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1948年度作品。 2009年3月14日、神保町シアター「浪花の映画の物語」にて。 脚本:依田義賢 出演:田中絹代、高杉早苗、浦辺粂子、毛利菊江、永田光男 先日観た「青い山脈」で描いた象徴的な戦後民主主義を根底からぶち壊すような映画だった。 「何が戦後だ」「何が民主主義だ」「現実はこんなものだ」と問いかけるようだ。 戦後未亡人が娼婦まで落ちていく・・・。 戦後の荒廃した大阪。戦争で夫を亡くし、子供も病気で亡くした女が、あるきっかけで闇商売の社長秘書になるが、社長は妹にも手を出し、女は男不信に陥り、男に梅毒を移すんだと娼婦になる。 この辺の女の動機があまりに単純でどうもいまいち納得できないので、最後まで腹に落ち込まない。 それに、社会更生施設の院長のセリフも説教口調で気になる。 また教会をイメージしたステンドグラスも説教的な印象が拭えない。 セリフで社会的メッセージを訴える表現方法が、はたしてよかったのかも疑問である。 それにしても、田中絹代はすごい女優さんだ。 戦後未亡人と娼婦が発する言葉の違い、体の使い方、表情どれをとっても、かなり頑張っている。 逆にあまりに頑張っている姿が痛々しい。 厳しい言い方をすると、田中絹代の頑張りに答えるだけの完成度まで達していないのではと思ってしまう。 溝口監督はほんとはドキュメンタリー映画を作りたかったのかもしれない。 まあ厳しいコメントになったが、溝口監督が夜の女性たちの更生を願い、また彼女らへの愛情がとても感じられる映画には変わりない。 あらすじ・・・
戦後の荒廃した大阪。まだ復員しない夫の帰還を待ち侘びながら、病気の息子を抱えて苦しい生活を送っていた房子。ところが夫の戦死の悲報が届いたのに続いて、息子も病死。その後房子は、いかがわしい闇商売をする栗山の秘書兼愛人となる。ところが栗山は、長らく行方知れずだったところを街で偶然再会し、房子と一緒に暮らすようになった妹の夏子にまで手をつけてしまう。すっかり絶望した房子は、遂に夜の街娼に身を落とし…。 |

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溝口作品にしては凡庸というのが正直な感想です。田中絹代の存在感のみの映画だったと思います。TBしておきますね。
2009/3/19(木) 午前 6:32
ヒッチさん
そうですよね、溝口監督としてはあまり緊張感が薄い映画のような気がします。
2009/3/20(金) 午後 8:00
リアリズムという見地では、確かにロッセリーニなんでしょうね。
「浮雲」の高峰の転落のように、あの時代は普通の未亡人が結構たくさん落ちていったのでしょうね。
2016/9/25(日) 午前 10:24
> 瀧野川日録さん
うん、たぶんそうですね、ネオリアリズムを目指していたと思います。俳優でない人もたくさん出ていたのでは。すべて素人俳優でもよかったかもしれませんが、そこまではできなかったのかな。
2016/9/26(月) 午後 11:37