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五九 御陵へと敬礼の老人に散る桜
「御陵」(みささぎ)は、天皇・皇后の墓所。ここは「ごりょう」の読みか。「御陵・敬礼・老人・散る桜」と、いささか説明過剰の「付き過ぎ」という感は否めないが、それでも、単純なスナップ俳句に比して、この種の人物が出て来ると、俄然光って来る。それは、やや、この作者の生まれ育った環境や、その自伝的な創作物に触れていることと大きく関係していることなのかも知れない。
夏石番矢:現代 俳句 キーワード 辞典 (立風書房、1990)
ちる さくら 海 あをければ 海へちる 高屋窓秋
海鳴りの はげしき夜を さくら咲き 山口誓子
空 鬱々 さくらは白く走るかな 赤尾兜子
散りながら 猫をころがす さくらかな 阿部青鞋
風を聴く さくらは おどろなる木なり 大木あまり
安全弁的 一撃ヲ 左近ノ桜ヨ 冀ヘ 夏石番矢 冀う=こいねがう
はればれと わたしを ころす 桜かな 四ツ谷龍
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