星子&宙太yyy

ファンの集う癒しの小部屋です。

別れのキッスはハート色

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              9

「そう、ジプシーっていうんだ、カレ。見かけよりもマッチョでさ、このリボルバーもカレが貸してくれたんだ。さすが、陰陽師の家系だけあって、妖怪や幽鬼どもに効めがあるぜ!」
 宙太、リボルバーの銃口をふっと吹いてみせた。
 なんと、このジプシーという少年、陰陽師の家系とは。
 星子、もう、びっくりもいいとこ。
 マサルも、感心したようにジプシーを見つめた。
 春之助のほうは、もっと、強い反応が……もう、うっとり顔だ。あとが、コワイ。
「ついでにいうと、このデスマドンナも、陰陽師の末裔だそうだ」
「えっ」
「ジプシー君の話だと、かって、島原の乱で非業の死をとげたバテレン達の怨霊を集めて、天下大乱を企てた邪悪な陰陽師がいたそうだ。名前は、暗闇法師……」
「暗闇法師?」
「うん、そして、その末裔のデスマドンナが、世相乱れに乱れる今、一族の野望をかなえようと、日本全国の怨霊達を集めて、天下取りの勝負に出た! とまぁ、こういうことさ」
「!……」
 星子、唖然呆然もいいとこ。だって、何度もいうけど、陰陽師とか怨霊とか、ほとんど、縁のない世界だったからね。
 でも、ほーりゅうには、よくわかっていたらしい。
「ありがと、ジプシー。そこまで、調べてくれてたのね」
 ほーりゅうがいうと、ジプシー、ちょっと、無愛想な顔でいった。
「やる気はなかったんだ。でも、こいつが僕をせつくんでね」
 そういいながら、ジプシー、手にしたロザリオを見せた。ほーりゅうの持っているロザリオとそっくりだ。あとでわかったけど、なんでも、こちらはレプリカらしい。
「おのれ!」
 ふいに、デスマドンナが声を荒げた。顔面は怒りで夜叉のようになり、全身から青白い焔が燃え上がった。
「よくも、邪魔をしてくれたな。皆殺しにしてくれるわ!」
 デスマドンナ、サッと悪魔のロザリオを向けた。
 でも、宙太、一瞬早く、リボルバーの引き金をしぼった。
 ものすごい早撃ちだ。
 バシッ!
 悪魔のロザリオ、粉々に吹っ飛び、怨霊達の青白い閃光の渦は、恐ろしい咆哮を上げながら、ちりじりになって消え去った。
 すかさず、ほーりゅうとジプシー、ロザリオをデスマドンナに向けた。
「消えうせろ、暗闇法師!」
「闇の冥界へ立ち去るんだ!」
 二人のロザリオから放たれた金色の光りが、デスマドンナを包み込んだ。
「ギャーッ」
 デスマドンナ、すさまじい悲鳴をあげると、その体は醜い一羽のカラスとなって、夕暮れの空へ舞い上がり、たちまち、見えなくなった。

                ○

 ……やったぁ……。
 星子、体じゅうから力が抜けたような気分だ。あまりにも現実離れの出来事が続いたせいか、とても、歓声をあげるような気分にはなれない。
「ありがと、美空警部」
 ほーりゅう、宙太に頭を下げた。
「いいんだよ、こっちこそ、君らの超能力のお陰で、ピンチを未然に防ぐことが出来たんだ。礼をいうぜ。な、マサル君よ」
「そういうこと。これからも、何かあったら、知らせてくれ」
「わかりました」
 ジプシー、こっくんとうなづいた。
 その姿に、春之助、さらにうっとり顔だ。
「じゃ、あたしたち、これで……星子さん、どこかで、また会えるといいね」
「うん!」
 星子、ほーりゅう、しっかりと見つめ合った。短い間だったけど、ほーりゅうとの出会いは、永遠に忘れられない想い出になるだろう。
 次の瞬間、ほーりゅうとジプシー、パッと金色の光に包まれた。そして、その光りの中から、二匹の猫があらわれ、たちまち、闇の中へ走り去っていく。
「あっ、待ってぇ、ジプシー!」
 春之助、あわてて、あとを追った。
「ちょっと、春ちゃん……んもぅ!」
 いい男を見ると、すぐ、あれなんだから。
 肩をすくめる星子に、マサル、 
「じゃ、俺、これで……」
「マサルさん……」
「警部、お先にな」
 マサル、星子への未練を見せまいと、ひらり、体を翻して、立ち去った。
「きめやがって、あいつ」
 宙太、軽い敬礼でマサルを見送った。
「……」
 急に静けさが戻って、寂しいくらいだ。上ったばかりのお月様が、明るくあたりを照らしてくれる。
 星子がボーッとしていると、宙太が、
「大丈夫かい、ハニィ?」
 と、やさしく、肩を抱いた。
 ダメ。介抱してェ。
 なんて、こというわけないだろうが。
「うるさいっ」
 宙太の手をパシッと払いのけて、
「さんざん、人を心配させて、どういうつもりよ!」
「ん、心配してくれてたんだ」
「当たり前じゃん。こんな手紙、春ちゃんにことづけたりして!」
 星子、宙太の手紙を突きつけた。
「ワリイ。でも、これで、ボクチャンのこと、見直したろ。いざとなれば、オトコ宙太、大儀に生き大儀に死ぬ! それも、結局は、愛する星子さん、君のためなんだぜ!」
「ふん、調子いいんだから」
「とにかく、今度のことで、お互い、よく、わかったよな」
「なにがよ?」
「愛し合う者同士、いつどこで、命を賭けた戦いがあるか分からない。そのためにも、今のうちに、しっかりと……」
「しっかりと、なに?」
「別れのキッスを……」
 宙太、ぐいっと顔を近づけてきた。月光を浴びた顔が、とっても、ステキ。
「……」
 どうしようか、わたし、どうしたら……どうしたら……。
 教えて、オツキサマ。
 


