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2009年5月21日、神保町シアター「日本映画★近大文学全集」にて。 1938年度作品。 脚本:三村伸太郎 出演:長谷川一夫、入江たか子、藤原釜足、滝沢修 タイトルだけ観ると恋愛ものかと思いきや、思いきり芸道ものでした。 「芸のためなら女房も泣かす♪」そんな一途な芝居芸人のお話。 新しい演目の芝居の所作がうまく出来ない藤十郎(長谷川一夫)は、たまたまそこに昔からの茶屋の未亡人(入江たか子)がいて、ふと芝居のセリフを使い、その女に嘘の恋心があることを告げ、相手の反応を観て、芝居に役立たせる。 そして、未亡人はずっと昔から長谷川一夫が好きで、ウソであることにショックで自害する。なんともショッキングな話。 長谷川一夫が、普通の顔からうその告白をする時の表情の移り変わり、そして相手がそのことで泣き崩れたことで、はっと現実に戻り、動揺するシーンが圧巻だった。 それに答えるかのように、入江たか子の押し殺したような情感も見事だった。 初日の舞台の前に入江たか子が自害したことを長谷川一夫に知らせないようにすることや 死人よりも「芸」を優先するため藤原釜足が舞台の幕開けの打木をすることに、 芸に対する厳しさとそのための残酷さに複雑な思いだった。 入江たか子といえば「時をかける少女」のおばあさんを思い出す。
わずかなセリフだったが、寓話の映画の中で、古き時代を感じさせてもらった。 |

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私は入江たか子というと「椿三十郎」の奥方様か「廃市」のお婆ちゃん役です。昨年「滝の白糸」という若いころの映像を観ましたが、現代にも通じる美形でしたね。この映画の少し前のサイレントです。
2009/5/25(月) 午前 5:43
ヒッチさん
「廃市」も観たんですが、残念ながらあまり記憶に残っていません。
「滝の白糸」は観ていないですが、溝口監督の有名な映画ですね。
機会があれば観てみたいです。
2009/5/25(月) 午後 10:00
私も入江たか子と言えば「椿三十郎」です。
あの存在感。娘役の団令子と共に醸し出す不思議なリズム。実に見事でした。
長谷川一夫、藤原釜足、滝沢修・・・この豪華な配役、惹かれますね。
2009/5/25(月) 午後 11:37
alfmomさん
皆さん「椿三十郎」でしょうね。入江たか子と団令子のコンビのユッタリズムで三船敏郎と好対照でした。見方によっては、なんちゅう自分勝手な主人公とも思えます。
2009/5/26(火) 午後 9:48