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雨の週末で、気持ちも沈みがちですが、いかがお過ごしでしょうか。
web化のお陰で、星子シリーズを復活させて頂いたわけですが、かなりやるせない思いもあります。というのも、web化される全50作すべてがトラベルミステリーですので、作中には当時活躍していた列車とか当時の列車ダイヤを使わせて貰っていたわけです。
でも、第一話に登場するブルトレ「さくら」をはじめ、作中に登場する列車の大半は姿を消し、列車ダイヤとか旅のありようも大きく変わっています。数多くの鉄道ミステリー作品に見られる悲哀といいましょうか。ですから、僕のブログで書いた星子シリーズの新作も、今の時点で星子を登場させる時、時空、とくに鉄道関係の時空をどう処理するのか、ない知恵をなんとか働かせたものです。もっとも、鉄道ファンとしては、それが楽しいのですがね。
もちろん、鉄道ファン、といっても、僕はほんのはしくれに過ぎないのですが……原点は、幼い頃の麻布を走っていたチンチン電車を毎日飽かずに見にいって母を困らせたこと……敗戦後の蒲田で目蒲線(当時)の線路が変更になり、小林町駅だったか、廃止になった時、廃線のトロッコで遊んだこと……当時はまだ急行列車しかなかった東海道線で両親の実家がある久留米に向かう時、名古屋近くで、名鉄の流線形や国鉄の流線形電車と競争した光景とか……夜明けに蒸気機関車の曳く石炭くさい客車から明けゆく瀬戸内の宮島あたりの景色を眺めたこととか……そうそう、戦時中、疎開から帰る時に、空襲で燃え上がる駅の構内を満員列車で通過した記憶とか……敗戦後、超満員電車で通学する時に、当時の進駐軍専用の白帯電車にアメリカ兵と日本女性が抱き合い笑いながら乗っていた光景とか……もう、数え上げたらきりがないくらい、鉄道にまつわる思い出があります。
青春の一時期、鉄道からは離れましたか、脚本家時代、西村京太郎先生の十津川警部シリ−ズの脚本とか、松本零士先生の999シリーズのテレビと映画の脚本も担当させて頂き、鉄道への思いが復活したわけです。
ですから、コバルト文庫で小説を書いてみないかとのお話があった時、最初に書いたのが、ヒトラーが計画したという、まぼろしの超大型列車をモデルにした「25時に消えた列車」三部作でした。売れ行きはパッとしませんでしたが、当時の編集長から再度チャンスを頂いて書いたのが、少女向けのトラベルミステリー・星子シリーズだったわけです。お陰様で、ファンの皆様から支持して頂き、今も僕を支えてくれています。本当に、有難いことです。
すいません、くどくどと昔話などしまして。
ま、それはともかく、web化星子シリーズを読み返すことで、今はまぼろしとなった列車達が、まぼろしのレールの上を走る雄姿と旅情をもう一度味わって頂ければ幸いです。
それは、もしかすると……今はまぼろしとなった恋を、探し求める旅につながるかも……。
ごめんなさい、余計なことでしたね。
追記 ケータイでweb星子をお読みになったかたへ、よろしかったら感想を聞かせて下さい。
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