                      ( おわり )



追記  なんとか、かたずけることができました。いろいろ、サデスチョンいただいてあ    りがとうございます。僕も、楽しい時間を過ごさせてもらいました。それにして    も、コラボは難しい! ゆうさん、ファンの皆さん、あらためて、おわびしま     す! でも、もし、よかったら、また、いつか、一緒にアソボウネ! と、星子    と宙太が申しておりました。

              8

「ううっ」
 ほーりゅう、苦しそうにもがきながら、それでも、ロザリオをかざし、必死になってデスマドンナに向かっていく。
「呪われし者、悪魔の化身デスマドンナ! この世から、消えうせろ!」
 ほーりゅうの叫び声が、あたりに響き渡る。
 なんて、すごい根性なんだろう。その姿を見ていて、星子、胸が熱くなり、涙が出てきた。
 ほーりゅうには、信念ってものがあるんだ。この世を、邪悪なものから守ろうとする信念が……わたしには、とても出来ない……ほんとに、すごい子だ。
 でも、青白い閃光がさらに激しく渦を巻きながら、ほーりゅうの体を包み込んだ。その閃光は、いつの間にか、幽鬼のような人のかたちになった。そうか、これが、恐山に漂う怨霊たちなんだ。
「殺せ! 殺してしまえ、幽鬼たちよ!」
 デスマドンナ、冷笑しながら叫んだ。
ほーりゅうの顔が、いまにも死にそうなくらい、苦しそうに歪んでいく。
「ほ! ほーりゅう!……」
このままじゃ、ほーりゅうが死んじゃうわ! 早く助けないと!
 星子、無我夢中でデスマドンナに掴みかかっていった。
 でも、そのとたん。
 幽鬼たちの青白い光りが、グワーツ!
 氷のように冷たい光りだ。体が凍えて、身動きが出来ない。そこを、幽鬼たちが、恐ろしい口を開けて、噛み殺そうと迫ってきた。
「キャーッ」
 もうダメ、殺される!
「……宙太さん……」
 なぜか、宙太の名前を口にした……その時、だった。
 ダダダッ、バシッ!
 ものすごい銃声のようなものが聞こえたと思うと、幽鬼の渦がバラバラにはじけとんだ。
 ん?
 星子が目を開けると、
「おまっとうさん、ハニー!」
 なんとも、耳障りのいい、おがなじみのセリフが……。
「宙太さんっ」
 間違いないっ。
 リボルバー拳銃をガンマンよろしくイキに構えて、近くにすくっと立っているのは、宙太だった。
「い、生きていたの、宙太さん!」
 唖然となったのは、星子やマサル、春之助、ほーりゅう、だけじゃない。デスマドンナも、愕然と宙太を見た。
 その宙太、にんまり笑うと、
「当たり前だい、殺したって死ぬようなタマじゃない。不老不死の宙太サマだ!
なんて、大きな口はきけないな。じつは、この少年に助けられたのさ」
 宙太、そばに立つ小柄な少年を指差した。
 メガネをかけた、ちょっとひ弱そうな感じだけど、頭が良さそうな顔だ。
 すると、ほーりゅうが、少年を見て、
「ジプシー!」
 と、叫んだ。



                             (つづく)



追記  今回で終わる予定でしたが、あと一回だけ、付き合ってもらいます! よろしく    ね!

