星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

      プロローグ

「どう?」
「うふっ、ぴったり」
 熱い、吐息。
「ここを、こんなふうに」
「もっと、ねぇ」
「じゃ、こっちも」
「いや、じらさないで、早くぅ」
「はい、はい」
 しなやかな、指先。
「うっ、きくぅ」
「ここにも、ちょんちょんと」
「ああっ、もう、」
「とどめだ」
 一気に、せめる。
「すごーい、星丸くーん、ああっ」
 声を震わせて、のけぞる。
「そーら、できた、イチゴケーキ!」
 そうです、じつはデコレーションケーキを作ってたわけ。
 おっと、へんなこと想像させちゃったら、ゴメンナサイ。星丸、悪い子なんです。ハイ。
 生クリーム。
 甘さ控えめ。
 オープンレンジで焼き上げたスポンジケーキの土台に、たっぷりイチゴ。
 ホワイトクリームをたっぷり塗って、イチゴをちょちょんと乗せて。
 はい、出来上がりマシタ。星丸くん特製のイチゴケーキです。
「ほんとに上手ね、ケーキを作るのが」
「お褒めにあずかりまして。ママから教わったのさ」
「うそ、星子ママってお料理もケーキ作りもアウトでしょ」
「あ、ばれたか。じつは、パパからなんだ」
「あ、宙太パパなら、ナットク」
 杏奈(アンナ)、にっこりと笑った。
ローランサンの絵の少女のような、どこかメルヘンっぽい顔立ちの杏奈。右の片えくぼがすっごくカワイイ。
 星丸と杏奈。目下、新婚ほやほや中。幸せいっぱいっ。
 杏奈、白くて細い指先に生クリームをつけると、星丸の鼻の先にちょい。
「あ、こらっ」
 星丸も指先に生クリームをくっつけて、杏奈の額にちょい。
「やったな、このぉ」
 杏奈と星丸、じゃれあいながら、生クリームのくっつけっこ。
 顔から項へ、さらに、Tシャツの開いた胸元から割りこんで、可愛い蕾のような乳首に生クリームをちょちょんと。
「あ……」
 杏奈の口から、小さく喘ぐ声が。
「ご、ごめん」
 星丸、あわてて指先を引っ込めた。
「……」
 ふと、杏奈の手が星丸の指先を掴んだ。
そのまま、自分の乳首へいざなう。
「お、おい……」
「……」
 杏奈の瞳、じわりと潤んでくる。頬も染まって、息遣いが少し短くなる。
「杏奈さん……」
「……」
 答えないまま、掴んだ星丸の指先をゆっくりと滑らせ、ジーンズのショートパンツの中へいざなう。
 星丸の息遣いも、荒くなる。
 ふと、指先に……。
「あっ」
 星丸、指を引き抜こうとした。でも、杏奈は離さない。さらに、奥へと導く。
「……」
「……」
 杏奈の名を呼ぼうとしても、声にならない。
 喉がからからだ。息が出来ない。
指先の、分け入る先、この甘美な感触。
湿った花園。
頭の中が、真っ白になる。
喘ぐ。
心臓が、壊れる。腰のあたりが強くしびれ、今にもはじけそうだ。
「……いいのよ……」
 杏奈が、震える声で囁く。
「……しても、いいから……」
「……で、でも……」
「……早く……」
「……ほんとに……」
「……」
 杏奈のガラス細工のような肢体が、力を失い、ずり落ちるように床に崩れる。
 潤んだ瞳を閉じ、小刻みに震える唇を少し開いて、熱い息を短く吐く。
 どう体を開いていいのか、知らない杏奈。
 星丸も、震えている。禁断の花園に、どう体をうずめていいのか、知らない。はじめての、世界。
 それでも、震えながらも、杏奈をそっと抱きしめ、おずおずと開いていく。
 幻想、だろうか。
めくるめく、夢空間。
 あふれる渦の中へ。
「あっ」
 いきなり、杏奈が悲鳴を上げて、体をよじった。
「!……」
「ごめんなさい!」
 体を起こして、背中を向ける。
「やっぱり、駄目……出来ない……」
「……」
「ごめんなさい、ほんとに……ごめんなさいっ……」
 途中から泣き声になり、長い髪が流れる白くて細い背中が激しく震えだす。
「……杏奈さん……」
 星丸、背後からそっと抱きしめる。
「いいんだ、無理しなくても……」
「でも……」
「ほんとに、いいから……違うわけだし、ぼくたち……はじめから……」
 そうとも、違うんだ、ぼくら。
「星丸くん……許して……」
「杏奈さん……」
