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有りがたうさん 2009年4月11日、神保町シアター「昭和の原風景」にて。 1936年度作品。 脚本:清水宏 出演:上原謙/桑野通子/石山竜嗣 馬車や人とすれ違って道を譲ってもらうとき、いつも「ありがとう↗」(語尾が上がる)と声をかけることから、"有りがたうさん"と呼ばれていた乗合バスの運転手。昭和始めの伊豆を舞台に、様々な人がバスに乗り、降りていく。そんな人々の触れ合いを描く。 この映画の前に「按摩と女」を観てしまっていて、あまりにその映画の素晴らしさに圧倒されてしまっていた。 その後に観たため、この映画の印象はあまり強いものではなかった。 先に観るべきだった。惜しいことをした。 すべて、オールロケで作られた日本で最初の作品。 映画は、バスが淡々と走っていく様を写す。 わざわざバスを止めてレコードを買うことをお願いする女性がいたり、子供がバスの後のバンパーにへばりついて無賃乗車してもありがとうさんは何も言わなかったりと、ほのぼののんびりとした風情がある。 でもそうとも言い切れない話もあり、東京に売られていく娘と母親、金儲けに失敗した男、訳ありの女、髭を生やしたイヤミな紳士なんかも登場する。当時の農村の姿がそこにあるのかも。 突然、道路脇に白装束の人間がたくさん現れる。 宗教団体かと思いきや、朝鮮人たちが土木工事が終わったので、また違う工事現場に向かうのだそうだ。 自分らは工事が完成したものを見たことがないと呟く。 特に誰かに感情移入するわけでもなく、ストーリーを強調するわけでもなく、映画はあくまでもバスとその人々を淡々と写す。 この映画、清水宏監督の特徴的である映像で映画を表現しようと試みている。 上原謙は男前のさわやか青年。
一方、桑野通子(桑野みゆきのお母さんらしい)は、対照的に棒読みのセリフですれた女を演じている。 |

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確かに、清水監督の実験的な試みが強く出ている映画ですね。
台詞は濃淡を与えずにある意味棒読みであるが、それが映像を際だ出せていますね。
2009/4/26(日) 午後 6:43 [ ひろちゃん2001 ]
ひろちゃん2001さん
清水宏監督の作品を何本か観ましたが、映像を主体とした映画作りは面白いですね。
2009/4/26(日) 午後 10:55
清水映画には興味があります。これも前々から観たいと思いながら、今のところ機会に恵まれていません。独特の感性が出ていそうですね。
2009/4/27(月) 午前 7:07
ヒッチさん
この映画もそうですが、私が観た中では「按摩と女」「簪」「有りがたうさん」がいいです。機会があれば、ぜひとも。
2009/4/27(月) 午後 11:51
私も「按摩と女」を先に見ました。
しかし、「有いがたうさん」の方が内容はありました。
やはり、特別な感性の映画ですが、すばらしいと思いました。
TBさせてください。
2013/4/23(火) 午前 10:03
ギャラさん
そうでしょうね、「按摩と女」はどこかPV風でした。またそこがいいのですが。まず「按摩と女」の峠を歩くシーンに驚きました。「有りがたうさん」 はある意味凄い映画だと思います。オールロケの無理のない自然な斬新さはもう一度観たいと思います。
2013/4/24(水) 午前 1:01
TB、有難うございました。
「すべて、オールロケで作られた日本で最初の作品。」そうだったのですね。
素晴らしいカメラワークだと思いました。
監督とカメラマンとの息の合い方、見事です。『按摩と女』でも感じた事でした。
超ハンサムな上原健を運転手に配したこと、
セリフがほとんど棒読みだった事、
それらによって、どこか「現実」から少し離れた世界が、映画の中に創り出されているように思えました。
2014/6/26(木) 午後 10:55
alfmomさん
セリフが棒読み、オールロケも含めて、現実離れした世界感が見えますね。カメラワークが面白いです。もう一度観たいな。
2014/6/28(土) 午後 7:12