星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

新星子一人旅「長崎恋旅は魔女特急

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   3

 あこがれの人、ほんとの初恋の人、疾風涼が殺し屋だったなんて……茫然となった星子の耳に、激しい怒鳴り声がとびこんできた。
「茜! お前、あの男を知っているのか!」
 茜の夫が、けわしい顔で茜を睨みつけている。さっきまでの穏やかな画家とは別人のような、恐ろしい顔だった。
「いったい、どういう男なんだ!」
「……」
「黙っていないで、答えろ! おい、茜!」
 思わず星子がちじみあがるほど、茜の夫の声には凄みがある。
 それでも、茜が黙っていると、
 ピシッ!
 いきなり、茜の夫の平手打ちが、茜の頬に飛んだ。
「あっ」
 茜、よろけてその場に崩れた。
 ひどい!
 もう、ちじんでなんかいられない。星子、夢中で駆け寄って、茜を抱き起こした。
「大丈夫ですか!」
 茜の唇が切れて、血がにじんでいる。
「んもぅ、なんてことするんですか!」
 星子、猛然と噛みついた……なわけないけど、そんな勢いで茜の夫を睨みつけた。
「なんだね、おじょうチャン?」
 茜の夫、けげんそうに星子を見た。
「なんだもこんだもないわ! 引っぱたくなんて、サイテエよ!」
「いってくれるね。でも、おじょうチャンには関係ないことだ。さ、ママのところへお帰り」
 茜の夫、薄笑いを浮かべた。
 これには、星子、完全にぶっちぎれた。
「ヒトを子ども扱いして! もう、許せない! ゴンベエ、お仕置きだよ!」
 いわれたゴンベエ、ガッテンだ、姐御! とばかり、リュックからとびだして、茜の夫に……と、思ったら、一瞬早くサングラスのボディガードに首を掴まれて、ヒョイと放り投げられ、植込みの中へ。
 星子も、襟首を掴まれて、「く、くるしいっ」
 そのまま、連れ出されようとした時、ふいに、ボディガードの手が離れて、星子、ドスンとしりもちをついた。
 顔をしかめながら見上げると、宙太がボディガードの腕をねじり上げているじゃないですか。
「オレのハニィをいじめるヤツは、地獄に墜ちるぜ! なんちゃって、シシシッ」
「て、てめぇ!」
 サングラスのボディガード、宙太の手を払いのけようとしたが、ビクとも動かない。宙太のスリムな体のどこにこんな力があるのか、ほんと、不思議だよね。
 宙太、ボディガードの腕をねじり上げたまま、茜の夫をじっと見据えた。
「ふむふむ、どこかで見た顔だなと思ったら、そうか! R貿易の黒木専務……というのは、表の顔で、裏の顔はヤバイ組織の大幹部……でしょ?」
「なんだ、貴様は?」
「シツレイ、こういう者でして」
 宙太、ポケットから警察手帳を取り出して、チラリと見せた。
 瞬間、茜の夫……黒木の顔色がサッと変わった。
「ご高名は、しかと、うかがっておりますよ、ハイ」
 宙太、ニヤリとしながらいった。
「たしか、密輸のからんだ殺人事件で、一旦は逮捕されながら、先月、証拠不十分で保釈になったんでしたっけね」
「……」
「そのあなたに、こんな所でお会いできるとは。いや、じつは、僕、手配中の男をつけて、はるばる、この長崎まできたんですがね、まさか、あなたがターゲットだったとは。オドロキモモノキ、リンゴノキなんちゃって」
 相変わらず、くだらないダジャレマンの宙太である。
「そのあたりの事情はあとでうかがうとして、その前に、奥さんにあやまって欲しいな」
「あんたには、関係ないことだ!」
「いやいや、大ありですよ。僕にとって女性はすべて大切な宝モノ。その宝モノを叩かれて、黙っていたんじゃオトコがすたる、これ、ホント! さ、しっかりとあやまってもらいましょうか!」
 カッコイイ、宙太さん!
 星子、思わず拍手だ。
 ところが、黒木、ふっとせせら笑った。
「こいつが、女房だ? 笑わせるな! ただの人形だよ!」
「人形?」
「そうとも! それも、出来損ないのな! そんな人形をいくら叩こうと殴ろうと、オレの勝手だろう! わかったか!」
「そ、そんな!」
 星子、もう、今にもバクハツしそうな顔で黒木を睨みつけた。



                        (つづく)




追記  星子シリーズって、やっぱり、書いていて楽しい。いろいろと大変だけど、それでも、楽しいんだよね。しばらくぶりにそんな気持ちを味わっている、というより、皆さんのお陰で味あわせてもらっている山浦です。ガンバリマス!

