政財界倶楽部(恩田将葉見聞録)

若者達がジャパニーズ・ドリームを夢みれる国を願い、「政治をもっと身近に!」というスローガンのもと、日本人に愛国心を喚起する。

北朝鮮問題

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関係各国の利害を満たす北朝鮮問題の終着点
2006年10月19日

 外交交渉を進める上で、その解決策は一つでないことは当たり前である。幾通りもの選択肢が存在し、それぞれの関係国の利害や思惑が複雑に絡み合う。それらの利害や思惑を消化しながら、最終地点へと向かうのが外交である。外交とは、地道な交渉と時間を必要とする一大事業である。どんなに努力しても、完璧という、100%満たされた答えを導き出すことは不可能である。何故なら、外交とは、一国の利害や思惑だけで為されるものではなく、複数の関係国の利害や思惑をできるだけ満たす形で解決することであるからだ。完璧ではなく、妥協の上に成り立つのが外交である。

 今回の朝鮮半島危機に際しても、日本、アメリカ、中国、ロシア、韓国、そして、北朝鮮、それぞれの直接的関係国の思惑と利害を満たしての解決を図ろうとするところに難しさがある。特に、朝鮮半島危機に於いては、北朝鮮の思考回路や常識が常軌を逸しているため、解決の糸口を掴むことは至難の業である。

 解決策を模索するには、まずそれぞれの関係国の利害と思惑を整理する必要がある。そして、複雑に絡みあった関係国それぞれの利害や思惑を十分理解したうえで、それぞれの関係国の利害や思惑を一番満たす方法で、解決策を模索するしか方法はない。アメリカも、中国も、ロシアも、日本も、韓国も、それぞれにそのような作業をしている。

■アメリカの利害と思惑■
1)イランやイラクをはじめとする中東での難問を抱えるアメリカは、北東アジア地区で長期化するような戦争はしたくない。ただし、短期的な軍事行動で解決するという選択肢は捨てていない。
2)同盟国である日本や韓国を守る義務がある。
3)核の拡散を絶対に許すわけにはいかない。北朝鮮が核を開発すれば、イランやべネゼーラなど反米国への核拡散の可能性は高く、そうなればアメリカにとっても直接的な脅威になりかねない。
4)ブッシュ大統領の次期大統領は、民主党のヒラリー・クリントンの可能性が非常に高く、そうなれば北朝鮮との二国間協議ということになってしまう可能性がある。そうなれば、金正日の思う壺に陥ってしまう。よって、何としても、残りのブッシュ政権下で、ある程度、北朝鮮問題を解決しなければならない。
5)北朝鮮が崩壊すれば、北東アジア地区における日米ならびに韓米安保に基づくアメリカの軍事的負担を人的にも経済的にも軽減できる。
6)偽ドル、偽タバコ問題の根本的解決。

■中国の利害と思惑■
1)北朝鮮が崩壊すれば、朝鮮半島は韓国により統一される可能性が高い。韓国は、現状アメリカの同盟国である。よって、韓国が朝鮮半島を統一すれば、アメリカを後ろ盾にした民主主義国家と国境を接することになってしまう。それは、極力避けなければならない事態である。
2)北朝鮮が崩壊すれば、大量の難民が中国にも流れ込んでくる。現状でも、中国国内には多くの朝鮮族がおり、そこに北朝鮮からの難民が加われば、一大勢力となり独立運動を起こしかねない。故に、何としても北朝鮮よりの難民流入は阻止しなければならない。
3)北朝鮮内で経済特区を50年間運営するという交換条件の下、多額の経済援助を北朝鮮に対して行っている中国は、それらの援助金や援助事業を焦げ付かせたくない。
4)北京オリンピックと万国博覧会を数年後に控え、朝鮮半島での核保有を北朝鮮に許せば、国際社会での印象が悪くなり、それらの国際イベントに悪影響を及ぼしかねない。
5)本来、共産主義思想に於いて世襲は許されない。ところが、金正日は世襲で北朝鮮の支配者になっていることを、内心中国は許しがたいことと常々思っている。ただ、緩衝地帯として北朝鮮を温存させてきた。しかし、その北朝鮮が核武装するとなれば、中国にとって現政権下で北朝鮮を温存させる意味がなくなる。
6)北朝鮮が開発したロケットは、アメリカや日本まで届く射程距離ということは、中国も射程距離内であるということで、核が開発されれば中国にとっても脅威となる。

