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2002年作品。 内容(「BOOK」データベースより) 5人の若者の奇妙な2LDK共同生活を描いた青春小説。いつの時代も現実は厳しい。でもふさわしい自分を演じればそこは、誰もが入れる天国になる。杉本良介21歳、H大学経済学部3年。大垣内琴美23歳、無職。小窪サトル18歳、「夜のお仕事」に勤務。相馬未来24歳、イラストレーター兼雑貨屋店長。伊原直輝28歳、インディペンデントの映画配給会社勤務。5人の生活がオムニバスで綴られる。 不思議な感覚の小説。 はたして、ラストはほんとにこれでよかったんだろうか。 何故、彼はこういう行動をおこしたんだろうか。 その理由はあいまいだ。 彼は、あえて「お友達ごっこ」をぶち壊したかったんだろうか。 その行為より、そのあとの結果の方を作者は、言いたかったんではないだろうか。 この小説は5人の章からなり、5人の視点でその章が語られる。 5人の同居生活は居心地がいい。 居心地のよさは、それぞれが「お友達ごっこ」をするために、5人の同居人がそれぞれの役を演じているからだ。 その空間は現実であるが、どこかバーチャル空間のようでもある。 無意識にその役を演じているかのようだ。 それぞれの章で、他の4人に対する感情、それぞれの悩み、本来考えていることが明らかになる。 そして、いきなりラスト驚愕の事実が明らかにされる。
ダメ押しするかのように。 その事実も、「5人のお友達ごっこ」に飲み込まれる。 何事もなかったかのように。 4人とも知っているのに、あえて知らないふりをしている。 心地よい「5人のお友達ごっこ」を守るために。 そのことが、やけに恐ろしい。 たぶん「5人のお友達ごっこ」は続けられるのだろう。 解説の川上弘美が「こわい小説だ」と言っていたのは、はたしてこのことだろうか。 |
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これを読んで複雑な心境になりました。
途中はけっこう好きな感じなんですよね。
群像もの好きなので。
でも、やっぱり最後が納得できないですよね・・・同感です。そらおそろしい気持ちになりました。
2009/2/15(日) 午後 11:29 [ とくだ ]
プラチナさん
吉田修一は初めて読んだんですが、
私も複雑な気持ちです。
でも「お友達ごっこ」だけでは、ぬるま湯につかっているだけで、
作者は毒がほしくなったのではないでしょうか。
2009/2/16(月) 午後 9:12
お友だちごっこが出来てしまう恐ろしさ。私は正直、途中がだるくてあまりのめり込めなかったので、最後の驚愕の事実もインパクトが薄かったのですが、その人間関係の恐ろしさは後からじわじわ効いてきました。私もTBさせてくださいね。
2009/2/16(月) 午後 10:21 [ booklover ]
シーラカンスさん、ありがとうございました。読み終わった直後はどうもピンときていなかったのですが、いろいろな方の感想を読ませていただくうちに、少しずつ「こわさ」の実体がつかめてきたような気がします。私もTB返させていただきます。
2009/2/16(月) 午後 10:35
bookloverさん
事件のあと、4人とも知っているのに、あえて知らないふりをしていることが恐ろしく怖いです。
2009/2/17(火) 午前 0:06
boyattoさん
コメントありがとうございます。
最初は、自分もあの事件が怖かったんですが、そのうち4人の何事もなかったしぐさに違う恐怖を感じるようになりました。
2009/2/17(火) 午前 0:13
私はこれが初吉田作品でした。
ごく普通の群像劇のような内容が、最後にひっくり返されるラストは衝撃でした。
恐ろしい事実が明らかにされるのに、淡々と続けられる日常…。
私も、その5人のありようが怖いと感じました。
2009/2/17(火) 午後 8:01
ねこりんさん
私も初吉田作品でした。
ラストのじんわりと感じる恐怖はとてもいやな気分でした。
でも、気になるので次は「パーク・ライフ」か「熱帯魚」を読んでみようかなと思ってます。
2009/2/17(火) 午後 10:19
バーチャル世界での「お友達ごっこ」が怖い・・・
で、伏線がほとんど無かったラスト。(私の読み落とし?)
読後にいろいろと考えてしまう・・・のも、怖さの一つでしたね。
吉田さんといえば「悪人」が一番好きですね。
2010/1/16(土) 午前 10:31
わぐまさん
生ぬるいお友達ごっこからいきなりラストにはびっくり。残酷さに目が覚めます。「悪人」もすごい本でした。映画化されるようですよ。
2010/1/16(土) 午後 8:25
彼は、モトカノの仕打ちが許せず、そして何故かいい人になり頼られてしまうジレンマから、ああいう暴挙に歯止めが利かなくなっているのではないかと思いました。
あのラストは、直輝とサトルの妄想にもとらえることができ、うまいなぁと思いました。
トラバさせて下さいね。
2010/4/9(金) 午前 10:01
金平唐さん
心の中に潜む闇でしょうか。知っているのに何もなかったことにして生活することが、あまりに恐いです。
2010/4/10(土) 午前 0:17
これは、ちょっと怖かったですね…^^; ラストまで辿り着く展開はなかなか見事でした!
第一章の杉本良介に始まり、大垣内琴美、相馬未来、小窪サトルと徐々に“地味”というか“真っ当な”感じがだんだんとトラウマを抱えた人間像が浮かび上がってくる…そして最後が“あれ”ですからねぇ〜!
2010/9/13(月) 午後 10:27
やっくんさん
吉田修一は、人間の残酷さを垣間見せますね。ほのぼの系の小説が多い中で、ラストのようなある意味人間くさい小説を書く作家さんだと思います。
2010/9/14(火) 午後 10:44