                  

               2

――あの人が、乙女さんの恋人の茜さん……。
 乙女が茫然とした顔で見つめるのも、無理はない。探し求めていた恋人に、こんな所で偶然逢えるなんて。しかも、これから自分が殺そうとする男の奥さんだったなんて……。
運命の神様は気まぐれでイタズラ好きだっていうけど、ここまで、ひどいことをするとは、あんまりじゃないの。
 それはともかく、この先、乙女がどうするかだ。いくら殺しが仕事とはいえ、愛する茜の目の前で、その夫を殺せるだろうか。
ううん、出来るわけがない。乙女さんは、そんな冷酷な人じゃない。
星子、祈るように見つめた。
 その祈りが通じたのか、乙女、ナイフを振りかざした手を下ろした。
 よかった!
 星子、ホッとなった。宙太とマサルも、やれやれという顔で、構えた拳銃をホルダーに戻した。
 でも、運命の神様は、あくまで、気まぐれだった。
 乙女が茫然とした足取りでその場から離れかけた時、丁度、走ってきた幼い子供が乙女にぶつかった。
 その瞬間、乙女の手からナイフがはじけとんで、敷石の上に音を立てて落ちると、丁度、立ち去りかけた茜の夫とサングラスの男の近くへ転がった。
「!……」
 茜の夫とサングラスの男、キッとなると、乙女に鋭い視線を向けた。
 すかさずサングラスの男、茜の夫を背中にかばうと、
「なんだ、貴様!」
 と、ドスをきかせた声で叫んだ。
 その凄みのある態度を見て、宙太、
「あいつ、プロのボディガードだな」
 と、つぶやいた。
「ボディガード?」
「うん、どうやら、雇い主はただの画家じゃない。犯罪組織に関係がありそうだぜ」
「う、うそーっ」
「ボクチャン、だてに刑事やっていないから。この鼻、百万ドルだぜ」
 宙太、マジメな顔で鼻をヒクヒクさせた。
 星子、またまた、ショック。でも、茫然としている時間はなかった。
 乙女、あわてて立ち去ろうとしたけど、その前方に別のボディガードが二人、サッと立ち塞がった。
「一緒にこい!」
 二人のガードマン、乙女を挟むようにして両腕を掴んだ。
 一瞬、乙女の体がスーッと浮かんだ。と、次の瞬間、強烈な蹴りが二人のわき腹に叩き込まれて、二人はたまらずにその場にうずくまった。
「やるぅ!」
 宙太、目を見張った。
 星子も、びっくりだ。乙女のきゃしゃな体からは考えられないような強さだった。
 乙女、ひらりと体を反転させて、出口の方へ向かいかけた。
と、その背中に、
「待って!」
 茜の声が、はじけるように聞こえてきた。
 乙女、ハッと立ち止まって振り向いた。
 茜が乙女の姿に気づいて、声をかけたのだ。
「涼さん……あんたね! 涼さんっ!」
 茜、ふるえ声で叫ぶと、乙女のほうへ走り出した。
 だが、すかさず、茜の夫が茜を抱きとめた。
「は、離して!……」
 茜、激しくもがいた。
 乙女、思わず戻りかけたが、気持ちを振り払うように体を翻した。
 そのあとを、ボディガード達が猛然と追い、さらに、マサルもあとを追って走り去った。
「涼さんっ……涼さん……」
 茜の泣き叫ぶ声が、虚しく散った。
 星子、放心したように、その場に立ちつくしていた。
 ……涼さん……茜は、乙女のことをそう呼んだ。
乙女の本名は、涼……乙女は、星子の初恋の人、疾風涼だった……。


                            (つづく)