■ロシアの利害と思惑■
1)北朝鮮という国は、朝鮮戦争直後、ロシアの思惑によって、金日成という傀儡政権のもと設立された。しかし、ロシアの思惑に反し、金日成は着々と独立国家として北朝鮮を導きだした。そして、最終的には、目付役として北朝鮮政権内に残っていたロシア人を全て追い出してしまった。そのような経緯もあり、同盟国ではありながら、そのことについての恨みをロシアは未だに北朝鮮へ対して抱いている。
2)北朝鮮が崩壊することによって、難民がロシアへ押し寄せることを望んではいない。また、北朝鮮が開発したロケットは、アメリカや日本まで届く射程距離ということは、ロシアも射程距離内であるということで、核が開発されればロシアにとっても脅威となる。

■韓国の利害と思惑■
1)南北統一は、長年の念願。
2)南北離散家族問題や拉致問題の解決。
3)北朝鮮が崩壊した場合、ドイツのケースと酷似し、38度線がなくなったのち、現北朝鮮の経済までをも韓国が支えることになり、経済的負担が非常に大きくなる。
4)北朝鮮が核を保有すれば、韓国にとっては脅威となる。

■日本の利害と思惑■
1)北朝鮮が核を開発すれば、直接的に軍事的脅威となる。北東アジア地区ならびに日本の安全保障上非常に大きな脅威となる。日本国と日本人の日々の安全が脅かされる。
2)拉致問題の解決。
3)憲法や法律問題への波及。
4)北朝鮮が崩壊すれば、在日米軍の駐留規模を縮小することが可能となり、経済的負担も軽減される。また、基地問題等にとっても好材料となる。
5)世界で唯一の被爆国として、核開発には断固とした態度で反対しなければならない。

■北朝鮮の利害と思惑■
1)金正日の命の保障。
2)金正日の現状の生活保障。
3)現政権の存続保障。
4)金融制裁の解除。
5)経済的援助の確保。

 現状、北朝鮮による朝鮮半島危機は、このような関係各国の利害と思惑が複雑に絡まり合っている。これらの利害と思惑を出来る限り満足させながら、それぞれが妥協すると仮定して、解決策を模索してみると、以下のような選択肢が、最終案として浮かび上がってくる。勿論、全ては北朝鮮の出方次第である。北朝鮮の対応次第で、どのようにも答えは変化することを前置きしておく。

 アメリカを中心に、国連による多国籍軍によって、船舶検査もしくは臨検を行う。これは当初より、臨検の場での小競り合いを想定してのものだ。小競り合いが起こったところで、アメリカは正当防衛という大義名分の下、反撃する。当然のことながら、北朝鮮は、ソウルならびに日本へ対しての攻撃を開始する。それを合図に、アメリカを中心とした国連旗の下、多国籍軍は、本格的な軍事行動を開始する。それを機に、中国の人民解放軍は電撃的な速さで中朝国境を越え北朝鮮へと侵攻する。時を同じくして、北朝鮮軍内の反金正日軍人達がクーデターを起こす。そこで、間髪を入れず中国人民解放軍とアメリカを中心とした国連多国籍軍は、北朝鮮に四方からなだれ込み平壌を制圧する。中国人民解放軍は、金正日の身柄を確保する。そして、金正日の命を保障するという交換条件の下、金正日に政権を放棄させる。最終的には、内部よりのクーデターによる金政権崩壊というシナリオだ。金政権に変わる中国による傀儡政権を、間髪を入れずに発足させる。この結果、金正日政権は崩壊する。しかし、北朝鮮という国は存続する。よって、中国、韓国、ロシアへの難民流出を最小限に防げる。また、韓国の経済的負担という問題も考える必要がなくなる。韓国と新生北朝鮮の間では国交を開き、行き来が自由にできるようになる。結果として、離散家族問題も解決される。中国にとっても、民主主義国家と直接国境で接することを避けられ、本当の意味での緩衝国家として北朝鮮を再生できる。また、金正日政権を崩壊させたことによって、拉致問題も解決される。安倍政権も、アメリカも、人道問題解決ということで面子を保てる。朝鮮半島の核問題も解決される。自民党は、参議院選挙でも大勝し、安倍政権も小泉政権のごとく長期政権の可能性を得る。そして、何より、アメリカは、イランをはじめとする中東問題を抱える状況下、北東アジアで長期戦を強いられずに済む。また、イランやべネゼーラへの核拡散も防げる。最後に、北朝鮮国民が飢餓から救われ、人間らしい生活を夢見ることもできるようになる。金正日は、中国に身柄を確保され、命と人並み以上の生活が保障される。その結果、酒池肉林の余生を送る。しかし、健康的に問題を生じ、数年後、病に倒れ、悪しき独裁者として歴史の1ページにその名をとどめ、淋しくこの世を去る。死後、金正日は毒殺された、という噂がたつが、自業自得と人々は冷ややか。全ての関係国の利害と思惑が最大限満たされる終着点は、このようなシナリオにより導き出される。唐家璇、ライス、各国の重鎮が動き出した。それぞれの国の重鎮達は、上記したようなシナリオを描くべく、それぞれの利害と思惑に基づく外交交渉を開始した。間違いなく、歴史は動き出した。ただ、もう一つ、可能性が残されている。それは、ギリギリのところで、金正日が軟化するという可能性だ。核カードを捨てることをチラつかせながら六カ国協議を受け入れ、その交換条件として経済援助を主張する。この可能性も、まだ捨てられない。何故ならば、チキン・レースをする金正日は、自分の命が最優先のチキン(chicken:臆病者)だからだ。

