星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

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「星子が、殺しのホシをかばっている? そんなバカな!」
 わたしは、思わず声を荒げた。
「星子がそんなことをするわけないだろう! いい加減なことをいうんじゃない!」
「そうよ!」
 星子も、再び、目をつり上げながら五月につっかかった。
「あたし、何も覚えていないっていったでしょ! そのあたしが、どうして、犯人をかばうわけ! ね、そうでしょ、宙太さん!」
「そういうこと」
 宙太は、うなずいてみせた。もっとも、その顔は意外と冷静だ。
「ちょっと、宙太さん! もっと、怒ったらどうなのよ!」
「そうだよ、君は星子に惚れているんだろう。こういう時、かばってやらないでどうする!」
「ハイハイ」
 宙太は、星子やわたしをなだめたあとで、五月にいった。
「で、証拠でもあるのかい?」
「もちろん。証人がいる」
「証人?」
「そんな!」
 キッとなる星子を、「ま、ま、ま」と、押さえた宙太、
「どこに?」
「ここさ」
 そういいながら、五月は体をかがめて、床にうずくまっていたゴンベエを、ひょいと抱き上げた。
「ゴンベエが、証人?」
「!……」
 わたしや星子、宙太は唖然となった。
「証人ではなくて、証猫、なんて、つまらないジョークいってる場合じゃないと思うけどな」
 宙太は、苦笑した。
「いいかい、五月さん。ゴンベエは、人間じゃないの。ネコちゃんだ。それも、ハンバーガーを食うしか能のない、タダのドラネコだぜ」
「タダは余計よっ」
 星子だけじゃない、ゴンベエも憮然とした顔で宙太を睨んだ。
「おっと、シツレイ。とにかく、ネコちゃんじゃ、証人にはならないと思うけどな」
「警部は、この猫の首輪を拾っているよな」
「ゴンベエの!」
 星子は、ハッと宙太を見た。
「よくご存じで」
「さっき、警部が三日月刑事とケータイで話しているのを聞かせてもらったんだ」
「なるほど」
 三日月刑事とは、もちろん、マサルのことだ。どうやら、宙太はマサルに事情を話して、応援を求めたらしい。
 宙太は、ポケットからゴンベエの首輪を取り出して、星子に見せた。
「コロシの現場に落ちていたんだ」
「!……」
 星子の顔が、一瞬、こわばった。
「でも、首輪だけじゃ、なんともいえないんじゃないの」
「そうかな」
 五月は、首輪を手に取ると調べた。
「留め金が壊れているな。余程の力で掴まれたらしい。ということは、この猫、ゴンベエといったけ、ゴンベエは強い相手と戦った可能性がある。それも、相手は人間でグレーの毛糸の衣服を着ていた…」
「ん?」
 五月は、宙太にゴンベエの右手を見せた。爪の間には、グレー色の毛糸が引っ掛かっている。
「なるほど」
 宙太は、首輪を取り戻しながらいった。
「つまり、こういいたいんだろう…ゴンベエは、役立たずでも一応、星子さんのボディガードをやっている。で、殺しの現場でピンチになった星子さんを救おうと、相手、つまり、ホシに飛びかかった。その際、首輪を掴まれて、留め金が壊れてしまった…」
「そんな…」
 いいかけた星子を、宙太は、すかさず手で制した。
「そんなに激しいバトルがあったのに、星子さんは怪我一つしていない。それどころか、いつの間にかこの寝台車のベッドで寝ていて、何も覚えていないという。もし、ホシの顔を見ていたら、当然、命を狙われてもおかしくないのにな」
宙太は、星子を見据えた。
「どうやら、ホシは星子さんとは顔見知りかもな。だから、かばうために一芝居打ったんだ」
「宙太さんっ…」
「あ、俺がいってるんじゃないよ。あくまで、五月クンの推理さ。んな、五月さん?」
 五月は、うなづいた。
「でもね、ハニィ」
 宙太は、星子を見つめた。
「僕も同じようなことを考えていたんだ」
「宙太さん…」
「相手は誰なんだ? なんなら、俺にだけ教えてくれないかな。頼むよ、星子さんっ」
 
                      (つづく)



追記 

星子「うわぁ、おいしいーっ。泣けてくる!」
パパ「だろ? 僕なんか、何度泣いたことか」
星子「失恋で?」
パパ「うん、なんて、大人をからかうんじゃない!」
星子「うふっ、パパ、顔が真っ赤だよーん。カワイイ」
パパ「まったく、もう! とにかく、函館といえば、朝市の食堂で食べる新鮮な海鮮丼!
 と思うでしょ。たしかに、素晴らしいが、僕はなんたって、『五島軒』の洋食をナンバ ーワンに挙げたい! もちろん、料理もだが、店の伝統溢れる雰囲気が最高だ。昔、あ の人と函館に来たときも、この店で…ううっ、泣けてくる…」
星子「やっぱり、失恋の涙じゃん」
パパ「面目ない」

  ということで、本篇から離れて、ちょっぴり、二人の恋旅ガイドを。
  ああ、それにしても、「なっちゃん」、今月いっぱいでいなくなっちゃうんですね。  悲しいな。
  え? 「なっちゃん」って誰だって?
  はて、誰でしょう。

ベイエリアの妻たち

 知り合いの夫婦がベイエリアの公団に住んでいるので、よく遊びに行くのですが、ベイエリアは住民たちが皆若いし、地域に活気がある。高齢化した僕の地元とは、まるで雰囲気が違う。
 とくに目立つのが、ベイエリア在住の奥様たちだ。年齢はほとんどが二十代後半か、三十代、四十代の前半の女たち。住んでいる所は、高級の分譲マンションや都市公団の高級賃貸マンション。それに、都公社の賃貸マンションや都営住宅など、収入によって住み分けている。ある意味では、格差社会の縮図かも知れない。だが、彼女達はそんなものを感じさせないように、巧みにバリアを張っている。
 大半が共稼ぎということもあって、保育園や幼稚園、小学校とか、サッカークラブ、野球クラブ、水泳クラブなどで、それぞれグループを作り、メールでコミュニケーションを取り合いながら、交流している。彼女達で際立つのは、外食やパーティの多いことだ。
 地元のベイエリアにはオシャレなお店が集まっているし、若い頃から遊びや買い物、グルメに慣れた彼女たちは、まさに、ディズニーランドで暮らすような感覚で生活を楽しんでいる。といって贅沢ではない。それなりに財布と相談しながら、情報を集めて、上手にやっている。
 しかも、彼女達は皆、恋多き女たちだ。不倫や再婚、同棲、様々な形の恋体験を積みながら、夫とも友達感覚で、そう、まるで、コンパの続きのような関係を保っている。
 高齢化する社会の中で、ベイエリアの妻たちは、かっての金妻たちとは違う新しい女の生きざまを見せてくれている。
 僕としては、そんなベイエリアの妻たちを、ドラマや小説で書いてみたいと思うのだが、はたして、手に負えることやら。でも、チャレンジしてみる価値はありそうだ。
 なんて、たわごとをいっている風邪ひきオトコであります。

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