追記  風邪のほう、治り具合はイマイチですが、ガンバリます! 皆さんも、気候の変化には、くれぐれもご注意くださいね。

 星子、頭の中が真っ白になった。
 宙太のいったとおりだった。乙女は、殺し屋だったんだ。
乙女、ナイフを、写生中のオジサマに向かって手裏剣のようにかざした。
「星子さん、ここから動くなっ」
 宙太、低い声でいうと、体を屈めながら、植込み伝いに素早く移動していく。その手には、いつの間にか拳銃が握られていた。
 マサルも、ライダースーツのポケットから拳銃を取り出して、乙女に狙いをつけた。乙女が手裏剣を投げる瞬間、引き金をしぼるつもりらしい。
 こんなにステキな観光スポットで、じきに、恐ろしいことが起きるかも……星子、ただ、茫然と立ち尽くすしかなかった。
 その時、だった。
 庭園の入口からサングラスをかけた男が足早に入って、オジサマに近寄り、耳打ちした。
「なに、家内がここへ?」
 オジサマ、立ち上がった。
 家内っていうと、オジサマの奥さんのことらしい。
じきに、庭園の向こうから、パラソルをさした和服姿の女の人があらわれた。まるで、オペラの蝶々夫人のように艶やかで美しい姿だ。歳はまだかなり若いし、オジサマとは親子ほどの差がある。
「なにしにきた?」
 オジサマ、ちょっと不機嫌そうにいった。
 すると、奥さん、
「ごめんなさい、邪魔してしまって……でも、マフラーをお忘れになっていたので、届けにきたんです。お風邪でもひかれたら大変ですから……」
 そういいながら、和服の女の人、バックの中からマフラーを取り出して、オジサマの首に巻いてやろうとした。でも、オジサマ、邪険に手を払いのけて、自分でマフラーを巻き始めた。
 なんとこと、せっかく、届けに来てくれたっていうのに。夫婦仲はうまくいっていないみたい。
 とにかく、アブナイ! 早くどかないと、大怪我するかも……。
 星子、今にも叫び声をあげそうになって、口を押さえながら、乙女に目をやった。
 ん? 乙女の様子がおかしい。ナイフを振りかざしたまま、凍りついたように動かない。
 どうしたんだろう。宙太とマサルも、けげんそうに乙女を見ている。
 と、立ち上がったオジサマが不機嫌な顔で、いったん。
「私は今から人に会うから。後片づけを頼む」
「はい」
「絵を汚すなよ、いいか、茜」
 ――茜?……。
一瞬、星子、ハッとなった。たしか、乙女の恋人も、茜という名前だった。 
 乙女の様子から見て、あの和服の人が……茜さん!……。
 星子、茫然とみつめた。



                            (つづく)

