星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

おかえりママに薔薇のキス

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 ――わ、わたし、三年後に宙太さんと結婚する……そして、双子を産む……名前は、星丸くんと宙美チャン……。
 ――その三年後の世界が、今の時間と空間に重なって、おかしなことが起きた……すべては、それが原因だった……。
 星子、茫然と突っ立っていた。
 ショック、ショックもいいとこ。中でも一番のショックは、星子ママがこのわたしだってこと。
 しかもですよ、その星子ママは、
「……光る壁、そうよ、光る壁に吸い込まれていくのよ……もし、出てこれなくなったらどうなるわけ? 今のわたしも、どうかしちゃうの? ね、宙太さんっ……」
 星子、宙太を見上げた。
「さぁな、どういうことになるのか、見当もつかないけど……」
「もしかして、わたしも星子ママのように光る壁に吸い込まれちゃうとか……やだ、やだ、そんなの! いやっ」
 恐怖で体が震えてくる。
 すると、宙太が星子を抱え込むようにして抱きしめた。
「大丈夫、心配いらないよ」
「でも……」
「僕が守ってあげるから。しっかりと、守ってあげるよ」
「宙太さんっ」
 それでも、まだ、震えが止まらない。
 すると、宙太の両手が星子の頬をそっと押さえ引き寄せると、唇を重ねた。
 暖かくて、柔らかい。
 いつの間にか震えがおさまり、気持ちが落ちついてくる。
 宙太、そっと唇を離すと、微笑みながら星子を見つめた。
「どう、信じてくれるかい?」
「ええ」
 星子、こっくんと頷いた。
「でも、これでもう遠慮することないよね」
「なにが?」
「君にキス! なんせ、三年前の星子さんなんだしさ」
 そうか、そういうことだよね。
「どう、もう一度してみる?」
「え?」
「なんか、イマイチ、ピンとこないしさ。もう一度キスすれば、確かな手ごたえってことになると思うよ」
 そうかも。
だけど、このノリの良さ、そっくり宙太さんに、ううん、今の宙太さんにそっくり。
 あら?
 こんがらかって、わけがわかんない。とにかく、今、わたしの前にいるのは宙太さんなんだ。それでいい。
「んじゃ」
 宙太、あらためて星子を抱きよせると、顔を近づけた。
 星子も、自然と目を閉じて唇を……。
 その瞬間だった。
「ママ!」
「パパ!」
 叫ぶ声が聞こえてきた。
見上げると、宙太の部屋の窓から星丸と宙美が両手をひらひらと振っている。その後ろには、春之介の姿も見える。宙太のいったとおり、双子ちゃん達は家にいたんだ。
「おっ、星丸、宙美、すぐいくからな!」
 宙太、にこやかな顔で手を振ると、星子を促した。
 星子、宙太と並んで歩きだしたけど、なんだか、すっごく緊張してしまう。だって、今までは双子チャンは星子ママが生んだ子供だと思っていたから気持ちも楽だったけど、今度はそうもいかない。なんせ、将来、自分が産む子供達だとわかったわけだしね。
 そんな星子の気持ちを読んだように、宙太、星子の肩を軽く叩いた。
「星子さん、リラックス」
 そうよ、リラックスしないと。
 深呼吸して、宙太のあとから玄関へ入る。
「おかえり、パパ!」
「おかえりなさい、ママ!」
 ドアを開けたとたん、星丸クンが星子にとびつき、宙美チャンが宙太にとびついた。そして、そのあと、
「選手こうたい!」
星丸くんの声で、宙美ちゃんは星子に抱きつき、星丸くんは宙太に抱きついた。
