星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

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「……明日の結婚式をやめさせろって、そんな……」
 星丸、ケータイを握り締めたまま、一瞬、立ちすくんだ。
「り、理由は……一体、どういうことなんだ!」
「……」
 星丸の激しい口調におびえたのか、看護師の河合好恵の声は途切れた。
「もしもし、ごめん、大きな声を出したりして。あやまる」
 星丸、なんとか気持ちを押さえた。
「とにかく、わけをいってくれないか? な、河合君」
「……ええ……すいません、急にこんなこと……」
 好恵の声も、少し落ち着きを取り戻した感じだ。
「あのぅ、先月亡くなった山田さんのことですけど……」
 山田は、外科病棟の新人男性ナースだった。歳は星丸より二つ年下で、顔立ちも体格も小柄で女の子のように華奢だったし、患者からは女性ナースと間違えられることがよくあった。
 でも、仕事はまじめだし、性格もいいし、みんなに可愛がられていた。ところが、ほぼ一月前、夜勤の無理がたたって過労死してしてしまった。
「ほんと、気の毒だったよな。で、その山田君のことでなにか?」
「……違うんです……」
「違うって?」
「山田さん、過労死なんかじゃ……もしかすると、薬とかで殺されたかも……」
「な、なんだって?」
 星丸、憮然となった。
「でも、あの時は、古賀先生が駆けつけて、ちゃんと山田君を診たあと、死亡宣告をしたんだぜ。先生の判断に間違いはないさ」
「……」
「悪いけど、電話を切るよ。今、忙しいから」
 星丸が通話を切ろうとした瞬間、
「でも、あたし、見たんです!」
 叫ぶような声が、ケータイから流れた。
「古賀先生と山田さんが喧嘩しているところを……」
「喧嘩? 山田君が叱られていたんじゃないのか」
「違います、ほんとに喧嘩していたんです。それも、別れるとか、嫌いになったとか、秘密をばらすとか……そんな理由で……」
「お、おいっ」
 星丸、カッとなった。
「バカいうな! そんな会話が成立するわけないだろ! 古賀先生と山田君は、男同士だぞ! 分かれるとか、好きとか……」
「でも、恋人関係なら、おかしくないです」
「こ、恋人関係?」
 星丸のケータイを握る手が、怒りで震えた。
「君! 何の恨みがあって、そんなひどいことをいうんだ。聞かなかったことにするから、素直に謝りたまえ! 早く!」
 謝るどころか、もっと、恐ろしい声が聞こえてきた。
「あたし、写真を撮ってるんです。以前、古賀先生と山田さんが一緒にラブホテルに入るところを……」
「な、なにっ?」
「今から、送ります」
 じきに、メールで写真が数枚送られてきた。
 バカバカしい、どうせいやがらせだろう、宙美と古賀の結婚を妬んでのことかも知れない。そう思いながら写真を見た。一瞬、星丸の顔から血の気が引いた。
 写真には、ラブホテルの駐車場に停めた車から古賀と山田が降り立ち、抱き合うように玄関へ向かう姿が何枚も写っている。
「!……」
 星丸、頭の中が真っ白になって、崩れるように座った。


                      (つづく)



追記  なんか、予想もしない方向へ話が転がっていくようです。だ、誰か、止めてくれ! 




 

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