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西予市、特に卯之町は明治維新との係わりが深い。二宮敬作、楠本イネ、高野長英は良く知られた人物である。司馬遼太郎の長編歴史小説「花神」は、二宮敬作、楠木イネ抜きでは成り立たない。
「花神」の主人公村田蔵六を世に送り出したのは、言うまでもなくシーボルトの弟子であった二宮敬作である。
二宮敬作は、周防の一介の村医にすぎなかった村田蔵六(後の大村益次郎)を、歴史の表舞台に引きずり出したのである。楠木イネを卯之町に棲ませたのも二宮敬作である。
「花神」の作品が司馬遼太郎の作品の中でも異色を放っているのは、司馬遼太郎がもっとも不得意とした「恋愛」というテーマに正面から向き合っている点である。
村田蔵六という、どちらかといえば社交ベタの内向な人間が、楠木イネと織り成す大人の「ラブロマンス」が、読者をひきつけて離さない。
卯之町はこのような素晴らしい歴史の舞台であった。中町は、昨年念願の重伝建の選定を受けた。これを機に、改めて明治維新を再考する時期である。
卯之町中町通り
高野長英の隠れ家
幕末から明治にかけて、国中の青年が持っていた「青雲の志」が、今正に求められている。司馬遼太郎の「明治という国家」の中でも書かれているように、明治という時代は、まばゆいほどに光り輝いていたのである。
今の日本は、未曾有の危機に立たされている。行き詰る国家財政、世界のどの国も経験したことのない超少子高齢化社会、持続不可能になった環境・資源の問題、制度疲労を起こした議会制民主主義など、正に八方塞がりの状態である。
この国難を乗り切るためには、過去の経験者ではなく、新しい高い志を持った青年である。新しい、とんでもない発想と行動が必要である。平成の維新が語られる所以である。
NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」のオープニングの言葉は何度聴いてもいい。ここに全てが語られている。書いてみました。
松山市の「坂の上の雲」をテーマにした町づくりには、4つの理念がある。
1、 理想を追求する姿勢としての「若さ」「明るさ」
2、 知識情報を「集め」「比較する」ことによる独自の価値観の創造
3、 先例にとらわれず合理的に問題を解決していく「リアリズム」と「合理性」
4、 生涯学び続ける姿勢と人とのつながりを大切にする「励む」「はげます」
これは何処の町でも通用する。西予市においても同じである。松山市と共に「歴史小説に学ぶ」町づくりを推進したい。
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