星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

嫁父婿父バトル刑事

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1 バトルは星子のバースディに始まった!

 ――そう、たしかにバトルは星子ママの賑やかな誕生日パーティで始まった……。
かたや、嫁父つまり花嫁の父・美空宙太、そして、かたや婿父つまり花婿の父・三日月マサル。
花の警視庁を背負って立つ! といったら、ちとオーバーだが、この二十数年、第一線の辣腕捜査官としてコンビを組み、数々の難事件を解決してきた二人だ。私生活でも長くて深い付き合いがあり、それこそ親友関係といってもいい仲の二人なのに、ああ、運命のいたずらといいますか、嫁父婿父になったばっかりに、かくも壮絶なバトルカンケイにかるとは。
でも、つい前日までは、まさか、そんなことになるとは思ってもいないお二人さんだった……。

「どうも」
 カチンと乾杯のグラスが音を立てた。
「おつかれデス」
 宙太とマサル、グラスのビールを口へ持っていった。捜査本部のおかれた室内には、殺人事件捜査が終わりホッとした雰囲気が漂っている。捜査員達も、久しぶりに笑い声を上げたりしながら飲んだり食べたりしていた。
 でも、マサルは半分ほど飲んだだけで、グラスを口から離した。
「ん? どうしたい、三日月警部補?」
 宙太、けげんそうにマサルを見た。ちなみに、マサルは警部補に進級している。高卒の叩き上げながら刑事の実績は高得点、ただ試験勉強をする時間が取れなくて昇進が遅れていた。
「なにが?」と、マサル。
「だってさ、おたく、昔っからアルコールには強いだろ。とくに、今夜のように捜査が片づいたあとの一杯は最高にうまいし、いつもなら一気に、それもたて続けにお代わりするじゃないの。ところが……」
 宙太、マサルのグラスを指先で突いた。「ほとんど、残っちゃってる」
「あ、ま、ちょっと調子がね、イマイチ」
 マサル、ぎこちなく微笑んだ。
「何か、心配ごとでもあるのかい?」
 マサルの顔を覗きこみながら、宙太がいった。「いってみろよ。僕とおたくの仲じゃないの」
「そのセリフ、そっくりお返ししたいぜ」
「あ?」
 マサル、宙太のグラスをピーンと指先ではじいた。「いつもなら、打ち上げの最初の一杯は一気に飲んで見せるはずだろ」
 そう、宙太、事件解決の打ち上げの時は、厄落としを兼ねて一気にグラスを干していた。ところが、今夜に限って宙太のグラスにはまだビールが半分以上残っている。
「あ、これね」と、宙太、ぎこちなく笑って見せた。
「ちょっと、お腹の具合が……疲れがたまったのかな」
「そういうセリフ、タフガイの警視ドノには似合わないぜ」
 マサル、真顔で宙太を見つめた。
 ちなみに、宙太、警視に昇進している。警視庁ではトップから五番目の階級だ。キャリア組だし、本来ならトップから三番目の警視長の昇進してもおかしくないが、捜査の第一線に残りたくて、昇進を辞退していた。
「何か、心配事があるんだろ。とぼけないでいってみろよ。水臭いぜ、まったく」と、マサル。
「そっちこそ」と、宙太。
「じゃ、こうしよう。一気に飲み干したあと俺が先に話すから、おたくもちゃんと話してくれよ。いいかい」
「よし、わかった」
 二人はカチンとグラスを合わせて、一気にグラスを煽った。
「じつはな……」
 マサル、ふーっとため息をつくと、話しはじめた。「じつは、その、結婚……」
「け、結婚?」
 宙太の声が、上ずった。「まさか、おたくが?」
「よせよ、俺には早苗という奥さんがいるだろ」
「そう、そうだった」
 宙太、咳払いした。マサルと早苗の夫婦仲がいいのは、よくわかっている。
「どういかしてるぜ、警視ドノ」
「すまんすまん」
 なんだか、いつもの宙太とは違っている。「んで、誰が結婚するわけ?」
「……ハヤトだ……」
「えっ」
 宙太、ポカンと口を開けた。「あのハヤトくんのことか?」
「そういうこと」と、マサル、もう一度重たい溜息を吐いた。
 ハヤトは、マサルと早苗夫婦の間に生まれた一人息子だ。顔も気性もマサルそっくりで、戦国時代の若武者を思わすワイルドな若者だった。
「目出度いじゃないの。何も悩むことなんかないだろ」
 宙太がポンとマサルの肩を叩くと、
「そうもいかないぜ」と、マサル、溜息をついた。
「ハヤトは、まだ、十九歳だ。結婚するには早過ぎる。それに、白バイ警官を目指しているのはいいが、特攻ハヤトと呼ばれる程、無茶な運転をするライダーだ。いつ大けがするか、命をなくすか、わかったもんじゃない」
 そう、ハヤトは高卒後、警察官募集の試験に合格、現在は警察学校に通いながら、暇さえあればナナハンをぶっ飛ばしている。
「昔のおたくもそうだったな。しっかり、血を受け継いでるわけだ」
宙太、ニヤリ。
「からかうな」。マサル、ムッとなった。
「とにかく、そんなハヤトにはまだまだ嫁さんを貰う資格なんてないぜ。一人前の警官になるまでは俺の手元に置いてしっかり監視しないと」
「なんちゃって、ほんとはハヤト君と子別れしたくないんだろ」