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本音と建前を使い分けるアメリカ:軍事制裁を否定はしているが・・・!? (2)
2006年10月14日

 国連の安保理決議は、中国やロシアも制裁に関して行動を共にすることで歩み寄りを見せた。だが、その内容は国連憲章第7章第41条にとどまり、軍事制裁をも含む第42条を削除した形で為されることになった。このような状況下、建前の部分だけを見ていると、軍事行動は有り得ないのでは、と思ってしまうかもしれない。しかし、実際には、未だ軍事行動の可能性は、非常に高く残っている。

 国連安保理の決議は、中国やロシアを抜きにして強行しても、その効力は低下してしまう。何としても、全会一致で決議しなければ意味がないに等しい。ということで、国連安保理決議案は、中国やロシアの立場を尊重した建前的な決議案での可決ということになった。だが、実際には、第41条に、「臨検」が含まれている以上、軍事的行動に移行してしまう可能性を未だ含んでいる。

 「臨検」とは、「臨場検査」の略で、英語では「Visit」と表現される。これは、限りなく軍事行動に近い行動であり、戦争へのキッカケを作る行動として、アメリカが軍事行動へ移行するための常套手段とさえ言われている。英語でいう「Inspection」という「船舶検査」とは、似て非なるもので大分意味合いも印象も違ってくる。第42条が削除されているとはいっても、第41条に「臨検」が含まれている以上、軍事制裁をも含んでいるといっても過言ではないということだ。

 それでは、何故このような中国やロシアに押し切られるような、第42条を削除した制裁決議案にまでアメリカはじめ同盟国は譲歩しなければならないのか? それは、決議は全会一致でなければ北朝鮮へ対しての制裁威力が半減するからだ。中国やロシアの賛成を取り付けることは、必要不可欠である。だが、中国やロシアには、北朝鮮を庇わなければならない理由が三つある。そのことが、中国やロシアの足枷になっているのだ。本来であれば、アメリカや日本をも脅かすような射程距離のミサイルと核を北朝鮮が保有したということは、距離的な脅威という視点で考えれば、中国もロシアも射程内であり、北朝鮮のミサイル発射実験や核実験を容認できない立場であることは間違いない。中国やロシアもジレンマに立たされているのだ。

 中国もロシアも、朝鮮戦争に当たって北朝鮮と同盟国として条約を結んでいる。その条約の中には、北朝鮮が軍事的攻撃を受けた際には、中国もロシアも、無条件に北朝鮮を助けるべく軍事行動を起こす旨の条項が含まれている。そのことが、中国やロシアに二の足を踏ませる一番大きな原因の一つである。朝鮮戦争自体が、韓国と北朝鮮による、アメリカと中国・ロシアのための代理戦争的な意味合いが大きかった。長い年月が経過し、世界情勢も大きく変容した。しかし、条約は改定されず、そのまま生きている。

