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飢餓海峡 2009年10月25日、神保町シアター「思い出は列車に乗って」にて2回目観賞。 1965年度作品。 監督:内田吐夢 原作:水上勉 脚本:鈴木尚之 音楽:冨田勲 出演:三國連太郎、左幸子、伴淳三郎、高倉健、加藤嘉、三井弘次、沢村貞子、風見章子、藤田進 すごい映画だった。 内田吐夢監督の魂がこもったような映画。 珍しく、映画が終わると同時に観客から拍手がおこった。 思わず自分も拍手しそうになった。 それぐらい心に沁みる映画でした。 一つの事件を巡って、犬飼多吉(三國連太郎)、八重(左幸子)、弓坂(伴淳三郎)、そのそれぞれ異なる3人の一生を味わえたことが幸せ。 ネタバレあります。 解説・・・ 昭和22年9月20日10号台風の最中、北海道岩内で質店一家3人が惨殺され、犯人は放火して姿を消した。その直後嵐となった海で、青函連絡船の惨事が起き、船客530名の命が奪われた。死体収容にあたった函館警察の刑事弓坂(伴淳三郎)は、引取り手のない2つの死体に疑惑を感じた。船客名簿にもないこの二死体は、どこか別の場所から流れて来たものと思えた。そして岩内警察からの事件の報告は、弓坂に確信をもたせた。事件の3日前朝日温泉に出かけた質屋の主人は、この日網走を出所した強盗犯沼田八郎と木島忠吉それに札幌の犬飼多吉(三國連太郎)と名のる大男と同宿していた。 下北半島にたどり着いた犬飼多吉は、花街で杉戸八重(左幸子)と出会い、彼女のやさしさに安らぎを覚え、八重に大金を渡し、立ち去った。 それから十年、八重は舞鶴で心中死体となって発見された。 自分を愛してくれた唯一の人物を、自分が犯した過ちの苦悩を救ってくれた女を、過去の過ちが明らかになることを恐れて殺してしまった。 10年前の過ちを犯してからの彼の生活は嘘の人生であって、ひと時も安らぐことはなかった。 女を殺してしまったことを後悔し、大事な人、かけがえのない人を失くしたことにようやく気づいた犬飼多吉はまるで「道」のアンソニー・クインを見るようだ。 弓坂(伴淳三郎)が青函連絡船から杉戸八重のために海に向かって手を合わせて拝む。 犬飼多吉は、いきなり海に飛び込み、杉戸八重のもとへ。 その海の描写にかぶさって流れる巡礼歌がまるで二人の鎮魂歌のように聞こえた。 素晴らしいラストでした。 そして三國連太郎、左幸子、伴淳三郎の三人も素晴らしかった。 貧しい戦後日本の混乱期を描くドラマにも重なっているようにも思う。 三國連太郎は弱さと傲慢さを微妙に演じ、左幸子はその時代を健気に生きる女を、伴淳三郎は執念と心のこもった刑事を演じている。 時々流れるイタコが歌う巡礼歌が、この映画の不安定な気持ちを表している。
サスペンス風ではあるが、刑事の証拠は弱く、刑事と犯人のドラマとして見ずに、人間ドラマとして見たほうがいい。 |

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その二人の対照的な反応が良かったです。
八重さんの気持ちに同調して観ていたので
女性の無邪気で素直な笑顔と心が悲しかったですね。
とはいえ、学生時代に観たので今観たらまた感動が違うと思います。
また観たくなりましたね。
2009/12/8(火) 午前 0:11 [ - ]
ユメニさん
左幸子が八重のいじらしさを見事に演じていましたね。素晴らしい女優さんでした。3時間もあるので、覚悟して見てくださいね(笑)
2009/12/8(火) 午前 0:23
これ観て、左幸子さんが好きになり、増村監督の「暖流」や今村昌平の「にっぽん昆虫記」を借りた記憶があります。演技に引き込まれます。しかし3時間は凄いですね〜!でも拍手が起こるような映画なら眠くならないでしょうね!
