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藤原伊織の小説は、「テロリストのパラソル」「ひまわりの祝祭」に続いて三冊目。 相変わらずのイオリン節。(解説の逢坂剛がイオリンと言っている) 冒頭のシーンからやられた。 目をあけると、左から右に水平に雨が流れている。 酔っ払って地面に寝ているから、雨が左から降っているように感じるのだ。 まるで崩れた豆腐のようだ。 藤原伊織の文体は、とても好きだ。 それに、主人公の会話は、ウイットに富んでて、笑ってしまう。 特に掛け合い漫才のごとく主人公と部下やバーの女性との会話はめっちゃ楽しい。 素敵なセリフを紹介・・・ 「約束したんじゃなかったでしたっけ。外出のあと、おとなしく帰って休むって」 「すまん。熱のため昨日はモウロクしていた。だからあんまり記憶がない」 「とめても無駄なんだろうな、きっと」 「おまえさん、成長したな」 「どういうところが?」 「洞察力が身についた」 「たかがリーマンのくせして、調子にのるんじゃねえ」 「あんまりサラリーマンをバカにすんなよな。おまえらよか、はるかに苦労してんだ」 「あんた知ってる?鈍感な人間って、はた迷惑なだけだってこと。」 こうなってくると、話の内容がどうあれ、主人公の行動、セリフを楽しんでる感がある。 それでも、この小説も前2作と同様に主人公は、過去の傷にこだわっている。 こだわりがあるから、今の自分の存在価値を確かめようとしている。 そんな、もがき苦しんでいる主人公がとても魅力的だ。 あらすじ・・・
飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、 会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、 これを広告に使えないかと打診されるが、 それがCG合成である事を見抜き、指摘する。 その夜、会長は自殺した!! 堀江は20年前に石崎から受けたある恩に報いるため、 その死の謎を解明すべく動き出すが…。 |
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堀江はチョイワル親父というよりも柄の悪いおっさんなのですがなぜか憎めないのが不思議です。
藤原伊織さんらしい作品、もしよかったら続編「名残り火」も読んでみてはいかがでしょう。個人的には藤原さんらしくない作品ですが「蚊トンボ白髭の冒険」が一押しです^^
2009/1/20(火) 午後 6:40
はやとんさん
コメントありがとうございます。
荒っぽい中年おっさんが、またかっこいいんですよね。
「名残り火」はまだ文庫になってないのでちょっと・・・。
そうですか、「蚊トンボ白髭の冒険」はチェックしときます。
2009/1/20(火) 午後 11:18