 もう一つの理由は、経済特区をはじめとする北朝鮮内への経済的援助や投資が焦げ付くことを、中国も、ロシアも、韓国も、回避したいと思っているからだ。

 そして、最後の理由は、難民の問題である。この問題は以前から言われていた。中国にしても、ロシアにしても、韓国にしても、北朝鮮が崩壊すれば、多くの難民が北朝鮮から陸続きの中国、ロシア、韓国へと流れ込み、経済的にも大きな影響を及ぼしかねない。特に、中国は、北京オリンピックと万国博覧会を控え、名実共に国際社会で認められるべく現在頑張っている。にもかかわらず、北朝鮮が崩壊したり、朝鮮半島で戦争が起こったりすれば、そのことが良からぬ影響を及ぼすことは火を見るよりも明らかである。

 特に、中国は、国内問題として、独立を求める動きが中国国内各地で起こっている。朝鮮族も非常に大きな人口があり、中国としては気が気ではないのだ。中国にしろ、ロシアにしろ、韓国にしろ、そこのところが大きなジレンマである。朝鮮半島に核保有国の存在を許すことはできない。しかし、難民や経済的影響を大きく受けることも避けたい。それと、万が一、北朝鮮が崩壊すれば、現在の中朝国境は、中韓国境ということになり、アメリカが後ろだってする民主主義国家と直接的に国境を接してしまうことになる。そのことも、中国や韓国の頭を悩ませるところである。

 このような状況から判断すると、軍事行動や戦争になる確率は一見低いような気がしてしまう。だが、案外そうでもない理由が他にもある。アメリカも、朝鮮半島で戦争まではしたくない。だが、遠距離弾道ミサイルを開発したり、核を保有しようとしたりしている北朝鮮をこのまま黙って見逃すわけにも絶対いかない。今までは、北朝鮮に騙されながらも譲歩してきた。それが、米朝関係の歴史だ。しかし、今回はそうはいかない。何故ならば、アメリカのいうところの「レッド・ライン」を、北朝鮮は明らかに越えたからだ。

 「レッド・ライン」とは、非常に曖昧なものであり、今まではアメリカ以外明確なところはわからなかった。だが、「レッド・ライン」は軍事介入をも視野に入れるか否かの岐路であることは間違いない、とだけ我々も理解していた。そして今回、北朝鮮が核実験を強行したことで、ブッシュ大統領もライス国務長官も、この「レッド・ライン」に関しての定義を明確にした。このことは、非常に大きな意味を持つ。

 軍事制裁の可能性はない、といくらブッシュ大統領が明言しても、核の移転、即ち核の拡散こそが「レッド・ライン」だとするのであれば、間違いなくアメリカは軍事行動に移行する。長期的な戦争は望まないであろうが、ピンポイントでの各施設もしくは金正日への攻撃は、十分に想定内ということになる。そして、その判断を為すがための術として、強行なる臨検を行うことが考えられる。そうなれば、当然、臨検に於いて武力衝突の可能性が出る。いくら軍事制裁の可能性はないと明言していても、北朝鮮が先制攻撃してきたものに対し、正当防衛的攻撃をアメリカがしかけないわけがない。そこから、大きな軍事行動に発展する、というのがアメリカの狙っている路線であろう。そうすれば、アメリカにとっては、大義名分もあり、アメリカ国民からの批判も回避できる。

 或いは、中国やロシアも、腹の内では同じことを望んでいるのかもしれない。しかし、上記したような理由により、立場や面子もあり表立って北朝鮮を追い詰めるようなことをいえない。中国は、急遽、胡錦濤中華人民共和国国家主席の特使として、唐家璇国務委員をアメリカとロシアへ派遣し、ライス国務長官と会談してブッシュ大統領にも面会させた。会談の内容等は、一切明かされていない。ライス国務長官と唐家璇国務委員の間で一体何が話し合われたのか、ブッシュ大統領と何を話したのか、例え挨拶と世間話だけしかしてなくとも、北朝鮮は疑心暗鬼になっているはずだ。そこが、狙いだったに違いない。これは、中国による北朝鮮への無言の圧力であることは間違いない。アメリカにしても、中国側からアメリカに特使が来たということで面子が保たれ、中国とアメリカが手を組んだという演出ができ、より強い心理的圧力を北朝鮮に掛けられることになった。今回の唐家璇国務院訪米は、大人の対応であり、アメリカと中国の大物振りを見せ付けられた出来事であった。

