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2009.11.2 百田(ひゃくた)尚樹、どこかで聞いたことがある名前だと思っていた。 調べたら、大阪のTV番組の放送作家。 いやそれより、その前に素人出演の伝説番組「ラブアタック」で、かぐや姫に愛の告白をする落ちこぼれアタッカーをやっていた。 そうそう、「ひゃくた」の名前だったような。 その人が小説を書くなんて。 ・・・とまあ、ローカルな昔話はこれぐらいにして。 「永遠の0(ゼロ)」というタイトルに興味があったので読んでみた。 感動作、よかった。 涙が止まらなかった。 ほんとに最近涙もろくて情けない。 内容(「BOOK」データベースより) 日本軍敗色濃厚ななか、生への執着を臆面もなく口にし、仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた…。人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎とフリーライターの姉・慶子は、太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。祖父の話は特攻で死んだこと以外何も残されていなかった。元戦友たちの証言から浮かび上がってきた宮部久蔵の姿は健太郎たちの予想もしないものだった。凄腕を持ちながら、同時に異常なまでに死を恐れ、生に執着する戦闘機乗り―それが祖父だった。「生きて帰る」という妻との約束にこだわり続けた男は、なぜ特攻を志願したのか?健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語。 日本が太平洋戦争をいかに戦ってきたかを祖父・宮部久蔵のストーリーを交えて元戦友たちが明らかにしていく。 それぞれ断片の戦いは知っていたが、空軍を中心に繋がった形で読むと流れがはっきりわかる。 歴史小説を読むかのように、アメリカとの戦いが展開される。 真珠湾攻撃、ミッドウェイ海戦、ガダルカナル、サイパン、マリアナ沖海戦。 ラバウルから千キロの距離もあるガダルカナル。 零戦でもラバウルから出発してガダルカナルに到着して、わずか10分戦ってまたラバウルに戻るしかない。零戦の燃料がもたないからだ。過酷。というより無謀な戦い。 8時間も飛ぶことが可能な零戦は優れているが、敵の恐怖を感じてその飛行機を操る人間の体力は持たない。なんという矛盾。 また、大本営(日本本部)はアメリカ軍二千人と見て、ガダルカナル島に千人の陸軍を送った。 アメリカ軍は一万3千人。 日本は五千人を送り込んだが、アメリカはさらに一万八千人を増強。 「もし、こうしたら日本は負けなかったかもしれない、油断と奢りだ」と元戦友は言う。 大本営(日本本部)がいかに、調査もなく場当たり的な戦いしかできず、安易な発想しかできないか。 結局三万人以上を投入し、二万人が死に、そのうち一万五千人が餓死した。悲惨。 なぜ飢えるのか、日本陸軍は作戦計画分しか食料を用意しないから。 戦いが延びると食料が足りなくなる。戦国武将が食料を重要視したのとは正反対。 将棋の駒のように使われた現場の兵隊は必死に戦った。 あまりに悲しい。 生き残った元戦友たちの戦後の苦労話も感動させられる。戦犯とののしられたこととか。 攻撃するには当時バツグンの零戦。 しかし守ることは考えていない戦闘機の構造。防弾板というものがないようだ。 撃たれると弱い。 日本という国が見えてくる。 アメリカのグラマンは攻撃だけではなく、守りを強固にした戦闘機。 アメリカという国家が推測される。 特攻。 大本営(日本本部)が考えた日本人を単なる道具(武器)として考えた攻撃。 死に行くだけで、生き残ることはゼロ。十死零生。 それも使い捨ての予備学生や予科練の少年飛行兵が選ばれた。 なぜなら、本土決戦のため、熟練搭乗員は温存されたからだ。 志願書を書くまでの心の葛藤。 「桜花」という人間ロケット爆弾もあったらしい。 こんな軍部上層部の非人間的な作戦で死んでいった人たちが哀れ。 日本軍の弱気、責任体制の皆無。 「全滅」という言葉を「玉砕」に置き換え、「退却」を「転進」に。 宮部久蔵の話。
ある時、空中戦でパラシュートで降りるアメリカ兵を撃った。 「アメリカは強い。彼の操縦技術は高い。彼を殺さないと、そのあとまた飛行機に乗って、日本兵を殺すだろう」。これが戦争か。 またある時は「妻のために死にたくない」という言は、「愛している」という言葉と同じだと元戦友は言う。 「敵を墜とすより、敵に墜とされないほうがずっと大事」「生き残ることができればまた敵機を撃墜する機会がある」 「死ぬのはいつでもできる。生きるために努力をするべきだ」 いったんは特攻を拒否した男。 この男の行動にも感動した。 |
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戦争は相手国との戦いだと思っていたのが実は日本軍は味方(軍首脳)からも攻められていた。戦いは先ず兵糧の確保からが常識では。それが現地調達、自分たちで何とかしろなんて。涙涙とともに怒りもわいてきた本でした。
2009/12/7(月) 午前 11:24
私のブログへ訪問&コメ&TBをありがとうございます。
早速私もTBさせて貰いに伺いました。
また良かったら遊びにいらしてください。
2009/12/7(月) 午後 5:44
neproさん
この小説を読む限り、日本の大本営本部は、戦争のいろはも、実践もわかっていない、机上の作戦をやっていたようにしか思えませんでいした。戦場で戦っていた兵隊が哀れでしようがないです。もう一度、靖国神社の横にある展示館に行って、どういう説明をしているか見てみようと思います。
2009/12/7(月) 午後 11:36
ちゃあさん
わざわざコメントありがとうございます。感動作でしたね。またおじゃましますので、よろしくお願いします。
2009/12/7(月) 午後 11:38
neproさん
お礼を忘れてしまいました。
お気に入り登録ありがとうございます。
大した記事は書いていないので、恐縮してしまいます。お暇なときで結構ですので、のぞいてやってください。よろしくお願いします。
2009/12/7(月) 午後 11:44
戦争の話なので、かなりダークでした。
この戦争の話って、私の祖父の時代とかなので、「そんなに昔じゃない!」って思うと、なんだか苦しくて・・・
当時の若者の思考回路とか、精神が少し怖くもありました。
「凄い!」の一言の小説かな。
2012/4/13(金) 午後 1:35
わぐまさん
長い感想ですいません。小説というより太平洋戦争の記録のように読みました。大本営の無策でどれほどの人の命が失われたかと思うと泣けてしかたなかったです。そんなに昔ではないんですよね。若者の精神をそういう方向に導くような教育だったんでしょうね。
2012/4/16(月) 午前 0:25
トラバありがとうございます。
いや感動しましたね〜
最後はウルウル泣きました。
泣ける本に出会えて嬉しいです。
2013/6/16(日) 午後 4:38 [ dalichoko ]
chokoboさん
すいません、コメント気が付かず遅れてしまいました。今更ながらいろんなことを感じさせてくれました。
2013/8/10(土) 午後 9:16
生きたいのに、生きたいと言えない時代。多くの若い優秀な人材を捨て駒にした件に、ポルポト政権の知識階級の大量虐殺を連想しました。
ほんの、68年前の出来事なんですよね。絶対に戦争反対と強く思いました。
トラバ返しさせてくださいね。
2013/8/13(火) 午後 3:09
金平糖さん
そう、死にたくないのに特攻に志願せざるを得ない、そんな1つの発想しかさせない。会社組織でもよくある独裁主義は、別に今の時代でもよくある風景で怖い部分です。周りから締め付ける思想統一というやつです。
2013/8/14(水) 午後 11:21