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2009.11.19 解説によると・・・ 真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。 毎日昼3時15分になると、主人公は過去(昨日)に戻っていく不思議な現象。事故のせい? 主人公は「くるりん」と呼ぶ。 人が誰もいない。 世界の中でただ一人。 孤独。 主人公のセリフとそれに反応するかのようなもう一人(主人公の意識の声?)のあいの手。 この作り方はどうも苦手だなと感じていた。 そして150日、その単調な繰り返しの日々にもそろそろ読み厭きてきた。 途中で止めようかと思った。 この調子では最後まで読み切る自信がない、と思っていたら・・・、いきなり急転。 男から電話がかかってきた。 不思議な世界と現実の世界を結ぶ電話。 主人公は現実の世界では、事故のあと意識がなく病院のベッドで寝ていることがわかった。 色んな話をしていくにつれ、主人公はその男の人が好きになる。相手も主人公が好きになる。 ふと、主人公は考える。 現実の自分が死んだら、不思議な世界の自分はどうなるんだろうかと。死ぬのだろうか。 現実の自分が意識を取り戻してその男性と仲良くなったら、不思議な世界の自分は電話を切って身を引かねばならない。 そうなると、もう現実の世界に戻れず、一人この世界で生きていかねばならない。辛い。 そもそも、その男性は本当に現実の男なのか、自分の妄想で作りあげた男かもしれない。 あるきっかけで不思議な世界でも、あるイヤな男と出会ったが、そのイヤな男が一瞬にして消えた。 現実の世界でイヤな男が死んだのだ。 死を意識すると生きていることが愛おしくなる。
ラストは見事はハッピーエンド。 「・・・ただいま」の最後のセリフが素晴らしい。 よかった。 |
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前作の「スキップ」よりは落ちますが、私も好きですね。
こちらは解決がありますね。
2009/11/29(日) 午後 7:28 [ ひろちゃん2001 ]
ひろちゃんさん
「スキップ」とはまったく違ったモチーフで孤独、死を考えさせられた本でした。「時と人シリーズ」、あと残るは「リセット」です!
2009/11/30(月) 午前 0:15
東野圭吾さんの「パラドックス13」を読んだ時、本作を思い出しました。違う明日が訪れると知っているから、どんなに辛い毎日であろうと、人間は生きていられる気がします。
トラバ返しさせて下さいね。
2009/12/3(木) 午前 6:04
金平糖さん
「違う明日が訪れると知っているから、どんなに辛い毎日であろうと、人間は生きていられる」、ああ、実感ですね。なんか期待というか希望みたいなものがあるから生きられるんでしょうね。東野圭吾さんの「パラドックス13」ですか、メモしときます。
2009/12/3(木) 午後 11:18
ご無沙汰しています。
この作品はかなり昔に読んだのですが、とても印象的だったので
今でもよく覚えています。
映画化もされていて、よくできていたと思います。
2009/12/7(月) 午後 11:38
晴子さん
コメントありがとうございます。生、死、孤独、恋、色んなことを感じさせてくれた小説でした。ラストの終わり方が秀抜でした。助かってよかった。映画にもなっていたんですか、知りませんでした。
2009/12/8(火) 午前 0:13
北村さんの作品は文章そのものが好きなんです。それに美しいストーリーが加わり、極上の作品へ。特にこの「時と人の三部作」は読みながら自分の生活を見直すきっかけになりました。当たり前に生活できるって素晴らしいんですね^^
TBさせて下さいね♪
2010/1/12(火) 午後 11:01
紅子さん
わざわざコメントありがとうございます。
ありふれた日常生活の中で、ふと、大事なことを感じさせてくれるいい小説でした。純粋な人物像は美しい文体とよくマッチしています。
2010/1/13(水) 午後 9:36