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2009年5月9日、船堀シネパルにて。 2008年度作品。 脚本:J・マイケル・ストラジンスキー 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、エイミー・ライアン、
コルム・フィオーレ、ジェフリー・ドノバン、マイケル・ケリー
ネタバレあります。1928年。ロサンゼルスの郊外で、9歳の息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)。だがある日突然、クリスティンの勤務中に、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5か月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た、見知らぬ少年だった――。警察にそのことを主張すると、彼女は「精神異常者」として精神病院に収容されてしまった。この事件の背後には当時のロサンゼルス市警察の恐るべき体質が隠されていた。 いきなり、些細な箇所だが、1928年当時、電話交換手がローラースケートを履いていたのが、気になった。歩くより走らないといけないほどに忙しいということかな。珍しい光景だった。 アンジェリーナ・ジョリーの息子が行方不明となり、5か月後に見つかって帰ってきたが、見ず知らずの子供だった。ミステリー自立てに始まり、そのうち警察の陰謀であることが浮き彫りにされていく。 子供への愛情のドラマから警察という国家権力への社会派ドラマへとさりげなく物語が移っていく様は見事です。 精神病院に無実の罪で入院させられた女性が院長をぶん殴る反骨精神は、昔の映画で観たような、そんな映画へのオマージュか。 そして、意外な展開へと進み、大量誘拐殺人事件自体は解決するが、息子はもう帰ってこない。 社会派ドラマから母親の悲しみのドラマへと深く帰ってくる。 その後、同じように誘拐された子供が生きて発見される。 その子供は、息子と犯人から逃げたことを説明する。 そのあと殺されたかもしれないが、彼女は「これでやっとはっきりしたことがある。それは希望です」と警察官に言う。 そして息子への希望を感じながら、彼女は雑踏の中へ消えていく。 ねたみもなく、彼女の人間としての大きさを感じたが、現実は厳しく辛く、実話なのでその後息子は見つからなかったことがテロップで流れる。 このテロップを見せることの残酷さはいったい何だろう。 彼女は、その希望を抱いてその後の人生を過ごしたと思うと、あえてこのテロップで、結果を伝えることで、人の人生、命のありようを考えてしまう。 殺人者の恐怖におびえながらの絞死刑も延々と写しだす。 彼は最後まで息子を殺したのかどうかも彼女に言わなかった。 いや、怖くて言えなかったのかもしれない。 アンジェリーナ・ジョリーの演技には圧倒された。
発狂寸前の演技や精神病院の友人を助けた時に見せるかすかな微笑み、希望を見出した時の表情など、とても印象に残っている。 |

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サスペンス風の物語も、警察の腐敗も、はたまた残虐な事件も、すべてが実話ということで、
怖い部分も、悲しい部分もあるのですが、アンジーの代表作になる素晴らしい演技でしたね。
2009/5/20(水) 午前 0:57
ふぁろうさん
親として自分の子供がこんなことなったら気が狂うかもしれない。殺人者との面接で、「相手を地獄へ落ちろ」と叫ぶだけで終わらないかもしれない。そんな思いで観ていました。アンジェリーナ・ジョリーは迫真の演技でした。
2009/5/20(水) 午後 10:52
警察とそれに加担する医者たちのすさまじいほどの横暴ぶり。一方では、教会関係者や市民の正義との対比が面白かったですね。TBお返しさせてください。
2009/5/21(木) 午前 0:26
まだ見ていない作品です。見ようと思っていますので、フィルターをかけてザーッと読み流しました。
見てからまた訪問します。
2009/5/21(木) 午前 1:35
気が狂ってしまえるならその方がどんなに楽か、と思えるような状況でも、「もしも息子が帰ってきたら…」という希望だけを胸に
闘い抜いた女性…切ないです。
TBありがとうございました。
2009/5/21(木) 午後 6:01
fpdさん
病院の看護婦の冷たい態度は怖かったですね。その対比で彼女を助ける教会のジョン・マルコヴィッチや歯医者、学校の先生に救われる思いでした。
2009/5/21(木) 午後 10:25
alfmomさん
イーストウッドは面白いですね。コメント楽しみにしています。
「グラン・トリノ」も観たいです。
2009/5/21(木) 午後 10:27
さわらびさん
赤い口紅が、彼女のこれまでの生きてきた強い意志をあらわして印象に残っています。彼女は希望を持っているのに、観る側は結果が分かっている、あまりに切なすぎますね。
2009/5/21(木) 午後 10:31
アンジーは演技派にチェンジしましたね
2009/5/24(日) 午前 0:06 [ きらきらくん ]
くろさわさん
アクション女優の印象が強かったんですが、この映画では見事な母親の悲しみと強さをあらわしていましたね。
2009/5/24(日) 午前 0:34
そうそう、ローラースケート、斬新でしたね!
アンジーの演技は巧みでした。
キャリアウーマンとして自立したクリスティン同様、息子も気概があったことが、クリスティンの希望につながっていきましたね。
2009/9/15(火) 午後 0:10
ちいずさん
映画とは全く関係ないんですが、ローラースケート不思議でした。丁寧な時代設定面白いですよね。アンジーが息子を誇りに思うことと見つからなかったテロップで、観ている方は余計に悲しみで涙ぐんでしまいました。つらかったです。
2009/9/15(火) 午後 10:46
前回訪問した時に、この記事をきちんと読んでいなくてよかったと思いました。
とてもよくまとめられていて、私もシーラカンスさんとほとんど一緒の気持ちで鑑賞したことが、
しっかり伝わってきました。
「ローラースケート」に驚いたのもその一つでした。
実話だからこその、最後のテロップ。
あの言葉でこの作品はより「引き締まったもの」になった気がしました。
ラスト直前で彼女が口にした「希望」と言う言葉も印象的でした。
叶わないかもしれないけれど願い続けて生きていく…
それが「人生」なのだと、
私にはとても納得できるラストになっていると思いました。
たくさんの“共感”に「ポチ!」です。
2009/11/5(木) 午前 5:17
alfmomさん
ありがとうございます。私も最後のテロップがあまりに残酷で、でも希望を持って生きていかざるをえない深い悲しみに胸が痛みました。このコメントを書いていてまた思いだして、涙が出そうです。
2009/11/5(木) 午後 10:44
これが実話にもとずいているということが、なんとも言えず胸を締めつけます。アンジーのかすかな微笑みはほんとうに深いものが伝わってきましたね。
TBさせて下さい。
2010/10/4(月) 午後 10:29 [ あきりん ]
あきりんさん
そうですね、実話なんですよね。あまりに辛く過酷なラストなテロップに、アンジーのかすかな微笑みがより深い悲しみになってしまいました。
2010/10/4(月) 午後 11:18
おぉ、船堀でご覧ですか。 自分もその近辺に住んでますよ〜。^^
監督の巧さをじんわり堪能できる映画でしたね。 アンジーの演技もお見事でした。
TB、お願いします〜。^^
2010/10/27(水) 午後 11:36
サムソンさん
ええ〜、そうなんですか!、親しみわくな〜。船堀シネパルは木曜、江戸川区民なら1000円で観れます。また夜タイムは1200円とお安いです。ただスクリーンが小さいのが難点です。もしよかったらどうぞ。いつも観客は少ないので、潰れるんじゃないかと心配です。イーストウッドは過去の映画をうまくアレンジして自分なりの映画に溶け込ませていますね。アンジーの強さと弱さがうまかったですね。
2010/10/27(水) 午後 11:55