 中国も、北朝鮮の言動には、いい加減辟易としだしていることは間違いない。大体、胡錦濤国家主席は、もともと虫唾が走るほど金正日を嫌っていると聞き及ぶ。その理由は、共産主義では有り得ない世襲で北朝鮮を手に入れ、国民を苦しめ贅沢三昧を続ける金正日を、共産主義を冒涜する悪党と捉えているようだ。アメリカと北朝鮮の間で、軍事的紛争が起こり、北朝鮮が崩壊するようなことになっても、それはそれでよいのでは、とも思っているようだ。その証拠に、河南省確山の中国人民軍演習場で、中国人民解放軍済南軍区機械化歩兵部隊が、対北朝鮮戦を思わせる実弾演習を開始したという情報も入ってきている。これが、北朝鮮侵攻作戦のための演習ではなく対北朝鮮戦の演習であることを祈る。

 どちらにしても、日本にできることは限られている。経済制裁を強行することは当たり前。臨検はじめ軍事行動に近い制裁措置が同盟国によって為されれば、その後方支援をすることも当たり前。法律的な問題は、多々あるであろう。だが、周辺事態法を適用しようが、特措法で対処しようが、北朝鮮はアメリカを引きずり出したいとはいえ、安全保障上北朝鮮の第一ターゲットで、日本が北朝鮮の敵国であることは間違いない。日本が一番の当事国である以上、法律的問題を理由にして、日本は何もお手伝いできません、では筋が通らない。そんなことをすれば、国際社会に於いて、日本が後ろ指を指されることになることは間違いない。

 日本は、世界で唯一の被爆国である。だからこそ、原爆を日本に投下したアメリカは、その罪の意識からも、戦後日本をアメリカの弟分のように大切にしてきた。平和憲法により戦争を放棄させつつ、日本の安全保障の面では日米同盟によって、まるで夫が妻を守るがごとくにアメリカは日本を守ってきた。それは、地理的な意味や、軍事戦略上の意味や、政治的意味もあるが、アメリカには、口に出すことはできないが、原爆を日本に投下した負い目があるからだ。同時に、黒船以来の因縁があり、また、まったく正反対の国民性からか、遠い昔よりお互いに惹き合うところもあるからだ。肌が合うといったら大袈裟だが、他国間よりも、日本とアメリカは双方、違和感が少ない間柄だと感じている。パートナーとしても、紆余曲折はあるが、上手くいく間柄であることは歴史が証明している。

 話が多少横道に逸れてしまったが、唯一の被爆国である日本は、非核を訴える権利を無条件で有する世界中唯一の国である。その日本が、再び核の脅威に晒されるということは、如何なる理由があっても許されない。そのことは、被爆国日本にとっても、アメリカにとっても同じことである。被爆国日本は、原爆加害国アメリカを衝き動かし、隣国北朝鮮が核保有国になろうとしていることを、いかなる方法を使っても阻止するべきである。そのことは、日本に許された権利であり、世界平和への大きな一歩であることは間違いない。
本音と建前を使い分けるアメリカ:軍事制裁を否定はしているが・・・!? (1)
2006年10月14日

 アメリカ合衆国のブッシュ大統領は、北朝鮮による核実験実施を受け、「断固とした態度で広範囲に渡り制裁はなすが、軍事行動の可能性は否定する」という旨の声明を発表した。だが、同時に、「如何なる制裁、対抗措置も想定の範囲内である」という旨のことも言明した。ある意味、非常に矛盾した二つの発言だ。しかし、そこのところに、厳しい状況下に於ける、ブッシュ大統領のジレンマを感じ取ることができる。

