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「……会いたい……会いたいよ……」
そうよ、会いたい……宙太さんや星丸くん宙美ちゃんに、会いたい……右京さん、マサルさん、ゲンジロウさん、春ちゃん……時間と一緒に消えてしまったみんなに、もう一度、会いたい!
あいたーい!
でも、出来ない、もう二度と……二度と……。
星子、こらえきれずにワァーッと思いっきり泣きだそうとして……ふと、顔をあげた。
「ちょっと、待ったぁ!」
旅のはじめに戻ったってことは、『さくら』に乗れば、また、同じ体験が出来るかも……つまり、消えてしまった時間をもう一度、一からよみがえらせることが出来るかもしれない!
そうすれば、また、みんなに会えるかも!
そうよ、きっと、会えるよ!
「きっと!」
星子の体の芯から、あつーいマグマが一気に吹き上がってきた。そして、次の瞬間、そのマグマに押されるようにして、ダッとホームへの階段をかけ上がっていった。
ホームには鮮やかなコバルトブルー色の寝台列車『さくら』が停まっていて、丁度、発車を知らせるチャイムが鳴り終わったところだ。
「待って! 待たんかい、このォ!」
星子、必死で走った。でも、間に合いそうもない。車掌さんが今にもドアを閉めようとしている。閉められたらおしまいだ。『さくら』は発車して、星子はもう二度と時間を取り戻す旅には出られない。
あ、ドアが閉まる! 間に合わない!
ダメだぁ!
目の前が真っ暗になりかけた瞬間、ふいに閉まりかけたドアが開いた。
今だ!
星子、それこそ、ダイビングするようにドアの隙間からデッキへ飛びこんだ。
そのとたん、勢いあまって転んでしまい、仰向けにドサッと床の上に……ムギュッ、フニャーゴ!
ゴンベエ、下敷きになって目を白黒。でも、星子の知ったことじゃない。何とか、『さくら』に乗りこめたじゃないですか。いよいよ、時間を取り戻す旅がはじまったわけだ。
「もうじき、みんなに会える! きっと、会えるよ!」
星子、動き出した列車のデッキから、期待に胸をはずませながら夕暮れ時の車窓を見つめた。でも、乗り込んだ『さくら』が、もはや存在しない幻のブルトレだったとは……まだ、気づいてはいなかった……。
(宙太からのメッセージ)
結局、プロローグを全部、公開しちゃったな。ボクチャンとしては、出し惜しみしたかったんだけどね。でも、山浦さんが「今も僕とのチャンネルを大事にしてくれているみんなへの、せめてものプレゼントだ。楽しんでくれれば僕もハッピィだよ」って。ま、わかるけどね。気持ちも体もちょいと落ち込んでいたヤマチャンが元気になってきたのも、やっぱり、みんなのお陰だ、と、不肖、宙太からもカンシャ! です。それにしても、こんな展開のプロローグからスタートするとは。この先、一体、どういうことに……オイラの出番は、あるのかいな。期待と不安でいっぱいのワタクシであります。
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