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荻原浩は「僕たちの戦争」「誘拐ラプソディ」「ハードボイルド・エッグ」「さよならバースディ」 「オロロ畑でつかまえて 」「なかよし小鳩組」に続いて7冊目。 新潮文庫からの紹介内容は・・・ 「レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。 本を読みながら、この衝撃の結末が気になってしかたなかった。 ほんとに最後の1行、というか一言。 途中気がつかずに、その一言を読み飛ばしていたらまったくこのラストの意味はわからない。 しかし、はたしてこのラストでよかったんだろうかと、おっさんとしてはちょっと考えてしまう。 高校生の娘1人を持つ所轄の中年刑事(主人公)と5歳の子持ちの本庁の女性警部補が、チームを組むことになった。 最初はぎこちない2人だったが、その地道な捜査活動を2人ですることで少しずつ信頼関係ができ、最後には中年刑事は女性警部補の息子と遊ぶまで親しくなる。 このあたりのベタベタにはならないが、2人の信頼関係ができていることをちょっとしたセリフであらわしている文体は、荻原浩ならではのもの。 また、中年刑事とその娘との漫才コンビ風の乗りは、いつもの荻原浩タッチで笑える。 殺人事件の殺伐とした話にも関わらず、そういうアットホームな展開で終わる。 ・・・と思いきや、いきなりどん底に落とされたような感じ。 このサイコ・サスペンスの内容では、ちょっと単純すぎて荻原浩は満足できず、逆転の「大技」を出した くなっただけかも。 ラスト一言の衝撃はサスペンスものとしては面白かったけど、冷静に考えるとあまり必然性がないように 感じる。 いやいや、このラスト4ページこそ、ただの「噂」だったのでは。 それにしても、ラスト前、よりアットホームな雰囲気を醸し出す荻原浩のわざとらしい演出に、 またしても騙されてしまった。
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直前までのほのぼの感が一気に突き落とされますよね。でも、この一行がなかったら、ここまで印象に残る作品ではなかったと思います。
レインマンの真相には結構がっかりした部分もあったので。ラスト4ページが『噂』だったというのは新しい解釈ですね〜。確かにそうだったら救われるでしょうけど・・・^^;TBさせて下さい。
2009/1/22(木) 午前 1:56
べるさん
後で読み返すと、わざとらしいほのぼの感ですね。
まさに強烈な最後の1行です。
救われてほしかったですけどね。
2009/1/22(木) 午後 9:03
あ、『さよならバースディ』も読まれていらっしゃるんですね。私はこれがイマイチ印象が良くなかったんですよ^^;;
ラストのどんでん返しは必要だったと思います。これがなければどんでん返しの楽しさを知らないままだったかもしれないので^^
TBさせていただきますね♪
2009/3/11(水) 午後 11:27
紅子さん
「さよならバースディ」は自分もあまり好きではありません。
後味が悪いです。
「噂」のドンデン返しには、これでよかったのか悩みますが、衝撃ではありました。
まったく関係ないですが、なぜ「どんでん返し」の「どんでん」っていうんでしょうかね。不思議です。
2009/3/12(木) 午後 9:18
ご本といえばblogさん
コメントありがとうございます。
巷の噂はやはり最後の一行ですね。いい悪いの両面があると思いますが。最近、荻原浩のゲテモノや怪奇というか残酷な面が気になります。
2010/5/1(土) 午前 11:39