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9話からなるちょっと怖くて切ない短編集。 礼金なし、管理費なし、家賃は3万3千円。失業中のサラリーマン恵太が引っ越した築35年ボロアパートの押入れから、ある晩小さな先住者が現れた。名前は「ちよ」、生まれは「明治39年丙の午」、特技は「相学」、死因は「口減らし」……愛らしく不憫な幽霊との奇妙な同居を描いた表題作。 「お母さまのロシアのスープ」 「コール」 「押入れのちよ」 「老猫」 「殺意のレシピ」 「介護の鬼」 「予期せぬ訪問者」 「木下闇」 「しんちゃんの自転車」 「押入れのちよ」「コール」「しんちゃんの自転車」は怖いというより切ない系の話。 ちよは、「なかよし小鳩組」に登場した杉山の娘の早苗ちゃんの愛嬌さがダブる。 「お母さまのロシアのスープ」は、不自然な描写ですぐ結末がわかってしまった。解説に書いてあったように、この作者が伝奇小説、幻想小説を読みあさっていたことがうかがえる。あまりこの手の話は好きではない。 それにしても、そもそも、自分はあまり怖い話は好きではないのですが、「老猫」は徐々に増幅、侵食していく怖さが気持ち悪い。 「木下闇」も怖い。でもほんとに怖いのは人間の方かもしれない。 「殺意のレシピ」「介護の鬼」「予期せぬ訪問者」は、ギャグっぽく笑えそうで笑えないシュールなブラックユーモア。
寛容な気持ちで見ると、すべての話で、荻原浩のエンタテイメント性、作家としての幅広さは感じることはできた。全体的にはそこそこ面白かった。 |
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「押入れのちよ」は、笑わせた後、ちょっとしんみりさせて、最後は清々しく、荻原さんらしさが満載で、一番印象的で本書の中では一番好きな作品です。「しんちゃんの自転車」も、読後じんわりとしてきて好きです。
不気味さと切なさとユーモアが混在した幅の広い短編集でしたね。
トラバ返しさせてください♪
2009/6/4(木) 午前 11:01
金平糖さん
私も「押入れのちよ」が好きですね。笑いの部分を少し抑えることで、主人公の優しさをより感じることができました。全体では色んなパターンがあり盛りだくさんな短編でしたね。
2009/6/4(木) 午後 11:42
私は根が極悪なのでしょうか?ブラックな荻原さんが好みなんです^^;;もちろん表題作や「しんちゃんの自転車」(あ、金平糖さんと一緒だ^^)も好きですけどね。シーラカンスさんはホラーは駄目なのですか?これから夏ですし、克服しません?(笑)
こちらからもTBさせて下さいね。
2009/6/16(火) 午前 11:44
紅子さん
「押入れのちよ」「しんちゃんの自転車」は好きなほうです。でも、「お母さまのロシアのスープ」は荻原浩の残酷さを垣間見たようでなんかいやですね。昔読んだ「ぼっけえきょうてい」の短編すべてがほんと怖くてちびりそうになりました(笑)。
2009/6/16(火) 午後 11:24