「おかえり、パパ!」
「おかえりなさい、ママ!」
 星丸も宙美も、心底うれしそうな顔で星子と宙太も見上げている。
 ――おかえり、ママっていう言葉、今の星子にはズシンと胸に響いてくる。だって、星子にとって二人は将来生むことになっている子供達なわけだから。
でも、正直、まだ、実感はわいてこなかった。それどころか、戸惑う気持ちのほうが強かった。代理ママのほうが、もっと自然に二人を抱きしめてあげられたかも……ふと、そんなふうに思ってしまう。
 すると、星丸が、
「ママ、どうしたの?」
 心配そうに、星子を見上げた。
 宙美も、同じように星子を心配そうに見た。
「あ、べ、べつに……」
 星子、あわてて、首を振った。
「なんでもないの。ちょっと、疲れただけ」
 ぎこちなく微笑んで見せたが、二人とも、気になる顔で星子を見つめている。カンがいいっていうか、星子に抱きついた時の感触で何かの気配を感じたらしい。
 すかさず、宙太が星子をかばうように、
「そうなんだ、ママ、つかれてるだけさ。それより、すっごい熱烈歓迎だな。どうしちゃったわけ?」
 双子チャンを抱きあげながら、いった。
 すると、星丸くん、
「だってさ、春チャンがへんなこというんだもん」
「春チャンが?」
「うん、ママは急の御用でお出かけしたって」
 つづけて、宙美チャンも、
「そうよ、今夜はおとまりでかえらないって」
「でも、ボクも宙美も、春チャンにいったんだ。そんなことないって。ママはじきに帰ってくるよって」
「そうよ、もう、この前みたいにあたしたちをおいてどこか遠くにいたりしないって」
「やっぱり、ボクたちの勝ちだったね、宙美」
「うん、そうよね」
 星丸と宙美、ニコニコしながら春之介に目をやった。
 その春之介、固い表情で立ったままだ。きっと、星子が戻ってきたことをとがめているに違いない。
 宙太、春之介の様子が気になったようだけど、
「さ、星丸、宙美、パーティの支度しようか」
 その場の雰囲気を和らげようと、双子ちゃんを促した。
「おしごと、だいじょうぶなの、パパ?」
「うん、今夜だけ交代して貰ったから」
「やったぁ!」
 星丸も宙美も、うれしそうにとびはねると、星子に、
「いこ、ママ」
「おてつだいだけでいいよ、ママ」
「あ、はいはい」
「ふっ、よくいうよ」
 宙太、笑いながら双子ちゃんを連れてキッチンへ向かった。
 星子があとを追おうとした瞬間、春之介がいきなり、星子の腕を掴んだ。
「ちょっと、待って」
「ん?」
「星子ちゃん、どういうこと? あたし、確かこういったわよね。もう二度とここへは戻るなって」
「え、ええ……でも……」
「双子チャンたちが気になった、そういいたいわけ?」
「……」
「だけどね、あなたの子供じゃないのよ。ママは別にいるんだから。そうでしょ?」
「……」
「もう一度、いうわ。星丸くんも宙美ちゃんも、あなたの子供じゃ……」
「やめて!」
 星子、たまらずにいった。
「星子ちゃん……」
「……」
 それ以上はいえない。胸がいっぱいになって、言葉にならない。ふいに、星子の目から涙がこぼれた。
「星子ちゃん……あなた……」
 春之介、ハッと見つめた。
「あなた、わかったわけね、二人が将来、自分の生む子供だってことを……」
「春ちゃんっ……あなたも知ってたわけ?……」
「ええ」
 春之介、小さく頷いた。