第三章 愛の鐘が鳴る、一人旅 

                1

 わぁ、グラバー邸じゃん! なつかしーっ!
 あの有名な歌劇のヒロイン蝶々夫人と最愛の人ピンカートンが住んだ束の間の愛の住まい……なんて、ほんとうは何の関係もない、幕末のイギリス商人グラバーさんがお建てになったお屋敷ですけどね。でも、蝶々夫人の舞台だっていっても、フム、なるほどって思ってしまうほど、ムードがある観光スポットだ。
 わたしも、カレと二人で住んでみたぁーぃ!
 なんて、うっとりしている場合かっ。
 しゃんとせい、星子!
 うるさいっ、いちいち、いわれなくても、こっちはかなり深刻な状態なんだ。ショックと緊張で心臓がギューッとしめつけられっぱなし。
 だって、初恋のヒト・リョウクンにそっくりのあの乙女さんが殺し屋だなんて、それこそ、信じられない。宙太のヤツ、悪ふざけでいっているんだ。きっと、そうよ!
 でも、宙太の顔、真剣そのものだった。
「いいわ、だったら、証拠を見せて」
 星子が、つっかかるようにいうと、
「ザンネンでした、それは捜査のヒミツ」
「じゃ、信用できないな」
「星子さん……とにかく、あとでまたくわしい事情は話すから、クルマから降りてイイコチャンしててね、バァイ!」
 といいながら、なんとか、星子を降ろそうとしたけど、もちろん、テコでも動くような星子じゃない。
 すったもんだしているところへ、カップホルダーに置いてあった宙太の携帯電話が鳴った。
ディスプレイには、「M携帯」という着信表示が……Mっていうのは、きっと、マサルだ。
宙太、あわてて携帯電話を掴むと、
「あ、もしもし……」
 すかさず耳を澄ませた星子の耳に、聞こえてきたのは、やはり、マサルの声だった。
「警部、オレだ。今、グラバー邸に着いたところだ。ヤツのターゲットは、ここにいるらしいぜ」
「な、なに! わかった、すぐ、いく!」
 急いで携帯電話を切った宙太に、
「ターゲットって、なんなの?」
「君にはカンケイない」
「おおありよ。もし、コロシにかんけいしているんなら、立派な証拠になるじゃない」
「ったくぅ、そういうのをヘ理屈っていうの」
「いいから、早く!」
「でも、こわくない?」
「こわいのは、オトコだけ」
「よくいうよ」
 というわけで、宙太、仕方なく星子を乗せたまま、グラバー邸へ――そして、駐車場に車を停めると、石段を駆け上がった。星子もあとから遅れまいと、懸命にくっついていった。
 なにしろ、グラバー邸といえば、長崎観光の目玉の一つだよね。そのせいか、観光客で大賑わい。その間を縫うようにいくと、見晴らしのいい庭園に出た。眼下には長崎湾が見えて、大きな船が岸壁に横付けされ、向こうには稲佐山が美しい姿を見せている。
 でも、残念ながら、景色に見とれている余裕はありません。
 懸命にあたりへ目を配っていると、いた、マサルだ!
木陰の手前で、何かをうかがっている。マサルのその視線をたどっていくと、前方の建物の陰に人影が……乙女だ。
 その姿を見て、星子、一瞬、背筋を冷たいものが流れた。だって、星子と一緒だった時の乙女とは、まるで、別人だ。かなり離れているのに、獲物を狙う野獣のような殺気が伝わってくる。
 ――やっぱり、宙太さんのいうとおり、乙女さんは……。
 そうなると、いったい、獲物は、殺しのターゲットはどこにいるわけ?
 と、すかさず、宙太が低い声でボソッとつぶやいた。
「あの男がターゲットだな」 
「え?」
 宙太の視線を追うように見ると、庭園の片隅のベンチで、パイプをくわえた中年の男の人がカンバスに向かい、写生をしている。顔立ちは柔和で、身なりもきちんとしていて、品が良い。プロの画家か、それとも、絵が趣味のお金持ちのオジサマっていう雰囲気だった。
「あのオジサマが、ターゲット?」
 星子、ちょっと、信じられない顔でいった。
「ま、じきにわかることさ」
 宙太がそういった直後だった。
 乙女、コートの下に手を突っ込んで、何やら取り出した。
 オヒサマの光りにキラッと光ったものは……。
 細身のナイフだ!
「あいつは、ナイフ投げの天才なんだ。狙ったターゲットは、絶対にはずさないぜ」
「!……」



(追記) ちょい遅れ気味ですが、よろしく。あとは、明日につづく!

(28日分につづく)


「だめだ、連れてはいけないよ」
「「どうして?」
「しつこいな。君には関係のないことだ」
 乙女、いらだったようにいった。
 とうとう、怒らせてしまったみたい。
「……ごめんなさい……」
 星子、ちょっと気まずい顔で謝ると、仕方なく車から降りた。
 その背中に、乙女が、
「星子さん……」
 と、すまなさそうに声をかけた。
「え?……」
「ごめん、こんなふうに君と……ほんとうは、もっと、ずっと、君と一緒にいたかった……」
「乙女さん……」
 乙女、もっと、何かいいたそうだったけど、そのまま、車をダッシュさせた。
 そんな乙女の横顔を見送ったあとで、ふいに、強い不安感が突き上げてきた。中身は分からないけど、怖いことが起きそうな気がする。
 乙女をいかせてはいけない。止めたほうがいい。早く、止めないと!
 そう思ったところへ、丁度、一台の真っ赤なスポーツカーがあらわれた。
「ストップ! 停まって!」
 星子、夢中でスポーツカーの前に飛び出した。
 キキーッ、と、急ブレーキをかけたスポーツカーから、
「おっと! キッスはクルマよりボクチャンにどうぞ!」
 そういいながら、ドライバーが顔を突き出した。
 ニッカと笑ったタレ目顔、といえば、
「ちゅ、宙太さんっ」
 そう、ドライバーは宙太だった。