               7

「……星子さん、キッスを……早く、別れのキッスを……」
 宙太、うわごとのようにつぶやいた。
 ああ、もう、なんてこと。宙太さんと永遠のお別れだなんて。悲しくって、今にも胸が張り裂けてしまいそうだ。
 春之助も、涙をこぼしている。アイシャドウが溶けて、顔はぼろぼろだ。
 ほーりゅう、はというと、茫然と立ち尽くしている状態だった。
 でも、せめて、最後に宙太さんの願いを聞いてあげよう。
 星子、体をかがめると、宙太に顔を近づけた。
 その瞬間だった。
「そのキッス、待った!」
 鋭い声が響いたのと同時に、人影がパッと降り立った。
 振り向いた星子、目を丸くした。春之助も、唖然となった。
 なんと、目の前に立っているのは、マサルじゃないですか。
「マ、マサルさん!」
マサル、額にかかった髪をかき上げながらいった。
「だまされちゃいけないぜ、星子さん。そいつは、美空警部のニセモノだ」
「ニ、ニセモノ!」
「う、うっそーっ」
 星子と春之助、あらためて、倒れている宙太を見た。
 そのとたん、宙太の姿は見る見るうちに崩れて、真っ黒な頭巾をかぶり黒衣を着た長身の女になった。
 頭巾の中には、残照に照らされた女の顔が……その顔は、醜くて恐ろしい老婆の顔だった。
「キャッ」
 星子、悲鳴を上げてのけぞった。春之助も、口をぱくぱくさせたまま、今にも腰を抜かさんばかり。
 でも、ほーりゅう、怯えることもなく、キッと身構えた。
「デスマドンナ! お前だったのね!」
「!……じゃ、この女がデスマドンナ……」
 星子、愕然と見た。
「知っているのか、星子さん、こいつのことを?」
「ええ……」
「マサルさん、どうしてここに?……」
 春之助が聞くと、マサル、
「美空警部のことが心配でね、あとを追ってきたのさ」
「じゃ、あたし達と同じだわ。で、宙太さんはどこにいるの?」
「それが……」
 マサル、口ごもった。
「どうしたのよ、ね?」
 不安顔で聞いた星子に、デスマドンナの含み笑い声が聞こえた。
「ふふふっ、死んだよ」
「死んだ?」
「あたしが殺したんだよ。今頃は、灼熱の温泉地獄でどろどろに溶けているだろうさ」
「えっ」
 星子、物凄いショックで息が詰まった。
 ほーりゅうも、茫然となった。
「美空警部は、死んでいく時、お前の名前を叫んでいた。そのお前がここへ来るのが、私には見えたんだよ。そこで、あの男に化けて、死のキッスでお前を殺し、一緒に冥界へ送ってやろうとしたんだよ」
 デスマドンナ、愉快そうにせせら笑った。
「!……」
 星子の目から、口惜し涙があふれた。
「こいつ! 許せないよ!」
 春之助、猛然とデスマドンナに飛びかかった。
 すると、デスマドンナ、黒衣の裾を払った。そのとたん、春之助の体、宙に舞い上がり、じきに、地面に叩きつけられた。
「春ちゃんっ」
 星子、駆け寄ったけど、春之助、気を失っている。
「くそっ」
 マサル、拳銃を抜くと、引き金をしぼった。でも、デスマドンナは平然としたまま杖の先端をマサルに向けた。
 そのとたん、マサルの手から拳銃が弾き飛ばされた。
 それを見たほーりゅう、胸もとからロザリオを取り出して、サッと突きつけながら、飛びかかった。
 すかさず、デスマドンナ、右手にギラッと妖しく光るものを取り出した。
 ロザリオだ!
 悪魔のロザリオだ!
 ほーりゅうの体、放たれた青白い光を受けて、妖しく光った。



                             (つづく)


