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――謎のラブメール――
「……ほ、ほんとなの、それって……」
星子、茫然もいいとこ。
だって、星子のせいでマサルが尾行中の強盗容疑者を見失ってしまったなんて。
「で、そのあと、どうなったわけ?……まさか、マサルさん、責任取らされて……」
「うん、モチロン、捜査一課長から厳しいお叱りを受けて、きつい処罰を……」
宙太、顔を曇らせた。
「ええっ……」
「といいたいところだけどさ、万一に備えて僕がしっかりとサポート。そのあと、合流したマサル君と二人で、新たな犯行を働こうとしたホシを、見事現行犯逮捕したってわけ。ウインクキッスの件は、上司には内緒、ボクチャンの胸の中にしっかりとしまっておいたから」
そういって、宙太、ニヤリ。
「んもぅ!」
人が悪いんだから、宙太さんって。でも、よかった、マサルさんのキャリアに傷がつかずにすんで。
「いいかい、ハニィ、もう二度とマサル君をウインクキッスでからかうなんて真似はやめること。オーケー?」
「待ってよ、わたしには……」
「身に覚えがない、わたし、家で試験勉強してた、だろ?」
「その通りよっ」
「証人はいるのかな?」
「証人って、別に……あ、ゴンベエがいたけど。ね、ゴンベエ? そうだよね?」
「おっととっ、ゴンベエじゃ証人にはなれないな。それでなくても、ハンバーガーであっさりと買収されそうだしさ」
ゴンベエ、リュックからとぼけた顔をのぞかせ、大あくび。たしかに、宙太のいう通りかもね。
「とにかく、わたし、ほんとに出かけてなんかいないの! 絶対に、嘘なんかついてないったら!」
星子、噛みつきそうな顔でいった。
「やっぱり、人違いよ。他人のそら似よっ」
「でもさ、はじめにいったように、マサル君だけじゃない、右京君も春ちゃんもゲンジロウ達も君のウインクキッスを受けているんだ。それでも、まだ、他人のそら似っていうのかい?」
「で、でも……」
もう、星子の頭の中はマッシロ。さっぱり、わけがわからない。
「なぁ、星子さん、もしかして、キミ……」
宙太、星子の顔をのぞきこんだ。
「夢遊病かなんかにかかっているんじゃないのか?」
「夢遊病?」
「うん、お勉強に疲れてウトウトしているうちに、夢遊病のせいでフラフラと街に出かけた、とか……だから、覚えていないのかもな」
「そんなことないっ。絶対に、ない!」
星子が叫んだ時だ。宙太の携帯電話が鳴りだした。
「ん、誰だろ」
宙太、ポケットから携帯電話を取り出して、ディスプレイを見た。
「そ、そんなぁ!」
「どうしたの?」
「キ、キミからメールだ」
「わたしから?」
星子、宙太と顔を見合わせた。
(つづく)
追記 寒いことったら。五月にストーブかよ。どうか、風邪をひかないように。しっかりと、カレシに抱きしめて貰ってね。
なんちゃって!
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2010年05月29日
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