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今まで読んだ伊坂幸太郎の小説にはなかった趣がある。 個人的な話から、より個人と集団との関わりを描こうとしているように思う。 この小説を読んで、 あきらかに「群衆心理とその恐怖、そして自分で考え、流されない勇気」を主張しているように感じた。 伊坂幸太郎が主張しているように感じるほど、強いものを小説の内容から見受けられた。 現在の日本でおいては何か事件が起きるとこれでもかとマスコミが集中してパッシングをする。 逆に何かすばらしいことがあると、批判を許さないほどにすべてが揉めちぎる。 この小説の兄は困難にぶつかるとTV番組のマクガイバーを見習う。 「冒険野郎マクガイバー」の主人公は「考えろ、考えろ」と自分に問いかけるからだ。 考えなければ流されるからだ。 考えても、兄は死んだ。 弟は死なないために、金をためようと考えた。 お金で勇気も買えるんではないだろうと。 お金があれば止められるかもしれないと考えているのだろう。 特に現在のような世界金融危機下においては、群衆はカリスマ的なリーダーを求める。 洪水に流される前に、冒険野郎マクガイバーのようにまず考えることを心がけることとしよう。 解説・・・
会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。自分が念じれば、それを相手が必ず口に出すことに偶然気がついた安藤は、その能力を携えて、一人の男に近づいていった。五年後の潤也の姿を描いた「呼吸」とともに綴られる、何気ない日常生活に流されることの危うさ。新たなる小説の可能性を追求した物語。 |
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本作は、伊坂作品の中でも異色のように感じます。それだけに、作者自身のメッセージが強くこめられているように思えてなりませんでした。
読了後、池内了さんの新聞記事を読み、改めて本書にこめられたメッセージを反芻してしまいました。
トラバさせて下さいね。
2009/3/2(月) 午前 10:06
金平糖さん
文庫本の伊坂作品はすべて読んでいますが、こういうメッセージ性の強い小説は初めてです。
池内了さんの新聞記事読みました。
その危機感を伊坂幸太郎は、より強いものとして書かざるをえなかったんでしょうかね。
2009/3/2(月) 午後 10:01
少年サンデーに連載されている魔王を見ていますが、
小説で言う「呼吸」の部分が今連載されています。
目を惹く展開に最高でした!
2009/3/7(土) 午後 11:26
kenさん
コメントありがとうございます。
漫画になっていることは聞いてましたが、
なんか面白そうですね。一度立ち読みしてみます。
2009/3/8(日) 午前 0:01
この作品は伊坂さんの作品の中でもベスト3に入るくらい好きです^^多分、痛い所を突かれているからかなぁと(とても流されやすい性格なので)。作者の言いたいことがこれほどストレートに描かれているものは少なかっただけに斬新でした。こちらからもTBさせて下さいね。
2009/3/27(金) 午後 10:58
紅子さん
私が知っている伊坂さんの中でも異質ですね。彼のさらなるステップの予感がします。それともゴダールが好きな彼の模倣かも。
2009/3/28(土) 午前 1:13