「途中で気がついたのよ、あなたはただのそっくりさんじゃないって。それで、水晶玉で透視したりして調べたところ、やっとわかったの。あなたは本物の星子ちゃんで、星子ママは、未来のあなた。そして、あたしや宙太さん、それに星丸くんと宙美チャンは三年後の世界からきたんだって」
「……」
「で、そのことをあなたが知ってるってことは、宙太さんも気がついてるってことね」
「ええ」
「やっぱりね。だから、さっき、あなたに遠慮なくキスしてたんだ」
「見てたの?」
「そういうこと。ちょっと、ヤケちゃったけどね」
 春之介、軽く星子を睨むと、じきに、真顔になった。
「でもね、喜んでいるわけにはいかないの。早く星子ママ、つまり三年後のあなたを助け出さないと、三年後の世界から星子ちゃんが消えてしまうわ」
「わたしが、消える?」
「そうよ、星子ちゃんの未来、つまり、これからの三年間が変わるってことよ」
「じゃ、宙太さんと結婚したり、双子チャンが生まれることも……」
「ええ、なくなるってわけ。星丸クンも宙美ちゃんも消えてしまうってこと……」
「そ、そんな!」
「あたし、あなたにそのことを知られたくなかった。だから、あなたをこの家から追い出したのよ」
「……」
 そういうことだったのか。やさしい春ちゃんだ。
 だけど、双子チャンが消えてしまうなんて、あんなに可愛い二人が蜃気楼のように消えてなくなるなんて、考えただけで泣けてしまう。
「いや、いやだ、そんなの!」
 星子、涙をぬぐいながらいった。でも、涙があふれてきて止まらない。
 そのとたん、
「泣かないで! 泣くんじゃねぇ!」
 春之介が、ドスのきいた男の声で叫んだ。
「てめぇに先に泣かれたら、俺の立場がねぇぜ! いいか、星子! 俺はな、自分が消えてもかまわねぇとおもってる。でもな、双子の星丸と宙美だけは、あの目ん玉に入れても痛くねぇ双子ちゃんだけは……消えて欲しくねぇ!」
「もちろん……」
「黙って聞け! いいか、双子チャンはな、この前、こんなことをいったんだ……ママとパパは、ボクたちに幸せプレゼントするために生んでくれたんだ。あたしたちもパパとママに幸せをプレゼントするために生れてきたんだって……」
 ほんと、そんな素敵なことをいったなんて。
「しおらしいじゃねぇか。まだ、二人とも三歳だぜ。たった、三つなんだ。それでも、ちゃんと、わかっているんだ。だからな、ぜったいに、二人を消したくねぇンだ! もし、もしもそんなことになったら……」
 春之介、一転、女言葉になった。
「春ちゃん、死んじゃうっ」
 そして、両手で顔を覆い、さめざめと、身体をふるわせながら泣き出した。
 その姿に、星子もあらたな涙、涙だ。
「ね、春ちゃん、星子ママ、助けられないの? なにか、方法はないの?」
「……わかれば、あたしがやってるわ……あたしの命で救えるものなら、いつでも差し出すのに……」
 春之介、鼻をすすり、ぽろぽろと涙をこぼしながらいった。
「……」
 どうしたらいいんだろ、どうしたら。
 星子が涙をぬぐった時だった。携帯電話の着信音が聞こえてきた。
 携帯電話を取り出すと、画面に着信番号が……知らない番号だ。
「もしもし?」
 ちょっと緊張気味に聞くと、
「あのぅ、もしもし……」
 女の声が聞こえてきた。
「流星子さんですか?」
「はい、そうですけど……」
「わたくし、堂本亜利沙といいます……」
「え? 堂本さん?」
 その名前、宙太さんから聞いたことが……そうだ、右京さんのフィアンセの名前が、たしか……。
「あ、右京さんの……知り合いっていうか、フィアンセの……」
「はい、そうです」
「!……」
 星子の携帯電話を握る手に、汗が噴き出した。


