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ーーはじまりはウインクキッスーー
「むふっ、うひっ」
お日様がキララと照りつける背中から、ため息混じりの、というか、含み笑いのような、というか、ちょっとくすぐったい感じの声が聞こえた。
だれ、何よっ。
星子が振り向くと、見慣れた宙太のタレメ顔が、それも、いつもより一段と目尻を下げた御面相だ。
「んもぅ、声かけるんなら、ちゃんといってよっ」
唇をとがらせた星子に、
「うふっ、でへっ、ヒヒッ」
宙太、だらしなく笑いながら、すり寄った。
「ちょっと、いい加減にして!」
星子、カッとなって、宙太の胸をどんと突いた。
「おっと!」
ダンサーのように軽く一回転した宙太、にやりと星子の顔を覗き込んだ。
「いやぁ、いいねぇ。その落差がサイコーッ」
「落差?」
「うん、その冷たく光る氷の剣のような眼差し、男の子をいっさい寄せつけない、鉄壁の眼力。まさに、恋の求道者、孤高の旅人、流星子、ここにあり! と、思いきや……」
「え?」
「ハニィに、まったく別の顔があったとはね」
「別の顔?」
「そ、今まで一度もお目にかからなかったような顔さ。大人になったというか、それとも、隠れていた本性がついにベールを脱いだのかもね」
「一体、どういう顔だっていうのっ」
「きまってるだろ。男心をたぶらかし、男の人生を翻弄し破滅させる恐ろしい悪女の目をした顔さ」
「悪女の目?」
「といっても、オカルトチックな恐ろしい目じゃない。男に甘え媚びるセクシーな眼差し、男のハートも体もビリビリとしびさせ、金縛り状態にさせてしまう、そういう目だぜ。まさか、星子さんにそんなエロい顔があったとは。そう、いうなれば、ウインクキッス!」
「ウ、ウインクキッス?」
「直接、キッスはしなくても、君のあのとろけるような眼差しでウインクされたら、キッスされたのも同じさ。日頃、つんけんしているだけに、余計、効果抜群ってわけ。まさに、華厳の滝のような落差。ああ、きくぅ」
宙太、しびれたように身悶えした。
「ちょ、ちょっと、待ってよっ」
星子、憮然といった。
「わたしが、いつ、ウインクなんかした? してないよっ」
「なんて、とぼけるところが余計カワイイっ。ああ、ますます、しびれちゃう」
「ふざけないで! わたし、ほんとにしてないんだからね! ほんとよっ」
「よくいうよ。マサル君なんか、もう、ヘロヘロなのにさ」
「マサルさんが?」
「そ、君のウインクキッスでね。いや、マサル君だけじゃない、右京君も春ちゃんも小次郎やゲンジロウ達もな」
「ええっ」
星子、あんぐりとキュートなお口を開けた。
(つづく)
追記 結局、オアソビをはじめてしまいました。毎日ってなわけにはいきませんが、しばし、お付き合いのほどを。
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悪女は夜明けに嗤う
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待っておりました新連載♪
なんだかもうわくわく感が止まりません〜^^ 普段のツンデレ星子ちゃんとはまた違う顔を見せた星子ちゃんが皆のまえに。そしてその星子ちゃんの目的(?)は!?
めちゃ続きが楽しみです〜♪
2010/5/21(金) 午前 6:32
先生、連載スタートありがとうございます♪
あらら、星子ちゃんのしらないうちに知らない顔が!?
でもホントにそのギャップって、女も男もドキドキしちゃいますよね〜
や。でも、宙太さんみたいに理解してくれる男性ならいいですけどね〜
私も、他を寄せ付けない冷ややかさの表向きで結局寄せ付けなかったままでした(笑)
本当は一人でいれないタイプなんですが、甘え下手(笑)かなしいかな。
なので、このシリーズで疑似体験して♪心の若返りを図ろうと思います〜
2010/5/21(金) 午前 9:37 [ まりも ]