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宮部みゆき「長い長い殺人」 1992年の作品。 映画化されたから読んだのではなく、宮部みゆきで、まだ読んでないものがこの本だった。 本の説明によると・・・ 金は天下のまわりもの。財布の中で現金は、きれいな金も汚ない金も、みな同じ顔をして収まっている。しかし、財布の気持ちになれば、話は別だ。刑事の財布、強請屋の財布、死者の財布から犯人の財布まで、10個の財布が物語る持ち主の行動、現金の動きが、意表をついた重大事件をあぶりだす!読者を驚嘆させずにはおかない、前代未聞、驚天動地の話題作。 大そうな説明だね〜。あまり効果的とは思えないけど。 主人公は財布。 それぞれ10個の財布が持ち主について語る。 その結果、殺人事件の全貌が少しずつ明らかになる。 最後の章で、唐突に犯人が登場して事件が解決。 ちょっと強引かもね。 「有名人になりたい」影の犯人と「挫折屈折し、殺人でしか自己を表現できない」犯人。 犯人像からして同じ宮部みゆきの「模倣犯」へとつながっているように思える。 また、最近の無差別殺人事件とも気になる。 「犯人の財布」では、財布は母親の視点で語っている。 この頃の宮部みゆきは、まだ母親の目で見ていたのかも。 好きな章は「探偵の財布」 気に入った箇所を紹介。 『私の探偵――と、私は彼を呼ぶ。 彼は私を単なる彼の所有物だと思っているようだが、本当は、彼が私のものなのだ。 妻が亡くなったとき、彼は彼女の思い出につながるものをすべて処分してしまったが、私を捨てようと はしなかった。私は唯一、生前の彼女の指が触れたことのある、彼女の遺品だった。それを私は女々し いとは思わない。彼を、彼の妻が昔そう呼んでいたように呼ぶだけだ。私の探偵さん、と。』 ・・・宮部みゆきのやさしさがとてもよく表れています。 もうひとつ。
佐々木は探偵の友人だ。そこで財布のセリフ。 『佐々木は、私の探偵の妻が亡くなったとき、彼が「一人にしてくれ」と言うまでそばを離れなかった。 「一人で大丈夫だ」と言っているうちは、離れなかった。だから、私は佐々木を信用することにしてい る』 ・・・宮部みゆきの繊細な感性を物語る文章でした。 |
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言われてすごい思い出しました!探偵の財布のセリフはすごいよかったですよね!宮部さんは本当に描写がうまいなぁといつも思います。いつもその情景が目に浮かぶような・・・だから宮部さんは好きですね。こちらからもTBさせて下さいね。
2008/7/25(金) 午後 9:35
めぐさん
コメントありがとうございます。
宮部さんの小説にはいつもどこかに希望、未来のようなものが見えるので、ほっとします。私も大好きです。
2008/7/26(土) 午前 0:10
これはなかなかユニークな作品でしたね。
人物の描写には定評のある作者ですが財布にもそれぞれの人格があるようで
自分の財布を思わずまじまじと眺めてしまいましたよ(笑)
2008/7/27(日) 午前 6:07
びぎなあさん
おっしゃるとおり、財布の目?(目があるのかどうか)から見た描写とか財布の感情とか、たしかに不思議な設定でした。
2008/7/27(日) 午前 9:33
はじめまして〜。トラックバックさせてください。よろしくです。
2008/10/28(火) 午後 3:32
かゆさん
コメントありがとうございます。
映画は観ていませんが、なかなかいい映画のようですね。
2008/10/29(水) 午後 11:16
こんばんは。トラックバックありがとうございました。映画も見てみてください。でもきっと本の方がいろいろ想像力が膨らんで面白いのかも!!??
2008/10/30(木) 午後 10:16
かゆさん
そうそう、小説は自分でイメージを膨らませながら、読めるところがいいですよね。映画とのギャップにがっかりすることもよくあるけどね。
2008/10/31(金) 午後 10:19