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あ、オレオレ詐欺の話じゃないんです。母親が、息子の顔を忘れかけているってこと。息子っていうのは、この僕のことだけどね。今日、家内と二人で母親の見舞いに行ったら、家内のことはわかるのに、僕のことは、よくわかっていない。はじめは、他人を見るような顔で、やがて、息子だとわかったようだけど、再び、ヨソのヒトになってしまった。認知症が、かまり、進行しているようだ。ここ数年は、僕が交通事故で大怪我をしたしたと思いこんで、度々、見舞いの電話をくれたけどね。もう、その電話も聞けなくなりそうだ。母の頭の中からは、僕という息子の存在は、今に完全に消えてしまうのだろう。なんとも、悲しいよね。でも、ま、親子の別れって、こんな形ではじまるのかな。つらいけど、それなりに覚悟はしておかないとね。 |

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