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十三人の刺客 2009年9月3日、フィルムセンターにて2回目鑑賞。 1963年度作品。 監督:工藤栄一 脚本:池上金男 出演:片岡千恵蔵、内田良平、里見浩太朗、嵐寛寿郎、西村晃、山城新伍、菅貫太郎、丹波哲郎、 河原崎長一郎、三島ゆり子 この映画は来年リメイクされるそうだ。 それぐらい、オリジナルは魅力的な映画です。 お薦めです。 将軍の弟で明石藩主である暴君(菅貫太郎)を抹殺するべく、刺客が送られた。13人の暗殺隊は宿場を出口のない迷路に作りかえ、数に勝る明石藩の武士たちを迎え撃つ。やがて宿場に到着した獲物と刺客たちの壮絶な死闘が始まった…。 明石藩の武士たちがどこに行ったのか一時不明になる。 宿場町で待ち伏せしている13人の刺客たちは混乱する。 そこへ宿場の入口で、朝もやの中、馬の蹄の音だけが響く。 明石藩の武士たちの姿はまだあらわれない。 馬の蹄の音だけが少しずつ大きくなる。 まだ姿は見えない。 2回目の鑑賞であっても、このゾクゾク感はたまらない。 このシーンだけでこの映画、満足です。 まあそれだけではなんですから、それ以外も気になることをコメントします。 まず明石藩の江戸家老が、上申書を持って切腹したところから映画は始まる。 自らの命をかけて明石藩主(菅貫太郎)の暴君ぶりを訴えてのこと。 その菅貫太郎がすけべで、残忍で身勝手な暴君ぶりがいい。 参勤交代の宿場町で、宿屋の妻(三島ゆり子)を手ごめにし、その夫(河原崎長一郎)を否応なしに切り捨てる。そのあと妻は自害。 さらに、上申して切腹した江戸家老の家族全員、子供も含め自分で切り捨てる冷酷さ。 老中(丹波哲郎)は、明石藩主(菅貫太郎)が将軍お弟であり来年老中になることが決まっているため、隠居もさせられない。しかたなく、裏で目付(片岡千恵蔵)に暗殺を命じる。 こんなやつは殺されても当たり前だということを観客は感じる。 だから暗殺者たちに応援の気持ちが沸く。 その気持ちをあざ笑うかのように、菅貫太郎の藩主に仕える武士(内田良平)が切れ者で、暗殺を察知し、江戸から明石藩まで戻る行列を強化し、防御を固める。 暗殺者片岡千恵蔵と明石藩主内田良平の頭脳戦が面白い。敵は利口で強いヤツでないとね。 ということで、後半は迷路のように作り変えた宿場町で待ち伏せした暗殺軍団と明石藩の壮絶な死闘。 十三人全員の暗殺者が集まるエピソードは希薄で、片岡千恵蔵、里見浩太朗、西村晃の話だけに限られている。戦う集団が十三人だというだけで特にそれぞれのエピソードは必要ないという判断だろう。 片岡千恵蔵、里見浩太朗、西村晃のエピソード、また敵の内田良平から浮かび上がってくるのが、藩主であり上司に仕える「侍」、さらに虚しさという言葉。 片岡千恵蔵も上司老中(丹波哲郎)の命令で命をかけることを決意。 特に侍の愚かさを表しているのが、西村晃。
剣の腕前はすごく、ニヒルに敵を殺し続けていたが、戦いの中で刀を折られた瞬間に、情けないほどにあわてふためき哀れな最後を遂げる。 ラスト、敵の侍が逃げ切って田園の中で叫ぶ姿もあわれ、工藤栄一の真骨頂か。 侍の愚かさにスポットを当てなくても、この映画の娯楽性は抜群にずば抜けている。 |

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ご訪問、TB、誠にありがとうございました。
来年、リメークされるのですか、初めて知りました。情報ありがとうございます。
優しい時代と言われながら、実は、優柔な時代にも感じられます。そんな中、このような”ズシッ”と重みのある映画を期待しますね。
2009/9/13(日) 午後 11:00
これは面白かったですね。私も傑作だと思います。全く同じシーンでゾクゾクしました。また、十三人という人数に少々引っ掛かった点も同じです。それぞれのキャラクターが混乱せずに1本の映画におさまるのは「七人」が限界なんでしょうかね。
2009/9/14(月) 午前 6:47
シーラカンスさん、訪問コメント、TBありがとうございました。
この映画昭和38年の、このようないい時代劇も最後だったかもしれませんね。
もう一回みてみたいですね。
2009/9/14(月) 午前 7:41
kokoさん
コメントありがとうございます。
暗殺集団を主人公にした日本映画の中でも特異な映画だと思います。観応え十分でした。「カムイ外伝」に期待しています。
2009/9/14(月) 午後 9:18
ヒッチさん
同じシーンで感動できたこと、うれしいですね。相手が53人ということで十三人にしたのではないでしょうか。暗殺集団なので、侍のおろかさが伝わる数人だけのエピソードだけでいいという脚本家の判断ではないでしょうか。あえて言うともっとエピソードを削って暗殺者のおろかさも追加する脚本であっても面白かったんではないかと思います。東映の看板俳優のための用意されたエピソードのようにも感じます。
2009/9/14(月) 午後 9:29
ちっごがわさん
コメントありがとうございます。
いや、すごい映画でした。リアリティ、頭脳攻防戦を取り入れたすばらしい脚本です。リメイクする三池崇史監督にも期待したいです。
2009/9/14(月) 午後 9:38
↑ちっごがわさんが来ていますね。こうして、映画ファンの輪が広がって、このブログも楽しくなります(爆)。
肝心の「十三人の刺客」は未見です。侍映画は、黒澤監督以外はあまり見ていません(苦笑)。
2009/9/15(火) 午後 3:16
fpdさん
ちっごがわさんって有名な方なんでしょうか。この映画はいいですよ。レンタルにもあると思いますからぜひ機会があれば。お薦めです!
2009/9/15(火) 午後 10:50
いや~、面白かったです。久し振りに本格的時代劇を見ました!
2010/5/18(火) 午後 8:13
yapooさん
コメントありがとうございます。
この映画、面白かったですよね。ワクワクするような興奮と冷静な目線と侍のむなしさが見事でした。まさに群衆本格時代劇ですね。
2010/5/18(火) 午後 10:15
今度はスクリーンで見てきました。やはり傑作ですね。あらためて、朝もやの中、明石藩一行の馬の蹄のシーンではゾクゾクしました。TBしておきます。
2010/6/19(土) 午前 8:23
ヒッチさん
わざわざコメントありがとうございます。
ほんと、この映画傑作です。ゾクゾクさせてくれる映画はなかなかないです。
2010/6/19(土) 午後 10:37
私は三池版を見てからこの工藤版を見たのですが、どちらも充分に面白かったです。
おっしゃるように、立場の違いはあれ、片岡千恵蔵も内田良平も仕える者としての武士という点では同じでしたね。
TBさせてください。
2013/10/17(木) 午前 0:05 [ あきりん ]
あきりんさん
どうしても先に観た方の印象が残りますね。映画との出会いもまさに一期一会。敵が賢くないと主役のやる気がでない、ですね。
2013/10/17(木) 午後 10:38