2009/12/10(木) 午前 0:12 [ - ]
ユメニさん
増村監督作品は何故かほとんど観れてないんでよね。「にっぽん昆虫記」は観ましたが八重とは正反対の生きることにエネルギッシュな女でした。この映画3時間がまったく感じなくて、あっという間でした。特に左幸子と伴淳三郎の生き抜いた人生にどっぷりと感情移入してしまいました。もう一度是非是非。
2009/12/10(木) 午後 10:19
「ただいま貸し出し中。」いまだ借りれず残念ながらまだ見ていません。近々必ず見ますね。
2009/12/11(金) 午前 9:46
neproさん
「ただいま貸し出し中。」とはマニアックなファンがいるんですね。3時間もありますから、心して見てくださいませ。
2009/12/11(金) 午後 9:54
先ほど観終わりました。
改めて観たら、凄い作品でした。
まだ感動というか、
深い衝撃が頭と心から抜けないですね。ボーっとしてしまいます。
やり方が分からなかったんですが、なんとか出来たのでトラバさせてください〜^^
2009/12/15(火) 午後 11:37 [ - ]
ユメニさん
おお!観られたんですね。そうなんですよね、頭でどうこうという映画ではなくて、体で、なんか、そのすごさを感じる映画なんですよね。TBありがとうございます^^
2009/12/16(水) 午後 11:51
トラバ返しわざわざありがとうございました。
この映画の凄さは人に言葉で説明しようにも難しいですね。表現力が無いので。前回観た時は若すぎて何も分からないで「なんか凄いっぽい・・」という感想でしたが。
犬飼多吉の何とも言えない人物像、影、良心、残忍さ、哀れさ、哀しさ。言葉にするとしょうもないんですが、三國連太郎さんの表現力に絶句してしまいました。
そのそれぞれ異なる3人の一生を味わえた…も同感です。
伴淳三郎さんも凄かったですね。
物凄く心の深い処に響く映画で、他の映画の評価基準が色々変わりそうです。
長々とスイマセン。
2009/12/17(木) 午前 0:20 [ - ]
ユメニさん
いい映画は言葉にできないというか、言葉でつづるとどこかうそっぽくなってしまっていやになりますよね。この映画で感動したもので映画を観る価値観が変わるのもよくわかります。同感です!
2009/12/17(木) 午前 0:51
この作品、「ガーン」とくるシーンがいくつもあって、特にラストは凄いですね。犯人を捜査して一生かかっている伴淳さん、被害者の弔いを青函連絡船にて手を合わせ、ほっとした瞬間、犬飼多吉は飛び込んで…。
ラストシーンの”無常表現”が抜群に上手い内田監督。106事件とか話題性も多く、もし神保町シアターでやってくれたら一番みたいですね。若々しい高倉健さんも素敵です。
2010/12/1(水) 午後 10:40 [ moemumu ]
moe*u*uさん
この映画はすごい映画です。なんていうのか小手先の映画ではなく、魂の映画だと思いました。ラストの”無常表現”は、心がえぐられるとでも言えばいいでしょうか。何せすごいと一言です。神保町シアターでまたやると思います。その時は是非とも♪
2010/12/2(木) 午後 10:41
SL-Maniaさん
TBありがとうございます。この映画は魂を揺さぶる素晴らしい映画でした。
2011/9/10(土) 午前 10:47
まさに人間ドラマでした。北海道から舞鶴へ舞台を移すその距離が
罪を背負追って生き続けた人生の距離のようでした。
>映画が終わると同時に観客から拍手がおこった。
わかります〜これぞ映画!大傑作ですね
TB&ぽち
2011/9/12(月) 午後 2:29
ポニーさん
すごい映画でした。昔の日本映画の闇の時代らしいとも言える映画です。魂の映画ですね。
2011/9/12(月) 午後 10:56
この記事を読ませて頂いてからもう4年余りが経つのですね…
見て良かったです。色々な名優たちがこの作品に挑んでいますが、
この映画の配役が最高なのではないかと思います。
内田監督の演出も冴えていました。
「サスペンス風ではあるが、刑事の証拠は弱く、刑事と犯人のドラマとして見ずに
人間ドラマとして見たほうがいい」。仰る通りです。
そういう見方をしたからこそ、いつまでも余韻が残るのだと思います。
2014/5/7(水) 午前 1:15
こんばんは!!最初観ようか迷ったのですが・・・タイトルだけで
イメージが沸かず、時間も長かったのでちょっと躊躇しました。
しかし、あらすじを読んだら興味が沸いたことと、三國連太郎の
和歌かリリ頃ということで興味が沸いたことで観ることにしました。
結果、見て大正解。古くてもいつの時代でも感動できる素晴らしい
ヒューマンサスペンスドラマといえる作品に出会えました。
特に演技もそうですが、主要な俳優陣が話す方言がなんともいえない
魅力を醸し出していると思います。最初から、最後まであの方言に
ノックアウトされた感もありますね。私は。本当に良かったです♪
TBお返しします。
2014/7/16(水) 午前 0:00
エルザさん
大正解でよかったです、若い人でもこの映画の凄さが分かってもらえるだけで嬉しいです。昭和の時代の古めかしい映画、でもいい映画は時代を越えて生き続けるものですね。三國連太郎も左幸子も伴淳三郎も、彼らがしゃべる方言は生の息遣いがします。
2014/7/16(水) 午後 9:39
その骨太な物語、描き方に圧倒されました。
私はなんといっても左幸子にやられました。
TBさせてください。
2015/3/8(日) 午後 11:25 [ あきりん ]
あきりんさん
圧倒的に迫ってくる映画でした。もう素晴らしいというしかないですね。左幸子の情感溢れる姿も素晴らしかったです。悲しい映画ですね。
2015/3/9(月) 午後 11:17