「あたし、死にたい! もう、サイアク。こんなあたしなんか……死んだほうが……」
「シッ」
 星丸、杏奈の唇に指先を当てた。
「僕は、そうは思わないけど。君と二人でいられるだけでも、うれしいけどな」
「え?」
「いっしょに、いたい、君と」
「ほんとに?」
「もちろん」
「一緒にいるだけで、いいの?」
「うん」
「星丸くん」
 杏奈、しがみつくように星丸の腕を掴んだ。
「ありがと、ほんとに……あなたって……」
「ん?」
「どうして、そんなにやさしいの? ね、どうして?」
「さぁ、多分、甘党だからかな」
「んもぅ」
 杏奈に、笑みが浮かぶ。
「さてっと、じゃ、ケーキ食べようか」
「え?」
「イチゴケーキ、僕の自慢」
「そうか、忘れてた。うん、食べよ」
 杏奈、涙をぬぐって微笑むと立ちあがった。
 ふいに、杏奈の携帯電話が鳴った。
「ちょっと、待って」
 手に取った杏奈の顔が、相手の番号を見て、一瞬、こわばった。星丸にちらっと気まずそうな視線を送ると、急いでリビングのほうへ。
「……ごめんなさい、連絡が遅れて……そうじゃないったら、忘れてなんかいないから」
 ――また、あいつからの電話か……。
 星丸、イチゴケーキをナイフで切りながら、吐息をついた。
「大丈夫よ、カレとは何もないから……ほんとよ。カタチだけだから、結婚……やだ、浮気だなんて、そんなこと、あたしがするわけないでしょ。信じて、お願い!」
 杏奈、必死にケータイでいいわけしている。小声で話していても、人一倍カンのいい星丸には、ちゃんと聞こえている。
「そう、それならいいけど」
 相手の女、上月万里の声が命令調でいう。
「この前もいったけど、あなたが彼と寝たりすれば、すぐわかるのよ。あなたの体が、ちゃんと教えてくれる。一度男の味を知ったら、もう、戻れない。地獄へ堕ちるだけ」
「わかってる」
「ほんとね。もし万一、裏切ったりしたら、ただじゃおかないから。いいわね」
「ええ」
「あなたは、わたしのものよ。愛してるから、杏奈。あなたを、死ぬほど愛してるから」
「あたしもよ、マリ」
「え? 聞こえない、もっと、はっきりといいいなさい、愛しているって」
「愛してる。ほんとよ」
「もう一度」
「愛してます、死ぬほど」
「ああ、杏奈、会いたい。あなたを抱きたい! いつものように、めちゃめちゃにしてやりたい! そうして欲しいかい、杏奈!」
「ええ、そうして、マリ、おしおきをして。お願い!」
 杏奈の声は喘ぎ、淫乱な血のざわめきを伝える。
 さっきの杏奈とは、別人のよう。
 ――そう、杏奈はGL。同性しか愛せない女……。
 かたちだけの、僕らの結婚。
 一度も交わったことがない、夫婦。
 <こんな僕の姿を見たら、ママ、なんていうだろう。なにも知らずに、祝福してくれたママ。そっと、涙を押さえながら送ってくれたママ……>
 イチゴケーキに、星子ママの顔が重なる。 
――そう、あの時も、星子ママのバースディのためにイチゴケーキを焼いていた。そこへかかってきた医大の先輩・古賀レジデントからの電話、それがすべてのはじまりだった……。


                      (つづく)



追記  星丸「お婿」編、今回がスタートです。いきなり、冒頭からアブナイ場面になってしまい、ほんとにすいません。近頃の宙太、どうかしちゃったみたいで。ほんとに、困った奴です。
 え? 宙太はカンケイない? じゃ、誰なんだ。責任者、出て来い!
 ま、とにかく、今回の騒動、星子や宙太、宙美、そして、ファミリーの面々が登場しての大騒ぎとなると思います。よろしく!

全1ページ

[1]


.
星子&宙太yyy
星子&宙太yyy
非公開 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

Yahoo!からのお知らせ

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト≪さとふる≫
実質2000円で好きなお礼品を選べる
毎日人気ランキング更新中!

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事