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日本郵政西川善文の進退問題の難しさ 2009年6月10日 日本郵政の西川善文代表取締役社長の進退問題が大きな波紋を広げている。鳩山総務大臣が、東京中央郵便局跡地の再開発問題でクレームを付けたり、辞任要求をしたりしたことから、この問題は国民の大きな関心事となった。だが、西川の進退問題は非常に難しい問題である。総務大臣という立場で、西川の進退に関して必要以上に圧力をかけたり言及したりすることには問題があるように思える。何故なら、国が大株主とはいえ、既に民営化された民間企業であるからだ。だが、鳩山総務大臣が何を言わんとしているかも理解できないわけではない。それは、西川が行ってきた過去と現在のビジネス手法に問題があるということをいっているからだ。 西川氏の経営手法には問題がある。彼が日本郵政の社長に就任する前に務めていた三井住友銀行の頭取職の時代にも、複数大きな問題を抱えていた。かなり強引な経営手法が、時として法に抵触するという疑惑も上がっていた。西川が日本郵政の社長に就任した時は、三井住友銀行で起こったある事件に関して、東京地検が捜査を開始しようとしている時期であった。ある意味、西川が親しくしていた当時の経済財政政策担当大臣であり、小泉元首相の懐刀であった竹中平蔵氏に危機一髪で救いあげられた形であった。 そんな塀の上を歩いているかのような西川が、何故小泉元総理と竹中平蔵大臣によって大抜擢されたかといえば、それは西川の強引な経営手腕にあった。確かに、塀の上を歩くような強引な経営手法であるが、瀕死の重症であった三井住友銀行を立て直したのは西川であった。それは紛れもない事実だ。確かに問題は多かった。だが、マンモス企業日本郵政の民営化を成功させるには西川の強引な経営手法が必要不可欠、と小泉元首相は思ったのだ。西川にしても、東京地検が本格的に動き出してしまえば、二進も三進もいかなくなる。ある意味、双方の利害が合致したということであろう。そのような経緯により、西川は、郵政民営化を人生最後の大仕事として腹を括ったのであろう。小泉元首相は、毒は毒をもって制するということで西川を大抜擢したのだ。まんざら間違った選択ではなかった。現に日本郵政の民営化を、西川が成功させたことは否めない。 国でも、黎明期は独裁政治で一部の強い人間、独裁者の牽引力によって成長していく。企業でも同じだ。どんな組織でも、黎明期にはある意味強引でアウトローな手法をものともせず牽引していく強さがなければ、成功には導けない。鳩山総務大臣は、そんな西川氏の暗の部分ばかりにスポットを当て、彼の留任を認めないということを言っているのだ。それは理解できないこともない。ある意味間違いではない。ただ、それでは、西川以外に、日本郵政の民営化を盤石なものにするための経営体制を確立していく手腕を持つ人間がいるかどうかということだ。そういう強い人材は他にもいる。だが、普通の経歴の人間は、多くの問題を抱える日本郵政のようなマンモス企業を牽引してくというリスクを、全てを投げうって引き受けはしない。 また、もう1つの問題は、西川続投を否定するということは、国民の多くの指示を得た郵政民営化自体を否定することになる。一部の自民党の政治屋達の私利私欲と思惑で、民意が大きく反映された前回の総選挙、郵政選挙を否定してしまうことになるということだ。これは、ある意味、有権者である国民へ対しての背任といっても過言ではない。弔い合戦よろしく、郵政民営化を旗印にした小泉元首相に相反した政治屋達が、自分達の私恨のために、民意を無視して自分達の私利私欲で動くということだ。このことに、大きな問題がある。そのことを見過ごしてはならない。 前回の総選挙、郵政選挙で自民党は多くの議席を獲得したのだ。それなのに、郵政民営化を否定するような決断を下すということは、国民に対し、恩を仇で返すことになる。有権者が投票してくれた自民党票を自ら否定し、有権者を愚弄することになるのだ。そのことを忘れてはならない。この問題は、鳩山総務大臣がいうように、西川の人となりだけで判断してよいことではない。前回の郵政選挙の結果ということを忘れてはならず、いかなる理由があっても郵政民営化を否定するような結論を出してはならない事案なのだ。もし、そのようなことがまかりとおってしまえば、日本の民主主義、政治自体が崩壊したことを意味するに等しいことなのだ。
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