追記  あと一回、お付き合いくださいね。

             6

 星子たちの乗った東北新幹線「はやて」、すごい速さで終点の八戸に到着、そこで、連絡している快速列車「しもきた」に乗り換える。列車は、東北本線経由で大湊線へ入り、一路、北を目指して走っていく。
 途中、車窓の左手には陸奥湾が真っ青に澄んだ海面をいっぱいに広げている。かなたにかすんで見えるのは津軽半島、そして、列車のゆくてには下北半島。マサカリみたいなかたちの地形が特徴だよね。その下北半島のこんもりと聳える山並みの中に、目指す恐山がある。
 いつものいい恋さがしの一人旅だったら、車窓に広がるみちのくの初秋の景色をじっくりと味わうところだけど、今回はとてもそんな気分じゃない。
 デスマドンナという魔女と戦いにいった宙太さん、はたして、無事かしら。デスマドンナは、ほーりゅうの超能力も通じない恐ろしい魔女らしい。いくら、宙太が優秀な刑事でも、歯の立つ相手ではなさそうだ。だから、ほーりゅう、宙太を少しでも手助けしようと、恐山へ向かおうとした。
 ほーりゅうが星子たちを襲ったのも、宙太の後を追うのは危険だから、力づくでとめようとしたわけだ。
 でも、とめようとしても、星子に通じるはずがない。ほーりゅうにも、それがよくわかったらしい。
「宙太さんは、私たちより半日ほど先に恐山に着いているんでしょ。もしかして、もう、間に合わないんじゃ……」
 星子、不安そうにいった。すると、春之助、
「大丈夫よ、星子ちゃん。宙太さんはね、殺されたって死ぬようなオトコじゃないから。たとえ、地球が滅びても、自分だけは、づうづうしく生き延びるわ。きっとね」
 なんか、自分にいい聞かせているみたい。ほんとは、春ちゃんもすごく不安なんだ。
 ほーりゅうも同じなんだよね、さっきから黙りこくったまま。顔は不安と緊張でこわばっている。
 やがて、列車は下北の駅に到着。駅は小さいけど、下北の町は思ったより都会っぽい。早速、レンタカーを借りて、いざ、恐山へ。ハンドルを握る春之助、気持ちがはやるのか、飛ばすことったら。まるでもう、レースみたいだ。
 でもって、舗装された山道を登ると、ものの三十分ほどで恐山に着いた。
 ――死者の霊がさまよう、霊山……恐山……。
 夕暮れ時ということもあって、いかにも、そんなおどろおどろしい雰囲気があたりに漂っている。
 不気味に静まりかえる湖のほとりには、山肌がむきだしになった斜面が広がり、そこかしこに灯篭や卒塔婆が立ち並び、強い硫黄の匂いがあたり一帯に立ち込めている。
 湖の手前には素朴な造りのお寺があって、温泉もあるんだよね。でも、いくら、星子、温泉好きでも、とても入るような気分じゃない。
 それでなくても、荒涼とした風景なのに、夕暮れ時とあって、人影もまばらだ。お祭りの時は、大勢の人が参拝にきて、イタコさんの口寄せで、死んだ人の魂を呼んで貰うんだって。
 星子、今までは、ただのお祭りの行事のように思っていたけど、どうも、そうじゃないらしい。ほーりゅう、何か感じるのか、緊張した顔であたりへ目を配っている。
 ううん、ゴンベエもよ。いつもは大きな顔をしているくせに、今回は怯えたように、リュックの中で体をちじめている。
「ほんとに、気味が悪いわね……」
 春之助、ブルッと身震いしながら、いった。
「宙太さん、どこにいるのかしら……ケータイ、かけてみる?」
「だめよっ」
 星子、春之助を制した。
「もしかすると、魔女と戦っている最中かもよ。気が散ったりしたら、どうするのっ」
 そう、この恐山のどこかで、すでに、戦いがはじまっているのかも……。
 星子、焦りと不安の顔で、歩いていった。
 と、前方の岩陰に倒れている人影が……ハッとなって近づいて見ると、なんと、宙太じゃないですか。
「ちゅ、宙太さんっ」
 星子、転げるように宙太に駆け寄った。
 宙太、ぐったりとして、目を閉じたままだ。あとから駆けつけた春之助やほーりゅう、愕然と立ちすくんでいる。
「宙太さん、しっかり! しっかりして!」
 星子が懸命に声をかけると、宙太、かすかに目を開いた。
「……星子さん……もう……もう、ダメだ……」
「そんな! しっかりしてよ!」
 星子、涙ぐんで、宙太の肩をゆすった。
 宙太のいない人生なんて、考えられない。宙太が死んだら、生きていけない。今までずっと宙太に突っ張ってきたけど、宙太なしでは生きていけない星子だった。
「……星子さん、頼みが……」
 ふと、宙太、うわごとのようにいった。
「え? なぁに?」
「……僕に、キッスを……」
「えっ」
「……これでもう、君とはお別れだ……最後にキッスを……頼む……」
「……宙太さん……」
 星子、あふれる涙をぬぐうと、宙太に顔を近づけた。
 

