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猿に言葉を教えるという小説は今まで読んだことがなかったので、とても新鮮だった。 それに、猿のバースディがかわいくて、とてもおちゃめでいいやつなんです。 ふざけて人の顔におならして喜んだりして。 でも、恋人の由紀が窓から身を投げてから、話が大きく展開していく。 自殺か、他殺か、自殺ならなぜ死なないといけなかったのか。 結果は、ある程度予想したとおりで終わった。 この小説をミステリーの興味だけで読むと、かなり物足りないような気がするでしょうね。 恋人の由紀が窓から身を投げた翌日の朝、バースディが田中真の顔をのぞきこんで、『まこ め みず』と文字盤をたたく。このシーンはいいな。 最後のことばは、『ゆき まこ あいしてる』。 文字盤を使って遺書のごとく伝えるというのは、どこか、わざとらしい感じがしないでもない。 自分にはどうも・・・。 後半の印象は、この小説の中に出てくるホリー・コールの『コーリング・ユー』のように、けだるく、もの悲しいメロディのよう。 文庫本の説明によると・・・ 霊長類研究センター。 ボノボと呼ばれるピグミーチンパンジーのバースディに言語習得実験を行っている。 プロジェクトの創始者安達助教授は一年前に自殺したが、助手の田中真と大学院生の由紀が研究を継いだ。 実験は着実に成果をあげてきた。 だが、真が由紀にプロポーズをした夜、彼女は窓から身を投げる。 真は、目撃したバースディから、真相を聞き出そうと…。 愛を失う哀しみと、学会の不条理に翻弄される研究者を描く、長編ミステリー。 <追記> 金平糖さんのブログを読んで、ヒントをもらったことを書きます。 由紀がバースディを使って『ゆき まこ あいしてる』と文字盤を打たせることに、すごく違和感がありました。 真もそれを受け入れて行動しています。 そう、由紀も真も自分のことしか見ていなくて、ほんとはバースディが見えていないのではないだろうか。 人間どうしの愛であって、また人間のエゴが垣間見えたような気がした。 <またしても追記>
最後の真のセリフが「さよなら、バースディ」なんて言うこと自体、違和感あります。 こんなセリフ、口に出して言わへんで〜。 |
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はじめまして、金平糖です。記事中にハンネが出ていてドキっ!!
本書には、様々な人間のエゴを突きつけられた気がしました。動物実験はすべて人間の為だし、能力の研究でも動物を人間に近づけようとするものが主だということに改めて気づかされ、そのことにショックを受けました。
トラバさせて下さいね。
2008/8/28(木) 午前 7:04
金平糖さん
わざわざコメントありがとうございます。
金平糖さんのレビューを読んで「あっ」と思いました。
胸のつかえがとれた感じです。
2008/8/28(木) 午後 8:19
私もこの本、すごく違和感がありました。
あんなにかわいがっているバースディのことより、自分の都合を優先させていて、人間としてどうなんかなあ・・・って。
結局バースディのことを「動物」としか見ていなかったのは主人公なんではないのかなあと思いました。
言い過ぎかな・・・
設定がおもしろかっただけに、残念でした。
2008/10/13(月) 午前 11:22 [ とくだ ]
platinumschoolさん
金平糖さんの記事を読んで、違和感は解消できました。
「恋は盲目」なのか、由紀のことしか頭になくて、バースディも含めてまったく周りが見えていない主人公が自分勝手なのでしょうかね。
「さよなら、バースディ」なんて言うことが気持ち悪いです。
もしよければ「金平糖さん」の記事を読んでみてください。
2008/10/13(月) 午後 10:51