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北朝鮮ミサイル発射に垣間見える中国の思惑
2012年4月9日
北朝鮮ミサイル発射が目前に迫った。この騒動を通じ、色々なことを我々日本人は学ぶべきだ。大切なことは、北朝鮮にとっての太陽は中国であるということ。そして、日本と韓国にとっての太陽はアメリカであるということだ。賛否両論はあるであろう。だが、現実を直視すればそういうことになる。太陽系において地球をはじめとする惑星は、太陽があって生きていられる。そのことを忘れては、地球の存在はあり得ない。同じことが、北朝鮮にとっての中国、日本や韓国にとってのアメリカと言える。これは現実だ。そのことを忘れて、この問題を議論することはできない。結局のところ、時代は変わっても、少々飛躍した表現だが代理戦争なのだ。冷戦時代以前と違うことは、それぞれの関係国も意志を持っているということだ。日本には日本の意志がある。韓国には韓国の意志がある。そして、北朝鮮にも北朝鮮の意志がある。それを如何に抑止できるかが、中国とアメリカの腕の見せ所である。それには、まず関係各国の思惑をよく理解しなければならない。アメリカは、朝鮮半島にこれ以上の負担を強いられたくない。単刀直入に言えば、戦争をする気はない。できれば、韓国への駐留も最小限の範囲内におさめたい。中国も、北朝鮮をアメリカと直接対峙しないように干渉国として存続させたい。だが、これ以上の負担を強いられたくはない。ましてや、朝鮮半島に核などということは、百害あって一利なしだと思っている。金日恩と密接な関係にある金英徹(キム・ヨンチョル)人民武力部総偵察局長が、故金正日の妹金敬姫(キム・キョンヒ)党部長の隣で拍手をしていることは尋常でない順位を無視した光景であった。これは現在の北朝鮮内部の微妙な力関係を表している。故金正日の実の妹金敬姫党部長の夫即ち金日恩の義理の叔父である張成沢(チャン・ソンテク)は、急激に存在感を表してきた。彼は、故金正日によって四度も左遷された。何故なら、彼は改革路線を推進し、中国と密接な関係を持っているからだ。彼は、金英徹とは微妙な関係だが、新しい軍指導者李英鎬(リ・ヨンホ)総参謀長とは親しい関係にある。どういうことかというと、中国は万が一に備えて、張成沢という捨石を布石することで、金日恩体制が崩壊しても、北朝鮮が崩壊しないように危機管理をしているということだ。金日恩世襲後、対外的に中国は金日恩を煽てている。だが、やはり世襲は望まないということだ。有事の際に、金日恩と共に北朝鮮という国が死なば諸共とならないように選択肢を用意しているのだ。中国にとって北朝鮮は、朝鮮半島統一によりアメリカと直接対峙しないための大切な干渉国であるということだ。日本は、北朝鮮に侮られぬよう領空侵犯があれば迎撃するべきだ。しかし実際には、ミサイル発射は大きな問題ではない。北朝鮮を左右するのはやはり中国であり、極東のパワーバランスの鍵を握るのは中国であるということを理解するべきである。
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