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東京の早稲田松竹にて。 やっかいな映画を観てしまった。 なんて言い表せばいいのだろうか。 「サーフィンをしよう」とキルゴア中佐はベトコンのいる村の海岸を襲う。 騎兵隊のごときテンガロンハットを被ったキルゴア中佐が、ハイテンションのまま大声で叫ぶ。 ワーグナーの「ワルキューレの騎行」をガンガンに鳴らした大編隊のヘリコプターが飛びかい、兵士が機関銃をぶっぱなし、ベトコンに襲いかかる。 戦闘機がナパーム弾をぶち込み、森を焼きはらう。 キルゴア中佐はこの独特の焦げたにおいが好きだ。 キルゴア中佐の命令で海岸では兵隊がサーフィンをしている。 そのすぐそばで爆弾が投下される。 もう無茶苦茶で歪んだ世界。 それもCGでもなく、ミニチュアでもなく、まさに「本物」の映像だから、その臨場感にただただ圧倒される。 キルゴア中佐は狂っている。 でも本人はわかっていない。 これが日常的な風景なので、たぶん、異常とは感じられなくなっている。 麻痺しているのだ。 ウィキペディアによるあらすじ・・・ ウィラード大尉は、軍の指令を無視しカンボジアのジャングルの中に王国を築いているカーツ大佐を暗殺する命令を受ける。ウィラードと部下は、海軍の河川警備艇でジャングルの大河を遡行し、その途中で戦争の狂気を目の当たりにする。王国にたどり着いたウィラードは捕らえられるが、最後にカーツ大佐を暗殺する。 単純なストーリーです。 でも、一筋縄ではいかない。 キルゴア中佐のエピソード以降は川を上り、カーツ大佐の王国まで辿るシーンが延々と続く。 たんたんと。 カーツ大佐は、予防接種した村の子供が、そのあと村人に腕を切り落とされる話をする。 カーツ大佐は、「地獄を見た」「地獄の恐怖だ」と囁く。 カーツ大佐は、ウィラード大尉に殺された。 カーツ大佐は、ウィラード大尉に殺されることを望んでいたのかもしれない。 「地獄の恐怖」を夢見ることがなくなるから。 「地獄の恐怖」から解放してほしかったのかも。 逆にウィラード大尉がカーツ大佐を殺す理由は何か? あくまで軍の命令に従っただけなのか。 アメリカにおけるベトナム戦争の正義を意味しているのか? 冒頭、妻と離婚し、アメリカでは生きられずベトナムのジャングルに帰るしか生きられないウィラード大尉がジャングルの爆撃を夢見るシーン。ドアーズの歌が流れる。 彼も麻痺しているはずだ。 ということは、ベトナム戦争の正義も崩壊していることを表しているのだろうか。 ともあれ、私の理解を超えた、わからないところが多い奇怪な映画としか言いようがない。
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こんにちは。
オリジナルの方はリアルタイムで劇場鑑賞しましたが、「特別完全版」の方は見てません。たしか少し長いんですよね。
マーロン・ブランドの強烈な存在感とワーグナー・ドアーズの音楽が印象深い映画でした。
おっしゃる通り、難解で普通の反戦映画とは一線を隔していましたね。
2008/8/9(土) 午後 4:29
ヒッチさん
いつもコメントありがとうございます。
30分ぐらい長いようです。
後半がどうも自分には理解できかねます。
2008/8/9(土) 午後 11:19
ヒッチさん
追加します。
ヘリで襲いかかり、戦闘機でナパーム弾をぶち込むシーンは圧巻です。
映画製作でここまで許されるのかとびっくりしました。
2008/8/9(土) 午後 11:23
今、またリバイバル上映されているのですか?