                    (つづく)



追伸  猛暑の八月も、今日で終わり。今日も番外編に付き合ってくれて、有難うござい    ます。予定では今月中に終わらせるつもりでしたが、ちょっと、長引いてしまっ    たようです。あと一回だけ、付き合ってください。よろしく!
    それにしても、宙太との悲しい別れのキッスが待っていたとは、はたして、星子    の運命やいかに……。


 
  

     5

 ――宙太さんは、ほーりゅうの超能力を悪魔のロザリオから守るために命を賭けた……。
 ――もし、宙太さんが負けたら、この世は、地獄になる……。
 ほーりゅうのいったことが、星子の頭の中で渦を巻いている。まるでもう、想像もつかないお話だ。
 そのお話のカギが、悪魔のロザリオとかいうものらしい。
「なんなの、その悪魔のロザリオって?」
 星子が聞くと、ほーりゅう、ちょっとためらったあとで、胸もとからキラッと光るものを取り出した。
 怪しい光りを放つロザリオだ。
「こ、これが?」
「ううん、違う。これは、あたしが生まれたときから持っているロザリオよ」
「生まれた時から……」
「ほんとは大事な秘密なんだけど、あなただけは特別よ……あたしを介抱してくれたし……あなたは信じてもいい人だわ」
 ほーりゅう、穏やかなまなざしで星子を見た。
「じつはね、このロザリオがあたしに超能力のパワーを与えてくれるの」
「えっ」
 星子、まじまじとロザリオを見つめた。春之助も、ううん、ゴンベエまで、興味しんしんといった顔で覗き込んでいる。
「でも、その超能力が邪魔な奴があらわれたのよ。名前は、デスマドンナ……死霊界から、この世に破滅をもたらすためにやってきたのよ」
「!……」
 ――死霊界……ふだんの星子の世界とはあまりにもかけ離れた世界だ。ちょっとピンとこないけど、ほーりゅうの話にはウソはなさそうだった。
「そのデスマドンナが持っているのが、悪魔のロザリオなの。口惜しいけど、その魔力には、あたしのロザリオも敵わない。あたし、あいつを倒そうと、真夜中のお台場で……でも、逆にやられてしまって……」
「どうして、あなた、そいつと戦ったわけ?」
「あたしの使命、かな」
「使命?」
「そう、自分の意思とは関係なく、見えない力があたしを突き動かすんだ」
「そう……で、それで?」
「うん、あたし、海に落ちて溺れ死ぬところを、たまたま、モータボートで通りかかった宙太さんが助けてくれたのよ」
「宙太さんが!」
「そのあと、あたし、救急車で病院へ運ばれて、警察の事情聴取を受けたんだけど、警察の人たちは誰もあたしのいうことを信じてくれなかった……この子、アタマがおかしいんじゃないかって……」
「……」
「でも、宙太さんだけは別だったわ。あたしを信じてくれて、助けてあげるって……相手が魔女だろうと妖怪だろうと、この世を破壊するヤツは見逃すわけにはいかないって……」
 いかにも、宙太さんらしいよね。気持ちは素直だし、鼻っ柱だけは、人一倍強いんだから。
 あ、それとも、ほーりゅうがすごい美少女だからかな。
 だとしたら、く、くやしいっ!
「で、宙太さんは今、どこにいるわけ?」
「恐山よ」
「下北半島の、あの恐山ね。なぜ、そんな所へいったわけ?」
「それがね、デスマドンナは恐山にさまよう死霊のエネルギーを集めているの」
「し、死霊の!」
「あいつ、そのエネルギーを使って、この世を破滅させるつもりなんだ」
「!……じゃ、宙太さん、デスマドンナを倒すために、恐山へ!」
「うん、とても勝てる相手じゃないのに……いくら、とめても聞いてくれなかったのよ……」
「!……」
 星子、茫然とすくんだ。


                      (つづく)





追記  ゆうさん、ほーりゅうファンの皆さん、今回も勝手に動かしてすいません。


追記2  宙太「おいおい! ヤマサンよ。ボクチャンの誕生日をわすれるとは、なにご      とだい! おれって、そこまで存在感が薄いのかよ!」
     弘靖「す、すまん。ファンにいわれるまで、忘れていた。とにかく、ハッピ       イ・バースディ、宙太クン! これからも、頑張ってな」
  

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