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2009年3月29日、神保町シアター「浪花の映画の物語」にて。 1960年度作品。 脚本:大島渚/石堂淑朗 音楽:真鍋理一郎 出演:津川雅彦/炎加世子/佐々木功/川津祐介/伴淳三郎/渡辺文雄/小沢栄太郎 北林谷栄/藤原釜足/小池朝雄/浜村純/佐藤慶/田中邦衛/戸浦六宏/左卜全 大島渚3作目、28歳でこんな強烈な映画を作るとはすごい。 大阪・釜ヶ崎のドヤ街を舞台に、暴力団同士の争い、ドヤ街での親方と日雇い労務者との争い、 殺し、血を売る商売、売春となんでもありのやりたい放題。 死んでいる人がいても、衣服を脱がせてもっていく。 そんな街だ。「人の死」が日常茶飯事。 その中でも一人花子(炎加世子)はこの街から這い上がろうとしている。 元軍人の小沢栄太郎は、旧ソ連からの侵略が近々にあるとうそぶいて金を集める。 その方法は、戸籍を買い、人に売りつける。また人身売買もする。 信栄会の会長・信(津川雅彦)は、争いごとを嫌う子分の佐々木功に線路の中で捕まり引っ張られ、逃げることができない。 電車がやってきて、津川雅彦は最後諦めたかのように、笑いながら両手を広げて寝そべるしぐさをする。 そして2人とも電車に轢かれて死んでしまう。 佐々木功VS津川雅彦の構図は、政治的な意図があるようにも感じた。 さらに、飲み屋でも2人が死んだことが伝わるが、まったくそんなことにはお構いなしに酒を飲んでいる。 死んだ人間よりも、生きている人間の方が大事だとでも言うかのようだ。 その後、日雇い労務者が暴動を起こし、親方の家を燃やす。 労働者が資本家を倒すように見えるが。 あくる朝、何事もなかったかのように、炎加世子はいつものように血を売る商売を始める。 結局、普段と何も変わりはしなかったことを、暗示して映画は終わる。 真鍋理一郎の音楽が面白い。 あるシーンで、2つの曲が同時に流れていた。 こんな実験的な音楽の使い方は、見たことがない。 大阪弁は下手だが、炎加世子が強い個性で印象に残る。 その他、大島組のアクが強い俳優たちがすでに大勢登場している。 あらすじ・・・
愚連隊信栄会の会長・信(津川雅彦)は、大きな縄張りをもつ大浜組に対抗するため、鉄の規律で子分たちを使い、会を大きくしようとしていた。しかし、小遣い銭欲しさから、ヤス(川津祐介)たちは信の目を盗んで、花子(炎加世子)たちが行う、日雇いたちから血を採る商売を手伝っていた。 大阪・釜ヶ崎を舞台にして、住民を巻き込んで暴力団同士が争い、破滅していく様を描いている。1960年安保闘争で揺れる世相の中、大島監督は釜ヶ崎という小さな地域を日本全体の縮図に見立てて、縦社会である暴力団の非人間性を暴き立てる。とともに、壊すものは徹底的に壊してしまうべきだという作者の主張がうかがえる作品。炎加代子が体を張って自己主張する、今までにない新しいヒロイン像で強烈な印象を残し、撮影の川又昂の鮮烈な色彩表現と、若い俳優たちの熱演が作品に活力をもたらしている。バイタリティーあふれる場面だけでなく、佐々木功が口ずさむ『流氓の歌』の美しさにも胸を打たれる。 |

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私も、初期の大島渚のバイタリティあるこの作品が好きです。
多重な登場人物の生活感に溢れた作品でしたね。
2009/4/10(金) 午後 9:22 [ ひろちゃん2001 ]
ひろちゃん2001さん
この映画はよかったです。
自分の中では大島渚とゴダールは似ていて、だんだん難解になっていく印象があります。
2009/4/10(金) 午後 9:44
和製ヌーベルヴァーグの大島・吉田・篠田については、私にとっては全般的にあまり相性がよくなくて敬遠しがちです。でもこの映画はシーラカンスさんのレビューを拝見すると、観ておく価値がありそうですね。
2009/4/11(土) 午前 5:44
ヒッチさん
この映画はなかなか強烈でした。
後期の大島渚ではなく、わかりやすい映画でした。
2009/4/11(土) 午後 10:38
この映画はDVDで観ました、初期の大島渚はすきですね、ところで、神保町シアタ−のスクリ−ンはクリアでしょうか?行ってみたいのですが。
2009/4/12(日) 午前 11:56 [ koukou ]
koukouさん
まさに強烈ですね。
先日も同じ質問をしてもらったんですが、素人なんでスクリ−ンが「クリア」かどうかよくわかりません。ラピュタより画面は大きいですが。答えになってなくてすいません。
2009/4/12(日) 午後 9:34
大島作品は、多分1作も見たことがないと思います。でも、シーラカンスさんのこの記事を読んで、見てみたくなりました。
描かれる凄い日常、見事な配役、そして音楽の効果。
とっても興味を惹かれます。
2009/4/14(火) 午前 0:19
alfmomさん
人間てつくづくよくばりだと思います。琴線に触れる感動作も好きですし、こういう人間の本性を垣間見せる映画も好きです。
2009/4/15(水) 午前 0:45
ひろちゃんさんやkoukouさん同様、僕も初期の大島作品は好きです。本作、『青春残酷物語』、『日本の夜と霧』、『絞死刑』、『白昼の通り魔』など、どれも印象的でした。
2009/4/17(金) 午前 2:28 [ user t ]
user tさん
『白昼の通り魔』は観ていないですが、『青春残酷物語』も良かったです。『絞死刑』は、昔観ましたが、自分にはすでに難しかったです。
2009/4/18(土) 午後 9:12
ここに出てくる大阪は、日本ではなくて、完全にアジアですね。
2015/7/30(木) 午前 9:42 [ sas*id*201* ]
sas*id*201*さん
もう無茶苦茶の世界、日本にもこういう時代があった。どこかにはまだある気がします。ごちゃまぜ熱いアジアとも言えますね。
2015/7/31(金) 午後 11:00