ワルキューレをBGMに海岸沿いのベトコン基地に襲い掛かる
シーンは何度見ても圧倒されますねぇ。
あとシンセサイザーを多用した幻想的なBGMも印象的でした。
2008/11/3(月) 午前 0:46
happyさん
リバイバルでなく、名画座の「戦争特集」の1本で観ました。
ベトコン基地を襲うシーンは、良い悪いは別でアドレナリン出まくりで、圧巻でした。
でも、自分には難しい映画でした。
2008/11/3(月) 午前 11:01
難しい映画でした。
戦地では、狂気でないと、自己の尊厳が保たれない。”人を殺す”などという反倫理も”没個性”でないと遂行できない、軍人ですから。
狂った軍人、カーツ大佐を探りあてていくプロセスは、面白かった。評論家に言わせれば、ハーマン・メルビルの”白鯨”がカーツ大佐だという。
ちょっと前になるんだけれど、チミノ監督の「ディア・ハンター」も反ベトナム戦争では出色の名作だったと思う。
ルシアン・ルーレットに狂うベトナム人、巻き込まれるデニーロ、この作品、ラストがメチャ怖くて、名作なんだけれど余り”もう一度”見たくはない。ベトナム戦争のため利用されるロシア系移民(デニーロ)、片やベトナム(北)はソ連から武器等もらって、いわばロシア人同士の戦いになっている。余りにも悲しい。クリストファー・ウオーケン畢竟の名演技。
アポカリプス・ナウとともに反ベトナム作品の傑作でしょう。
2010/12/8(水) 午後 9:46 [ moemumu ]
moe*u*uさん
自己保身のために狂気にならざるをえない。正気で人は殺せない。「ディア・ハンター」は観れていないです。有名な映画であることは知っているんですが、機会があれば是非みたいです。
2010/12/8(水) 午後 11:33
スーラカンスさま、たびたびレスして、すみません。
アポカリプス…より、ディア/ハンター、”一回だけ”お勧めいたします。
ラストのラスト、友人との「ルシアンルーレット」の対決をせざるを得なかったデニーロ、気が狂ったクリストファー/ウオーケン、運命の1発が頭を打抜いて…余り申しませぬ。
一回みたら、名作で二度と見たくない。それでも名作。メリル/ストリープが、ややくどい以外は90点以上です。
アポカ…は「ドアーズ」の曲がよかったですね。
2010/12/14(火) 午前 4:53 [ moemumu ]
moe*u*uさん
「ディア/ハンター」は、来年、午前10時の映画祭で上映するようなので、必ず観ます。前から気にはなっていたので。楽しみです。情報ありがとうございます♪
2010/12/15(水) 午前 0:02
サファーって台風だろが、津波だろうが「波」の魔力に海へと出るんです。こんな状況の中でもサーフィン一般人が見たら完全に狂ってるように見えるんですが、それが魔力。やってる本人はいたって冷静
戦争ももしかしたらそんな魔力なのかもしれません。変なコメですんません〜(笑)TB&ぽち
2011/8/29(月) 午後 4:37
ポニーさん
自分も酔いしれていて冷静さを失っているのでは。戦争の魔力というか麻薬かもしれません。
2011/8/29(月) 午後 11:45
拙ブログにも書きましたが、この作品は私の人生で最高峰に位置する作品です。
戦争が経済に与える影響を如実に描写して未完成品。
立花隆さんに言わせると「カラマーゾフの兄弟」のようなスケールということでしょうか。
2011/9/19(月) 午後 9:39 [ dalichoko ]
chokoboさん
その気持ちわかります。私はこの映画好きではないのですが、後世に観てほしい映画の1本です。難しいことは自分にはわかりませんが、戦争は人を狂わすということです。すごい映画です。
2011/9/20(火) 午後 11:22
キルゴアさん、狂ってましたね。
彼の狂気そのものがベトナム戦争ということなのでしょう。
まずはオリジナルで地獄の狂気を感じられたのでよしです。
後半部分のウィラードの真意については私も未消化なので、完全版を楽しみに見てみようと思います。
TBさせてくださいね。
2011/10/2(日) 午後 11:46
pu−koさん
自分は狂っていないと思っているんですよ。それが怖い。戦争を知らなくても恐ろしいと思える映画って、貴重ですね。私にはウィラードの真意はわからずじまいでした。
2011/10/3(月) 午後 9:29
アクション映画とはまた全然違う、生身の迫力がありましたね。
たしかに、理解を超える奇怪さはありましたね。
映画界の大巨匠が戦争の狂気を表現しようとすると、こうなるのでしょうか。
TB、させてくださいね。^^
2013/6/4(火) 午後 10:30
サムソンさん
もう無茶苦茶な映画です。すべてが狂気ですね。本物の爆撃に圧倒されました。20世紀の映画から是非選びたい1本です。コッポラはこの映画で燃えつきたのかも。
2013/6/5(水) 午後 11:27