|
2003年度作品。 明治、大正時代を思わせる固い文体。 妄想好きで、女にもてない野暮な男子大学生たちのなんともおかしく、くだらない話です。 そのまじめなおかしさが、いとおしく思うようになるのは、自分の学生時代を思い出させるからにほかならない。 勉強もせず、友だちの下宿を泊まり歩いたり、新入生歓迎会で鴨川を渡ったりと、今思うとあほなことばっかりやってたことが懐かしい。 そんなことを思い出させてくれた小説でした。 コンプレックスの塊みたいなやつらが、なんともいいんだよな。 女にもてた奴には絶対わからないような言葉が飛び交い、すごく親近感を覚える。 特に「ゴキブリ事件」には笑えた。 クリスマスファシズムに対抗して「ええじゃないか」決起騒動もユニーク。 生々しい部分はジョニーに例えるあたりも、さわやかな感じを演出。 いろいろと面白い言い回しがある。 例えば、「頭から尻尾の先まで腹立たしく不味いアンコが詰まった鯛焼きのような男だ」 「みんなが不幸になれば、ぼくは相対的に幸せになる」 最初は、読みにくかったが、この文体も慣れれば、なかなか愛着がわく。 お薦めです。 内容(「BOOK」データベースより)
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ、日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 |
全体表示
[ リスト ]




TBありがとうございました。
昔の文士を髣髴とさせつつ、「水尾さん」の心象風景に紛れ込んでしまう辺り、なんだか村上春樹のようでもありました。
あの「ええじゃないか」は面白かったですね。ちょっと試してみたくなります。
2009/3/10(火) 午後 10:59
この時既に、幻の叡山電車は登場していたんですよね。そして「乙女」につながり、「有頂天」でその正体を知った時、水尾さんはこの中でまどろんでいたんだと感慨深かったです(*・∀-)☆
トラバ返しさせてくださいね。
2009/3/11(水) 午前 8:52
boyattoさん
妄想と現実の境目があるようで、ないような不思議な小説でした。
「ええじゃないか」はやってみたいですが、「ゴキブリ事件」はやりたくないですね。
2009/3/11(水) 午後 10:07
金平糖さん
次は「乙女」を読んでみようと思います。
それにしても、女性の方々がこの手の小説が面白いと感じる時代はすごいなあと思うこの頃です。
2009/3/11(水) 午後 10:10
森見、面白いですよね
ハマってしまいました。
新刊の「恋文の技術」もいいですよ。
2009/3/14(土) 午前 0:13 [ にゃむむ ]
iwq*n25*さん
コメントありがとうございます。
くせのある文体と妄想に、ハマりましたか。
「恋文の技術」チェックしときます。文庫になれば読んでみます。
2009/3/14(土) 午前 10:37