!
 え? カレって、誰かって?
 宙太さん?
 ふん、誰があんなヤツ。キッスの相手は、もちろん、キャプテン・キャプテン・プリンス。今回はこだわります、ワタクシ。
 そのキャプテン・プリンスさまに逢うためにも、まずは、銀河鉄道に乗らねば。
 でも、肝心の銀河鉄道は新橋駅のどのホームに着くわけ?
 銀座線のホームは渋谷方面と浅草方面の二つあって、どちらも乗降客で混んでいる。そこへ銀河鉄道があらわれたら、超パニックになること間違いなし。
「やっぱり、この銀河鉄道の乗車券、ただのオアソビかな。宙太さんのいたずらの可能性が強いよね。ゴンベエ?」
 そう話しかけたとたん、ゴンベエがリュックから飛び出し、雑踏の中を走りだした。
「うわっ、猫だ!」
「キャッ、ドラネコよっ」
 たちまち、駅の構内は大騒ぎ。
 ヤバッ、ゴンベエのやつ、とんでもないことを。
 星子、あわててゴンベエの後を追いかけて、ホームの階段を駆け降りた。
「ん?……」
 どこをどう走ったのか、気がつくと、さっきのホームの喧騒はどこへやら。シーンと静まり返ったホームには人っ子一人いない。照明も薄暗くて、まるで、地下倉庫のような雰囲気だ。
「ど、どういうことよ……」
 つぶやいた時、背後でフニャーゴと鳴く声が聞こえた。
 振り向くと、ゴンベエが、そして、そのそばには、なんと、タレメのオニイサマがニカッと笑いながら立っている。
「宙太さんっ」
「ハーイ、ハニィ、おまっとうさん」
 例によって、軽くウインクしながらの投げキッスだ。
「ここは、新橋駅の旧ホーム。路線の変更で、一度も使われないまま、保存されているんだ」
 そういえば、そんな話、以前、テレビで見たっけ。
 ふーん、と、あたりを見回した後で、
「どうして、こんなとこに呼び出したのよッ。やっぱり、銀河鉄道の切符でわたしをかついだわけね!」
 星子、キッと宙太を睨みつけた。
「そんな、とんでもない、銀河鉄道のチケットはボクチャンのところにも送られてきたんだぜ」
 そういいながら、宙太、手にしたチケットを星子に見せた。
 そのチケットは、星子がもっているチケットと同じものだった。


                     (つづく)                                                       
                   3

 ―銀河鉄道のチケットが、宙太にも……。
 星子の紅バラの花びらような唇が、しばらく、開いたままになった。
 え? 紅バラの花びらは褒め過ぎだろうって? 
 いいのいいの、誰かさんの趣味らしいから。(淫らな笑い)。
「でも、でもよ、どうして……」
「ボクチャンにも送られてきたのかってこと? きまってるだろ」
 宙太、コホンと咳払いした。
「わが命、いとしのハニィの旅の安全を守れ、との指示が……というのは、今までのパターン。でもさ、今回ばかりは……」
「違うってこと?」
「そ」
 宙太、もう一度、咳払いした。
「なにを、隠そう、このわたくし、星子さんと肩を並べる銀河鉄道ファン。その熱烈な気持ちをくんでくれたゴッドが、わたくしに銀河鉄道のチケットを送って下さったというわけ。有難いことです、ハイ」
 なんと、宙太も銀河鉄道ファンだったとは。 
「で、宙太さんが銀河鉄道にあこがれる理由はなんなのよ」
「きまってるだろ」
「未知の世界への夢? 冒険?」
「とととっ、ボクチャンがその程度の男に見えるわけ?」
「違うの?」
「当り前でしょ。美空宙太といえば、愛に生き、恋に生きる、宇宙の恋詩人、銀河のさすらい人」
 うふっ、よくいうよ。
「そのわたくしにとって、永遠の恋の女神、あこがれのヴィーナスといえば……」
 この、わたしかな。
 今までのパターンなら、そういうはずだよね。
「その人の名前は……」
 宙太、せつないため息をほっとついたあと、かすれるような声でつぶやいた。
「……星のマリア……」
「え?」
「だからさ、星のマリアだって」

                          (つづく)


 


追記 今後の展開を考えて、ゲストの名前や列車名を変更させていただきました。ご了承ください。
 

閉じる コメント(2)

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あは☆そりゃそうですよね^^;先生が書いたら・・・(もちろん原作者様は別にいらっしゃる訳ですが)ある意味『オフィシャル』になっちゃいますもんね;
先生の『自由な』銀河鉄道、楽しみにしてます♪v^^v

2010/2/6(土) 午後 0:27 [ すぴか ]

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先生こんにちは!
続きうp有難うございます&更新お疲れ様ですm(__)m
お名前変更、了解しました\(^o^)/
これからの銀河鉄道、ワクワクしながら正座して待ってます((o(^-^)o))

2010/2/6(土) 午後 1:46 [ ゆうきあおい ]


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