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いやぁ、まさに、惨劇でした。現場は、我が家の庭。といっても、日当たりの悪い、狭い庭ですが。その庭で、殺しが行われ、遺体は垣根に突き立ってられ、その遺体を殺し屋がむさぼり食う始末。でも、僕にはどうしようもなかった。
え? 被害者は誰かって?
それはですね、鳩クンです。そして、殺し屋というのは、たぶん、チョウゲンボウだ。
なんだ、山浦家の惨劇だなんて、オーバーだよって?
そんなことない。毎年、我が家の藤の木に巣を作りに来る鳩クンが襲われたんだからね。しかも、犯人はチョウゲンボウ。最近、都会にも進出してきたって聞いていたけど、まさか、我が家の庭にあらわれて、殺しをやらかすとは。
あ、チョウゲンボウっていうのは、小型の鷹みたいな鳥で、ネズミとか野鳥を襲う猛禽類なんです。今回の犯行も、鳩を襲い、垣根に串刺しにして貪り食う。しかも、僕が見ていても、平然と食している。庭の芝生には、鳩の羽根が無惨に散らばっていた。
そうそう、我が家の庭の惨劇といえば、何年か前、茂みで生まれた野鴨の雛たち六羽が、集まってきた家猫や野良猫どもに、一瞬のうちに食い殺されたことがあったっけ。
あの時、僕はバットを振り回して猫どもを追っ払おうとしたこで、まったく、相手にされなかった。
獲物を狙う時、チョウゲンボウも猫も、人間なんか眼中にない。それだけ、真剣、というか、ハンターになりきっているんだな。
そういえば、恋の相手を見つけるときも、動物や鳥たちは、ものすごく真剣で必死だ。つい先日、NHKの総合でオーストラリアの野鳥のめずらしい求愛行動を放送していたけど、ほんと、びっくりだった。
それに比べて、我々人間はどうだろう。食にも愛にも、快楽を求め過ぎてはいないだろうか。
ま、たしかに、美食といい、愛、つまり、性愛といい、快楽の極致だよね。ついつい、溺れてしまうのも無理はないが、たまには、自然界に生きる鳥や動物たちのように真剣になる必要があるのかも知れない。
なんて、そんなこといえるうちが華だね。美食とも性愛とも縁がなくなる時が、いずれはやってくるんだから。いや、もう、近いかも。
そ、そんな、冗談じゃない。よし、今のうちにせいぜい、たらふく美食して、アチラのほうもガンバっていこう!
なんて、アタマの中ではドラマをつくるんだけど……ううっ、サブ!
追記 僕の誕生祝のコメント、ありがとうでした。文章も気持ちも若いっていって下さって、嬉しい限りです。でも、やっぱり、出来れば……ま、贅沢はよそう。
では、オヤスミなさい。
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