                    (第四部へ続く)


追記  待つの取れないうちにと思っていたのに、遅れてしまいました。よろしく御一読の程を。第四部の展開をどうするか、頭の痛いところです。
 それにしても、本当に寒いですね。こちらは干天続きですが、大雪に見舞われた北国や山陰、九州の方々のご苦労大変だと思います。

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春ちゃんんの水晶玉ではっきりしましたネ〜。宙太さんや双子ちゃん、春ちゃんたちが三年後から、高校生の星子ちゃんの時代へやってきたってこと。ってことは、長崎直後の宙太さんたちも、この時代にやってきたってことか〜。
直接事件に関係のない長崎直後の宙太さんたちが、もしかしたら助けになるキーを握っているのかな〜?
これからの展開がとっても気になります〜!
寒い日が続きますが、暖かくして体調に気をつけてくださいネ〜☆

2011/1/12(水) 午後 8:55 くにざわゆう

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私も手に汗が噴出しちゃいました〜(*_*)
きゃ〜一本につながったわ〜
もう、ミステリーのなぞカケが解けるかのような☆彡

そしてそして、あ〜もうなつかしい 宙太さんのKiss〜あのふんわり感がたまりませ〜ん(*^_^*)

春ちゃんとともに 私も星子ママを助け出したいっ

あ〜もう一回読んでこようε==г(*_*)」

2011/1/12(水) 午後 9:29 [ まりも ]

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おはようございます♪

宙太パパさんがエンゼル星子さんにキスしたシーンを読んだ時、ショックでした。
だってだって・・・エンゼル星子さんは本物の星子さんだとしても、
宙太パパと同じ時間を過ごしてきた星子ママじゃないから・・。
そう思うのはわたしだけなのかな?
ましてや、光の壁にいる星子ママがそのシーンを見てるかもしれず。
ひとりぼっちで、宙太さんたちに会いたいと思ってる星子ママが、そんなところを見たら、たとえ、光の壁から出られたとしても、素直に宙太さんの腕の中に飛び込んではいけないかと。。。
ノリのイイ宙太さんも嫌いじゃないけれど・・
今回は読んでて少しつらかったです。。
下手したらペットに押し倒しかねない?・・・(笑)
三年前の宙太さんにしてみたら、きっとこれからエンゼル星子さんをふりむかせようとしてるだろうし・・・。

2011/1/13(木) 午前 9:23 [ ちびすけ ]

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でも、三年前の宙太さんが初めて会った星子さんって、エンゼル星子さんではなくて、きっと星子ママですよね。。
エンゼル星子と会ったときには、すでに名前やゴンベエの名前を知っていたわけだから・・。
それも、何かの暗示なのかな〜。。
最近、ユーチュブで
「この道の先で」PLYESTをよく聞きます。
宙太パパさんと星子ママが仲良く過ごすことができるように願って・・・。

2011/1/13(木) 午前 9:23 [ ちびすけ ]

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こんにちは♪

ちびすけさんのコメントを読んで。。。うんうん、分かります(^_^)
私も、エンゼル星子さんが本物の星子さんなんだと頭では分かるのですが、何度も危険な目にあいながら同じ時を過ごして・・それは、星子ママなんですよね。宙太パパには、そんな一緒に成長した星子ママを好きでいてほしい。なんて、ダメ?
だけど、ずーっと、星子ママを待っていた宙太パパの事を想うとありかなぁ。。。とも^^;
皆で、幸せに暮らせる日がきますように☆彡

続きが楽しみです♪

2011/1/13(木) 午前 11:00 [ じゃすみん ]

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先生こんばんわ!!

宙太さんとエンゼル星子さんのキスシーンを読んで「きゃあ〜♪♪♪
(//▽//)」と歓声を上げて喜んでしまいました。
宙太さんと星子さんのラブシーンが大好きなので♪

だけど、ちびすけさんの言うとおり宙太パパが同じ時間を過ごして愛してきたのは星子ママなんですよね…。
そして、エンゼル星子さんにキスしたのも星子ママは見ているかもしれないし…。
だけどだけど、私もじゃすみんさんと同じく、ずーと星子ママを待っていた宙太パパの事を思うとありかなぁ…と。

あと、宙太パパが、まっさらなエンゼル星子さんにどこまで手が出せるのかちょっと楽しみだったりします♪(^m^*)

2011/1/13(木) 午後 10:12 [ ゆず ]


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