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郵政民営化の弊害と負の慣習 2009年5月27日 郵政民営化を巡っては、賛否両論色々な意見や事実、現象が小泉元首相在任中から継続的に起こっている。その1つは、郵政選挙で刺客を送られた郵政民営化反対派の議員達による弔い合戦的な発想での執拗な反撃ということであろう。そして、もう1つは、郵政に脈々と継承されてきた負の慣習である。今回、問題になっている第三種郵便問題などは、その典型的な案件であるように思う。 この第三種の問題が大きく報道された当初、金品の授受や贈収賄などはなく、単に悪習が継承されてきた郵政省の怠慢体質が露呈しただけ、とマスコミ各社は報じていた。これらの報道を聞き、笑いが止まらなかった。何故なら、第三種郵便にまつわる担当部署と政治家の癒着は、有名な話だからだ。メディアの人間が知らないわけがない。少なくとも、編集長や副編集長クラスの管理職経験のあるマスコミ人であれば、第三種に纏わる不正は周知の事実である。なぜなら、各メディアも共犯者として関わっている場合が多いからだ。 どういうことかというと、出版社や新聞社が、新たに定期刊行物を発刊する際には、その登竜門として第三種郵便の取得ということがある。だが、第三種郵便の審査は、通常厳しく時間がかかる。だからといって、新しいメディアを発行するという時に、第三種郵便が取れないからといって、発行を遅延させるわけにはいかない。そこで、編集長は、社の上司、経営幹部に相談をする。すると、経営幹部は、郵政に強い代議士の事務所を訪問して、第三種郵便取得に関しての便宜をお願いするのだ。この際、第三種郵便程度の案件の場合は、代議士本人は動かず、彼らの秘書が彼らの範疇で動くことが多い。勿論、この際、便宜を図ってもらったお礼として、金品が代議士事務所、担当秘書、郵政の担当部署もしくは担当者へ渡される。拒むものは一人もいない。当たり前のこととして為されている、長く続く悪い慣習なのだ。 実際、私自身、私が経営していた出版社で新しい雑誌を創刊する際、何度か郵政に強い近畿圏出身の故N.K.代議士に便宜をはらって貰った経験がある。通常、第三種郵便取得には、申請後半年から1年掛る。ところが、代議士を通すと、約1日から2日で申請が受理され、新しい第三種郵便を発行してもらえる。 流れはこうだ。まず、代議士に電話で相談する。すると、代議士が、秘書に一任したと連絡してくる。直ぐにその秘書から連絡が入り、新たに第三種郵便の申請書を作成する。それをその秘書に渡す。暫くすると、秘書から連絡が入り、丸の内の中央郵便局へ赴くように指示がでる。言われた通りに中央郵便局の第三種郵便担当窓口に、社名等必要事項を告げる。すると、既に代議士秘書から申請書が提出されており、翌日には新しい第三種郵便が発行されるという流れだ。良くないことと分かってはいる。だが、新しい雑誌を創刊する際、第三種郵便を取得できているか否かは非常に大きな問題なのだ。多くのメディアが同じようなことをしている。だから、今回の事件が発覚した当初、マスコミ各社は、金品の授受などはなく、単なる怠慢による悪習と結論づけたのだ。そして、そういうやり取りを知らない、若い記者を各社この事件の取材にあてたのだ。これは、代表的な負の慣習であるといえる。 逆に、皆が気付いていないが、郵政民営化により、一般利用者である我々にとって不便を余儀なくされるようになった弊害もある。それは、郵便ポストだ。案外、皆さん気付いていないが、郵政民営化が実現して以来、ポストの数が激減した。今まであった所に、あるはずのポストがなくなったのだ。意識してみると、気付くはずである。昔は、手紙を投函するのに苦労したことはなかった。見回せば、直ぐに真赤なポストが見つかった。ところが、郵政民営化後は違う。投函するためのポストを探すのが一苦労だ。勿論、郵便局前には、昔と変わらず真赤なポストが立っている。だが、あったはずの路上のポストが、沢山姿を消しているのだ。多分、ポストに投函された郵便物の回収作業を行う人員削減という理由なのであろう。そのかわり、コンビニ前や店内にポストが併設されるケースが非常に多くなった。そして、それらのポストは、必ず防犯カメラで監視される位置に設置されている。結局のところが、全ては管理社会になってきたということだ。手紙1つ出すにしても、監視されているということだ。今に、生まれると直ぐに、病院で体内に微小なICチップが埋め込まれる時代が到来するのではないか。それこそ、国民総背番号制で管理監視される時代だ。本当に日本は、このまま進んでいってよいのであろうか。大きな疑問を感じざるを得ない。
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