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2009年5月23日、シネマヴェーラ「シナリオライター小國英雄のすべて」にて。 1940年度作品。 脚本:小國英雄 出演:片岡千惠藏、轟夕起子、廣澤虎造、澤村國太郎、志村喬、澤村アキヲ(長門裕之)、美ち奴、
常磐操子、瀬川路三郎、香川良介
舞台「森の石松」の初日を控えた演出家(片岡千恵蔵)が、「こんな稽古ではだめだ」と俳優に怒り狂う。さらに秘書(轟夕起子)にも八つ当たり。ふてくされて劇場でうたた寝してしまう。朝目覚めるとそこは幕末の清水港、千恵蔵は石松に、秘書は着物姿の町娘(轟夕起子)となり石松の恋人に。タイムスリップしていた。 おかしな行動をする石松に次郎長は、ちょっと旅でも行ってゆっくり休むように代参道中を言いつける。石松は、帰りに都鳥に殺されることを知っているので、嫌がるが、轟夕起子が御伴することで、旅に出かける。さて、石松になった演出家はこれからどうなるのか。 楽しかったです。 タイムスリップという設定は、この時代では珍しかったのでは。 演出家が目覚めると石松になっていた時の慌てぶり、数時間で東京まで行けるといったセリフもおかしい。 先に「東海一の暴れん坊」の映画を観ているので、その映画と比べて観れたこともよりこの映画を楽しめたのかもしれない。 廣澤虎造がいい。有名な虎造の十八番「寿司食いねえ」のセリフを、虎造相手に千恵蔵が言うのが滑稽。こうして、この有名なシーンを観れたことに感謝。「東海一の暴れん坊」にはなかったですから。 そういえば昔、祖母が朝早くに、大きな音を出してラジオで浪曲を聴いていたのを思い出す。 小松村七五郎を演じた志村喬も最高におかしい。 「暑い。暑い。」と言いながら、くしゃみをしながら志村喬が上半身裸になっている。 お金がなくて、でも弟分の石松のために着物を質屋に入れたため着物がない。そのお金でお酒を買うが、一升もないので、水で薄めて水増しする。「まずいねえ」と虎造が突っ込みを入れると、「うまい。こんなうまい酒は飲んだことがない」と石松が気を使う。七五郎の家では、万事この調子で3人の掛け合いのセリフが楽しい。 そして、やがて近づく、都鳥の騙し打ちをどうするのか。逃げれば歴史が変わるのか。 ラストは、予想どおりの結末でちょっと物足りなかった。 ラストさえ違う展開になっていれば、傑作なんだけどなあ。 しかし、こんな面白いシナリオを書いたのは、誰? ・・・ということで今回の特集「シナリオライター小國英雄のすべて」となる。 小國英雄さんは、「生きる」から黒澤映画のほとんどの映画に共同脚本で参加した。 「生きる」で主人公がブランコに乗り「ゴンドラの唄」を歌うアイデアは小國英雄さんが出したらしい。 黒澤監督いわく「シナリオの魂」だという。 宇宙人から時代劇、ミステリーなど幅の広い映画のシナリオを書かれている。 この映画でも、自由な発想で森の石松にSFっぽいストーリーを加味した楽しいお話になっている。 全然違う話ですが、若いころの片岡千惠藏は、ジャイアンツの小笠原に似ていた。
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これは確か以前NHKのBS衛星映画劇場でやってましたね。録画に失敗したので記憶があります。小國英雄といえば黒澤映画の印象が強いですけど傑作は他にもありますね。脚本家に注目した企画面白そうです。私は橋本忍特集を観てみたいです。
2009/6/3(水) 午前 6:01
タイムスリップの場面転換は面白勝ったですね、
子役の長門は澤村アキヲというのですね。ほんとに鼻が特徴ですね。
2009/6/3(水) 午後 0:41 [ koukou ]
ヒッチさん
生涯に手がけた脚本は300本らしいです。その数だけでもすごいですね。この映画も楽しい映画でしたよ。私も橋本忍特集を観てみたいです。ヒッチさんのお気に入りは「切腹」でしたっけ?
2009/6/3(水) 午後 11:16
koukouさん
あとで調べて長門裕之だとわかったんです。とても残念です。
この映画は、この時代には珍しく自由でSFっぽく楽しませてくれましたよね。
2009/6/3(水) 午後 11:19
こんばんわ。
この映画、「弥次喜多道中記」と並んで小國英雄とマキノ正博(正雅弘)が組んだ作品の一つ何ですよね〜。
マーク・トゥエインの「アーサー王宮廷のコネチカット・ヤンキー(夢の宮廷)」に通じる作品で、タイムスリップって発想が斬新でビックリです。
私は同じく小國英雄と組んだ「婦系図」「昨日消えた男」「幽霊暁に死す」も大好きです。早くDVD化しないでしょうか・・・。
2014/9/28(日) 午後 7:38 [ すかあふえいす ]
scarfaceさん
この映画も好きですえ、当時は斬新でユニークだったと思います。小國英雄とマキノ正博(正雅弘)の作品はいつも気をつけて、観るようにしています。「幽霊暁に死す」は未見です。見れることを楽しみにしています。
2014/9/29(月) 午後 10:08
返信です。
「幽霊暁に死す」はホラーテイストのコメディとも言うべき作品で、ルネ・クレールの「幽霊西へ行く」みたいな作品です。
もう一つ私の大好きな「血煙高田馬場(決闘高田の馬場)」みたいに疾走する場面とか、中々面白い映画でした。
長谷川一夫と轟夕起子が共演、戦後の作品です。
2014/9/29(月) 午後 11:51 [ すかあふえいす ]
scarfaceさん
「血煙高田馬場(決闘高田の馬場)」は昔から観たい映画で、どうしても機会が合わずに、見逃しています。いつの日か観れることを楽しみにしています。
2014/10/1(水) 午後 10:40