 アメリカでは、中間選挙を目前に控えている。それにともない、イラク戦争をはじめとする中東政策の失敗を取沙汰された。ここにきて北朝鮮が核実験を強行したことで、北朝鮮をはじめとする東アジア政策も失敗したのでは、とブッシュ政権を批判するハリケーンがアメリカ中で吹き荒れている。次の大統領選が関わっているので、必要以上に野党民主党によるプロパガンダ戦略がなされていることは間違いない。そのハリケーンの目が、ヒラリー・クリントンであることは、誰の目にも明らかである。いずれにしても、ブッシュ政権の支持率は33%を割り、下落の一途を辿っている。イラクも中途半端な状況のまま、イランやベネゼエラを中心にした南米でも不穏な空気が漂っている。その上、北朝鮮で核実験が行われた。国民は大きな不満を抱いている。このような状況下、対北朝鮮への制裁措置も含め、あらゆるブッシュ大統領の判断に、世論や支持率が影響を及ぼさないわけがない。このように微妙な状況に追い込まれている、ブッシュ大統領の現状を端的に表しているのが、今回北朝鮮によって核実験が強行された直後に出されたブッシュ大統領による二度の声明であった。

 ブッシュ大統領が軍事的制裁を否定する発言をしたからといって、軍事行動の可能性がなくなったということではない。建前では軍事行動を否定しているが、本音の部分では、例え軍事行動によってでも、北朝鮮が核を保有し拡散しないように制裁を加えなければならない、とブッシュ大統領は思っているからだ。日本人のように本音と建前ということを使い分けることを一番苦手とするアメリカ人が、本音と建前を使い分けている。そのぐらい、北朝鮮が核を保有するということは、拡散の可能性があり、アメリカにとっては脅威なのだ。万が一、ベネゼエラに核弾頭と長距離弾道ミサイルが販売されれば、アメリカ本土は射程内である。また、イランに核弾頭と長距離弾道ミサイルが販売されれば、イスラエルは射程内である。そして、万が一、北朝鮮が、国際テロ組織に、核弾頭と長距離弾道ミサイルを販売すれば、それこそアメリカならびに同盟国は、直接的脅威に晒されることになる。

 ブッシュ大統領は、一昨日、この北朝鮮の問題に関し、新たに口を開いた。それは、この春、横田めぐみさんのご母堂が訪米し、ブッシュ大統領と面会した時の話であった。ブッシュ大統領は、「自らの政治家としての人生に於いて、娘を拉致され30年以上も娘を取り返すべく闘い続けていることを知り、これほどの悲しみを覚え、衝撃を受けたたことはない」と記者団に述べた。これは、非常に、意味深い発言であった。

 アメリカ人は、人道、人権問題に対し、非常に敏感な国民である。困った問題が起きると、アメリカの政治家は、直ぐに人道・人権問題を持ち出し、雲に巻き難所を乗り越えるということを常套手段としている。人道・人権問題を利用していると考えると腹も立つが、実際に人道・人権問題にアメリカ人が強く心を動かされるということも事実である。何故ならば、多種多様な民族によって構成されている合衆国であるというアメリカの事情があるからだ。このような政治環境を考慮に入れ、現在のような厳しい状況下で、ブッシュ大統領が横田めぐみさんをはじめとする拉致被害者の問題を声高にアメリカ国民に吹聴したということは、非常に大きな政治的意味がある。

 支持率が低迷し、未だ下落傾向にあるにもかかわらず、北朝鮮の問題では緊張感が高まる一方である。このままいけば、軍事行動に移行せざるを得ない可能性も非常に高くなってきた。というか、可能性を高めているのもブッシュ政権かもしれないが。万が一、止むを得ず軍事行動に移行した場合の批判軽減のために、拉致問題を敢えて今周知の事実にしておこうとしたことは間違いない。
北朝鮮関連の情報で信頼できるコメンテーター五人衆
2006年10月13日

 テレビ等のメディアを見ていると、北朝鮮の問題に関し、非常に多くのコメンテーターが、まるで見てきたかのようなコメントをしている。北朝鮮事情の専門家として、有名大学の教授とか、軍事評論家だとか、元北朝鮮政府内にいたという脱北者だとか、色々な人々が色々なことをもっともらしく言っている。しかし、それらのコメンテーターの中で、偏向せず、正しい情報を慎重にコメントしている人々が数人いる。だが、メディアは視聴率を獲得できるような面白いことを言ったりする、わけのわからないコメンテーターを多用し、そのような信憑性の高い、正確な情報をコメントする真面目なコメンテーターを、ある意味蔑ろにしているようにさえ見える。いい加減なことを言っているコメンテーターに限って押しが強く、人を掻き分けて前へ前へと自分のいい加減な意見を押し出す。だが、視聴者からしたら、見ていては面白いのかもしれない。ところが、真面目に調査し、視聴者へ対しても真面目に対峙しているコメンテーターは、派手さや押しの強さがないがために、隅に追いやられてしまっている。ワイドショーではないのだから、面白さで判断するのではなく、情報の正確さで判断してもらいたい。悲しむべきことだ。こういう、真面目に日本の国のことを考えてコメントをしているコメンテーターの言葉に、もっと視聴者、国民、そして、メディアは耳を傾けるべきだ。優良コメンテーターは以下の通りである。

