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プラチナさんのブログで評価が★5つだったので読んでみました。 「官僚」を主人公にした小説を読んだのは初めてです。 現場警察でのハデで荒っぽい話はなく、警察庁でマスコミ対策を担う総務課長、つまり警察官僚のとても地味な話です。 このあとネタバレもあるのでご注意を。 連続殺人事件がおきる。 その犯人が実は、警察官だった。 少年犯罪の刑法の緩さにすぐ出所することに対して当時の担当警察官が殺人を犯す。 警察の失墜を防ぐために、同じ官僚である刑事局はあえて事件を迷宮入りさせるため画策をする。 総務課長である主人公は、「変人」だ。 国家は自分が守る、家は妻が守る。 いざという時には死ぬ覚悟があると言い切る。 幼馴なじみである刑事部長に小学生の頃いじめられて、そのことをバネに東大、官僚まで登りつめた。 そんな彼は、息子がマリファナを吸っているところを、たまたま見つけてしまう。 刑事部長に相談すると、「揉み消せ」と促す。 刑事部長は、刑事局の指示により連続殺人事件も「揉み消す」つもりだった。 主人公は連続殺人事件を「揉み消す」ことに何が何でも阻止しようとした。 その理由は、発覚した場合警察全体の権威が失墜し、あらゆるものを犠牲にして手に入れた「警察官僚」のポストの価値も下がる。それが許せないだけだ。主人公の価値観は、その一点につきる。 でも、彼の危機管理は見事で、事件のダメージが少なくポジティブな方法を採用する。 息子のマリファナの件も同様の考え方で「自首」という選択をする。 ここからが、父親として実にかっこいい。 家族会議をして「自首」することが最良だということを説く。 さらに、母親もかっこいい。 彼に「一番父親らしいことをしたわ」と言う。 彼は「変人」だ。
官僚=悪というイメージの中、国家を守る、警察を高いレベルで機能させることに努力する姿は、あまりに理想的すぎる。 今野敏は、そんな理想的な姿を、あえて「変人」という言葉で皮肉っているのかもしれない。 |
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TBありがとうございました^^竜崎のキャラ造詣が絶妙でしたね。警察小説はそんなに好きなジャンルではないけど、これはとても面白かったです(前半はあわや挫折寸前って感じでしたが^^;)。続編も面白かったですよ!こちらからもTBさせて下さい^^
2008/12/26(金) 午前 0:53
理想的すぎるから変人と皮肉るってなるほどです。
そばにいたらたぶんかなりいやだけど、読者として読むと、痛快でしたよね。
奥様もすてきでした。
こちらからもトラバさせてもらいますね。
2008/12/26(金) 午前 11:30 [ とくだ ]
べるさん
竜崎の「変人」キャラは、思わず笑いそうになるほど良くも悪くも「考え方」が一貫していました。途中までいやなヤツでしたね。
2008/12/27(土) 午前 9:38
プラチナさん
自分が今までに読んだことのない分野でした。
また、プラチナさんの記事に登場する面白そうな小説、参考にさせてください^^
2008/12/27(土) 午前 9:42
最初、作者の意図がなかなか掴めずどのように読めばいいか躊躇していましたが、コツをつかんだら面白い作品でした。
トラバさせて下さいね。
2009/1/4(日) 午前 11:18
金平糖さん
「いやなヤツ」が少しずつ「純粋でかっこいいヤツ」に印象が変わっっていくあたりの、今野敏の手腕は見事でした。
2009/1/4(日) 午後 10:23