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溝口健二「浪華悲歌」

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浪華悲歌
2009年9月13日、フィルムセンターにて。

1936年度作品。
監督:溝口健二
脚本:依田義賢
出演:山田五十鈴/志賀廼家弁慶/梅村蓉子/竹川誠一

あらすじ・・・
家族を助けるため愛人となったのをきっかけに社会から孤立するヒロインを、山田五十鈴が毅然と演じる。美貌の電話交換手のアヤ子(山田)は、会社の金を横領した父親を助けるために自分の勤める会社の社長の愛人になる。その後社長と切れるが、今度は兄の学費を捻出するため昔の恋人と組んで美人局をしようとする…。

溝口健二監督と脚本依田義賢の初めてのコンビらしい。
この映画を観る前の先入観は、まず溝口健二、浪華悲歌、山田五十鈴のキーワードからリアリズムの女の悲しいドラマということ。

しかし、先入観はすぐにうれしい裏切りに会った。
映画が始まるとともに、もっちゃりした、セコイ主人の大阪弁がすべてを物語っていた。
関西人依田義賢の大阪弁のニュアンスがなんとも笑える。
そういう意味ではこの映画は依田義賢の個性が際立った映画かもしれない。
大阪弁の冗談とも本気とも言える捨てゼリフ、漫才のようなボケと突っ込みに自分だけが笑っていた。
フィルムセンターという場所はどうも他の映画館とは観客層が違うようだ。
神保町シアターだったらもっと親しみのある笑いが起きてるはずだ。
もっと、映画は楽しんでほしいな。

さて、その後、全編を通して、溝口健二監督独特の緊張感とは違う雰囲気が漂った。
そんなに溝口監督作品は観ていないが、この監督が笑いのある映画を作るとは想像できなかった。
まあラストで山田五十鈴の顔アップで自立めいた印象で締めくくったところが溝口健二監督らしいかも。

それでも、まだこの映画では、家族の借金を返すために妾になる、恋にこがれ捨てられるといった、まだ女性が自立できていない受け身的な中途半端な時代の映画のような気がする。
家族のためにしたことが家族から全く感謝されないどころか報われない、一歩間違えばお涙頂戴映画になりそうなところだった。
この映画の続きがあれば、自立した女のドロドロした溝口健二監督らしい映画になっていたのではと感じてしまう。

でも、この映画の雰囲気は自分は好きです。
山田五十鈴はふてぶてしさと可愛さを見事に画面から伝えてくる。すごい女優です。

閉じる コメント(2)

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そうそう、もっちゃりしてました。親しみのある笑いと感じられたのは大阪人のシーラカンスさんらしいところですね。分かりますよ。この映画の山田五十鈴には力強さを感じました。

2009/9/26(土) 午前 8:08 ヒッチさん

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ヒッチさん
この映画観られてたんですね。まだ若いのに山田五十鈴の存在感はすごいの一言ですね。全体的に大阪弁の雰囲気があり、この映画は好きですね。

2009/9/27(日) 午前 0:45 シーラカンス


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