                   5

「あ、あなた……」
 たしか、熊本駅で、
「そ、ブルトレの中でオネンネしてたけどさ、いとしい姫をほっておけず、あとを追ってきたってわけ。ハイ!」
 宙太、軽くウインクした。
 ったくぅ、キザっぽいったらありゃしない。でも、これぞ宙太。思わずホッとなったけど、星子には、自分のことを知らない今の宙太は、宙太モドキにしか思えない。
 とにかく、早く、乙女を追わないと。
 星子、素早く、助手席に乗り込んだ。
「乗せてね」
「どうぞどうぞ。バッテン長崎の恋ガイドなら、おまかせを」
「それなら、あなたなんかに頼まないから」
「アブナイ、アブナイ王子だもんな」
「そういうこと。さ、早くあの車を追いかけてちょいうだい!」
「それなら、ボクチャンのお友達におまかせを」
「え?」
 宙太がクラクションを軽く鳴らすと、一台のオートバイが背後の木陰からあらわれた。
 ヘルメットをかぶっているけど、ライダーの顔は……よく似ている……マサルさんに……。
「マ、マサルさんっ?」
「ん、よく知ってるな、カレの名前を」
 宙太、たれ目をパチクリ。
 じゃ、やっぱり、マサルさん!
 星子が思わず声をかけようとしたその瞬間、マサル、ヘルメットの風防を降ろして、猛然とオートバイをダッシュさせた。
「!……」
 乙女の車を追っていくオートバイを、星子、茫然と見送ったあと、宙太にキッと視線を向けた。
「ね、どういうこと! どうして、マサルさんが乙女さんを追っていったわけ?」
「その前に、なぜ、姫がマサル君を知っているのか、聞きたいね」
「当たり前じゃん、マサルさんは宙太さんの部下の刑事だし、わたしにとっても大事な人よっ」
「大事なヒト?」
「!……」
「それに、なぜ、カレが僕の部下で刑事だってこと、知っているわけ?」
「!……」
 そうか、つい、カッとなっていっちゃったけど、今の宙太さんもマサルさんも、まったく、時空が違う世界に生きているんだ。
「だ、だって、わたし、カンがいいの!」
「ふーん、じゃ、マサルくんが大事な人っていうのは? マサルくんとの付き合いは長いけど、星子さんの話を聞いたことは一度もないぜ。君のようなカワイイ子と知り合いなら、いくら、口のかたいカレでも、きっと、こういっていぜ。
『警部、オレ、めっちゃほれた子がいるんだ!命を賭けても守ってやりたいんだ!』ってね」
「!……」
 ああ、もし、ほんとにそういわれていたら、わたしの人生は変わっていたのかも……でも、マサルさんは、そこまではっきりとはいってくれなかった……。
「おっと、今いったセリフ、この僕の本心かもね、なんちゃって」
 宙太、照れたように笑うと、
「とにかく、お答えいただきましょうか」
「わ、わからないわ……」
「わからない?」
「わ、わたしのカン違いかも……」
「あれ? さっき、わたしはカンがいいっていったんじゃなかったけ?」
「う、う、う……うるさぁーい!」
 星子、進退きわまって大爆発だっ。
「ガタガタいってないで、早く、乙女さんのあとを追いかけて! 早くなさい!」
「いんや、他のことなら姫のいうとおりにするけど、こればっかりはダメ」
「どうしてよっ」
「……」
「いいなさいよ! いわないと、ゴンベエにお仕置きさせるから!」
「そ、そんなぁ」
 宙太、リュックからむっくりと顔を出したゴンベエを怯えた顔で見た。
「しょうがない、じゃ、本当のことをいうよ……じつはね、あの男は……殺し屋なんだ」
「こ、殺し屋?」
 星子、いきなり、殴られたように、頭の中が真っ白になった。


                       (第三章へつづく)





追記1  ごめんなさい! 転送ミスで原稿の一部が抜けていました。補充しておきます。ほんとに、すいませんでした!


追記2  さぁ、えらいことになってきましけど、このあと、どうなりますやら。この後の展開は、第三章以降になります。体調とにらめっこしながら書いていきますので、時間がかかるかもしれないけど、よろしく。それはそうと、3万5千回のキリ番がだんだん近づいてまいりましたですね。いい出しておいてなんだけど、ま、お手柔らかに。
 


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