1) 拓殖大学海外事情研究所所長 森本 敏 
2) 国際政治・軍事アナリスト 小川 和久
3) 関西大学教授・RENK代表 李 英和
4) コリア・レポート編集長 辺 真一
5) 元北朝鮮労働党書記・脱北政治亡命者 ファン・ジャン・ヨプ

日本による追加制裁へ対しての北朝鮮による対抗措置の可能性
2006年10月13日

 北朝鮮による核実験実施発表を受け、日本政府が追加制裁に踏み切ることを安倍総理が発表した。その直後、北朝鮮のソン・イルホ日朝国交正常化交渉担当大使は、「もし、日本政府が追加制裁に踏み切れば、必ず対抗措置を講じることになるであろう」と強い口調で述べた。同時に、「安倍新首相の言動も注意深く見守っている」と、日本の出方次第では軍事行動も含めた対抗措置を考慮している、と意味合いにもとれるような含みのある高圧的な言葉を吐いた。

 このソン・イルホ日朝国交正常化交渉担当大使の言葉を受け、日本のメディアは一斉に色めき立った。そして、対抗措置の可能性につき各メディアが、ワイドショー的に騒ぎ立てだした。多くのコメンテーターが、根拠もないことを鬼の首でもとったかのように言及している。

 北朝鮮による対抗措置として考えられることは、可能性としていくつかある。だが、直接的に、日本の領土に核弾頭を搭載するしないにかかわらず、ミサイルを撃ち込むようなことは、自らの退路を断つことになるので、先々は成り行き次第でわからないが、現段階では行わないであろう。ただ、考えられる可能性は以下の通りである。

1)日本の頭上を飛び越えて、太平洋に着弾するようなミサイル発射。ミサイル発射実験の名目 でやる
のか、攻撃という名目でやるのかは定かではないが。ただ、攻撃という名目でミサイルを太平洋上に
着弾させれば、それだけで軍事行動とみなされてしまうので、その可能性は極めて少ないであろう。
よって、ミサイル発射実験という名目で、複数発のミサイルを、日本本土を飛び越えて太平洋に着弾
させるであろう。
2)朝鮮戦争休戦協定の破棄。
3)日朝国交正常化平壌宣言の破棄。

 拉致被害者へ対しての暴力的制裁ということも考えられるが、それをしてしまえば、拉致自体を認めることになり、また人道・人権問題に対して非常にセンシティブなアメリカを必要以上に刺激してしまうことになるので、拉致被害者への何らかの制裁という行為の可能性は極めて低いと考えられる。

 ただ、ここで日本人が理解し、認識しておかなければならないことは、北朝鮮に隣接する日本はじめ韓国等アメリカ側同盟国、また、中国やロシアは、守らなければならないものがあるが、現状、北朝鮮には守るものが既になく、捨て身でコトに当たることができるということだ。言葉を変えれば、本気で戦争へと発展させてしまうことも、結果はどうあれ北朝鮮は判断できるということである。北朝鮮の現状だと、我々からすると馬鹿げた判断と思っても、その馬鹿げた判断を信じ行ってしまうということも十分考えられる。先が、見えなくなり、気が高揚し、意志を超えて思わぬ行動に突き進んでしまうということは、人にも、国にも起こりうるということだ。パールハーバー直前の日本が、そうであったように。状況的には、あの頃の日本の状況と、今の北朝鮮の状況、そして、心理状態は非常に酷似していると言っても過言ではない。そうである以上、最悪の事態をも含め、あらゆる情況を想定して、危機管理に当たらなければ、取り返しのつかぬことにもなりかねない。そのことは、日本政府にとどまらず、国民全体が理解し、意識しなければならない。

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