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で、女子大生の話なんですが……なんて書き出すと、ちょっと、エッチぽいけど、なんて思っているのはワタクシだけかも。
とにかく、「あさかぜ」で向かいの席に座ったのは、二人の東京のT女子大生。当時からお嬢様学校で知られた女子大の学生だけあって、もう、二人ともまぶしいくらいの美人とくる。一人はちょっと遊んでいる感じ、昔風に言えばプレイガール。もう一人は清楚そのもの。つまり、サユリもどきてとこかな。しかも、二人とも女子大で映画研究会のメンバーやっている。
映画、ときちゃ黙っていられませんぜ。当時、このワタクシ、某大学映画学科の学生で、将来、映画監督を目指していた。
でもって、映画の話題でお二人さんと大盛り上がり。深夜の車内で、映画談議に夜が更けるのも忘れた程でした。
さて、そのお二人さんとは、その後どうなったか。もちろん、ワタクシ、東京駅でサヨナラってなわけがない。なんせ、宙太のコピー、いえ、宙太が僕のコピーと自称するワタクシであります。ケータイの番号やメールアドレスを、なんて便利なものが当時あるわけがない。電話だって、まだ、ほとんどの家にはなかった時代ですよってな。
ま、そこは口八丁手八丁、数日後、映画研究を口実にデートしまして、といっても、いらっしゃったのはプレイガールのほうで、本命のサユリ様は、プレイガールさまと名前を間違えてアウト。なんとも、オッチョコチョイな顛末でした。
でも、プレイガールさまは案外純情で、知性豊か、それに、すべてに情熱的で、とても素敵な人だった。ほんとは、もっと付き合いたかったけど、僕はその頃から学生運動とやらにのめり込み、デモや集会に明け暮れ、映画からも次第にとうのき、さらに、生き方や世界観の違いからカノジョとも次第に疎遠に……結局、別れてしまった。
今思えば、苦くて甘酸っぱい青春の想い出かな。ちと、体とハートが疼くけどね。そんなこともあって、「あさかぜ」のラストランは他の列車のラストランとは違う思い入れがあった。そう、ラストランというより、僕の青春の一ページに別れを告げる「お別れ列車」、蒸気機関車の物悲しい汽笛を鳴らしながら夜の闇の中へ消え去った「さよなら銀河鉄道」だったわけです。
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