 宙太、クククッと笑った。
「違う! 男なんだし、時期が来たら独立して当然だぜ。ただ、あいつにはまだその資格がないっていったろう」
「わかった、わかった。でも、結婚すれば少しは落ち着くんじゃないのか。誰かさんもそうだったし」
「おいっ」
「で、結婚相手はどんな人なんだ?」
「それが、教えてくれないんだ」
「オヤジには話しにくいのかな。じゃ、早苗さんには?」
「やっぱり、いわないそうだ」
「そんな……」
 宙太、唖然となった。「じゃ、同じだ……」
「同じ?」
「あ? い、いや、別に……」
 あわてて首を振った宙太に、マサル。
「ちょっと、おたくも話す約束だろ」
「う、うん……」
 宙太、仕方なくいった。「じつはさ、うちにも結婚話が持ち上がってるんだ」
「マジかよ。おめでとう!」。マサル、宙太の肩を掴んだ。
「そうか、星丸クンは優秀な医者の卵だし、話があって当然だよね」
 そう、星丸、国立医大に現役でトップで合格、現在、外科医を目指して勉強中だ。
「あ。いや、星丸じゃない」と、宙太、首を振った。「あいつにはそんな話はきていないし、本人にもその気はまったくない」
 ハイ、三度のメシよりも、女の子よりも勉学が大好きな星丸クンです。
「え? すると、まさか……宙美ちゃん?……」
「そういうこと。急に結婚したいっていいだしてさ。もう、こっちはパニック状態だぜ」
ため息をつく宙太に、マサルが、
「いいじゃないスカ。じゃじゃ馬レディの宙美ちゃん、二代目星子さんだし、早いとこ結婚して貰った方がおたく達も心配の種がなくなってホッとするんじゃないの」
 ハイ、宙美はまさに星子の二代目にふさわしいキャラだ。
 お歳は現在十九歳、早生まれのハヤトよりは年上だ。近頃は、容姿も性格もますます星子そっくりになってきて、家族の者も周囲の者も戸惑う程だ。
 いや、容姿や性格だけじゃない。なにしろ、旅が大好き。スッチーに憧れ、専門学校に通っているが、星子の血を引いたのか旅が大好き、衝動に駆られてしばしばお出かけしていた。
「で、結婚したいっていう相手はどんな男なわけ?」
マサルが聞くと、宙太、憮然とした顔で、
「それが、いわないんだ」
「そうか、だから、うちのハヤトと同じってわけか。で、星子さんには?」
「まだ、話していないらしい。それに星子も結婚は本人次第だっていってるし、あえて聞きだそうともしていないみたいでさ」
「じゃ、早苗と同じだな」
「まいったよ、まったく。もちろん、いい相手なら嫁に行かせてもいいとは思ってるんだが……」
「なんて無理しちゃって。ちゃんとお見通しだぜ」
「ん?」
「ほんとは、宙美ちゃんを手放したくないんじゃないの。目の中に入れても痛くない程可愛がっていたしさ。もし、いなくなったら泣きの涙、自殺しかねなかもな」
「バカいえ! 僕はそんな弱い父親じゃないっ」
「ウソウソ」
「黙れっ。そういうおたくのほうこそ、あんなにハヤト君を可愛がっていたし、一人っ子だし、いつまでもそばにいて欲しいんだろ」
「バ、バカいえっ」
 宙太もマサルも、顔を真っ赤にして睨み合った。
 が、じきにフーッと息を吐いて、苦笑いした。
「喧嘩しても始まらないよな」
「うん」
 そういうことだ。
「じゃ、こうしないか。もうじき、うちの星子の誕生日だし、その時、宙美にもハヤト君にも結婚相手を連れてきてもらい、紹介し合うっていうのは」
「いいねぁ、そいつはいいや。パーティには春ちゃんや右京君達もくるんだろ。みんなに紹介するついでに、品定めをして貰おうじゃないの」
「よっしゃ、それでいこう」
 宙太とマサル、あらためてコップにビールを注ぎ合うと、うまそうに一気に飲み干した。
 ――まさか、その星子のバースディパーティでとんでもないことが起きるとも知らずに……。


                      (つづく)



追記1  なんとか、はじまりました。宙太もマサルもキャラがきつい男達ですので、この先どういうことになりますやら。続きには時間がかかるともいますが、ご容赦。

追記2  いやぁ、ここ数日風邪をこじらせてしまい、難儀をしております。芝居の稽古のほうははじめて休ませて貰いましたが、運転免許の書き換えが迫っていて、予約した高齢者講習をサボるわけにもいかず、無理したのがいけなかったのかな。薬を飲んで一日も早く治さないと。

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センセー、待ってました(^◇^)
お約束通りのシリーズ!!宙太さんとマサル君のこれからの心境と
父親バトル!!
ど〜んな展開になって来るか、益々楽しみにしています!!
バトルの仲介役は、やっぱり春ちゃんだったりして…(^m^)

風邪なかなか治らないみたいですねぇ〜
インフルエンザの方も流行り出した事だし。。。
無理せず、温かくして治してくださいね!!
風邪に玉子酒〜ってね!!(笑)
お大事に〜

2013/1/10(木) 午後 4:53 かおりん


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