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幕末太陽傳 2010年1月23日、新文芸坐「南田洋子・長門裕之 映画の愛 愛の映画」にて3回目。 1957年度作品。 監督:川島雄三 脚本:田中啓一、川島雄三、今村昌平 出演:フランキー堺/左幸子/南田洋子/石原裕次郎/芦川いづみ/金子信雄/山岡久乃/梅野泰靖/岡田真澄/青木富夫/菅井きん/小沢昭一/西村晃/二谷英明/小林旭/高原駿雄 あらすじ・・・ 古典落語の“居残り佐平次”を下敷きに、幕末の品川の遊郭に居座り続ける、お調子者で狡猾なひとりの男を描いたコメディの傑作。明治維新を目前にした江戸の品川。ここに北の吉原と並び称される遊郭があった。その遊郭の一室で、勘定を気にする仲間3人を尻目に呑めや歌えの大騒ぎをしている男こそ、主人公佐平次(フランキー堺)。この男、実は懐には一文の銭も持ち合わせていないのだが……。 以前に2回観ているが、自分が観たかった「近松物語」と2本立てだったので、3回目を観た。 何回見ても面白いですね〜。 飽きないですね〜。 主人公(フランキー堺)が、軽やかに要領よく動きまわるテンポのよさ。 色んなエピソードをまとめ上げるスピード溢れる物語の展開。 それに登場人物が個性豊かでおかしなやつばっかり。 なにより落語のオチ的な笑いがそれぞれのエピソードに含まれているのが自分好み。 何をとっても一級品です。 はっきり言おう、この映画は川島雄三監督の最高傑作です。 たぶん、この映画は後世に残る映画の1本だと思う。 50年経ってもまったく色褪せてはいない。 まだ、未見の人は是非とも観てほしい映画です。 普段の主人公(フランキー堺)は明るく機転がきく。 しかし、胸の病をすごく気にしていて、薬を自分で調合して飲んでいる。 普段明るいがゆえの、その暗さがよけいに際立つ。 明と暗の落差の大きさが、さらにこの映画に広がりを与えている。 ラスト「地獄も極楽もあるもんか。俺はまだまだ生きるぞ」と捨てばち風のセリフを吐きながら走り去る。 このラスト、脚本段階では走りながらセットを抜けて現代の品川まで走り抜けるというものだったらしい。冒頭のシーンとつながります。 あまりに斬新すぎるとスタッフに反対されて、川島監督はやむなく断念したとのこと この当時こんなシーンを考える発想がすごい。幻のシーンを観たかったです。 それにしても出演者の、まあ豪華なこと。
登場人物それぞれに明確な性格づけが施されている。 フランキー堺は、なんでこんなに動きが軽快なんだろう。一瞬にして羽織を着るさまが粋です。 左幸子と南田洋子が大ゲンカするシーンも見もの。1カットかと思って見ていたら、3カットでした。 この頃の石原裕次郎は、かっこいいね。 バクチに負けた親から女郎に売られる芦川いづみがまたかわいい。でも女郎になるのが嫌で若旦那に結婚してくれとせがむしっかりものの役。 小沢昭一は川島作品には欠かせられない怪優。 遊郭の主人の息子役の梅野泰靖も、どこかひねくれた感じが面白い。 |

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「夜間に浮かぶ白い尻」を蹴飛ばす左幸子、蹴飛ばされて”心中”させられた小沢昭一、「(悪く)思わあ」…。この映画で最高に面白い。
セックスを、徹底的にバカにした見方なのですが、これは小沢さんの「川島監督を、何とかワラカしたい」一念での演技です。
その小沢さんにも、訃報がやってきました。
今年は、川島の語り部(藤本義一、小沢昭一)と2名監督のもとへ旅立たれた。可能なら、"あの世"を笑いものにした映画、送って欲しい。そう思えました。moe
2012/12/11(火) 午後 9:55 [ moemumu ]
moemumuさん
あ、そうですね、川島監督にかかわりのある藤本義一さんと小沢昭さんが亡くなられましたね。川島監督の生きた証しを伝える人が少なくなっていきますね。
2012/12/13(木) 午後 10:54
3回もご覧になったのですか!!それは羨ましい(笑)
私は、あまり期待しないで観にいったら面白くて、出来れば
もう一度観ようかな・・・と思っていたくらいなのですが、
まーなかなか状況が許さず、あきらめました。残念です。
そうなるとまた観たくなるものですね。
フランキー堺は本当に上手いですね。コメディが楽しい名作ですし
こういう今でも十分通用するような素晴らしい脚本と演出を出来る
人が当時からいたのだなぁ!と思ってしまいます。
2013/2/23(土) 午前 1:48
エルザさん
今は、結構日本映画を見る人が多いですが、昔の日本映画は観る機会が少ないので、敬遠されている気がして、この映画のような面白い映画を観てもらって、もっと日本映画の良さを知ってほしいと思います。えらく真面目な返事になってしまいましたが、お許しを(笑)。
2013/2/23(土) 午後 9:07
どうも。岡本喜八に一票を投じたものです。(笑)
この作品はCATVで放送したのを録画して見ました。
猫好きの小沢昭一が、撮影所で可愛がっていた猫と死体で対面し、晩年までその猫のためにお経をあげていたそうですね。
岡本監督作では「江分利満氏の優雅な生活」にやられました。この作品も当初は川島監督がとるはずだったそうです。すごい戦争映画だと思いました。
2014/6/28(土) 午後 11:09 [ みんけんひで ]
みんけんひでさん
はじめまして、コメントありがとうございます♪
おお、岡本喜八に投票されるとは、貴重な方ですね(笑)、嬉しいですよ。小沢昭一は猫好きだったんですね。「あこがれ」の小沢昭一はとってもよかったです。喜八監督の作品はどれも、クセがあって、でも脇役でもちゃんとしたエピソードを用意しているんですよね、そこが凄いと思います。「江分利満氏の優雅な生活」のひとりストップモーションのアイデアなんて、「スウイングガールズ」に受け継がれていますしね。
2014/6/29(日) 午後 7:30
CATVで岡本喜八特集をやった時、監修したのがエヴァンゲリオンの庵野秀明でした。岡本作品にいろいろ影響を受けてるようです。
「ダイナマイトどんどん」も好きな映画ですね。
2014/6/29(日) 午後 7:48 [ みんけんひで ]
あと「江分利満氏…」には「ウルトラQ」の桜井浩子や二瓶まさのりなんかも出てて、その意味でも新鮮でした。
2014/6/29(日) 午後 7:53 [ みんけんひで ]
みんけんひでさん
庵野秀明さんは喜八監督がお好きなようです。喜八監督が亡くなった時の映画特集で樋口真嗣さんとトークショーをやっていました。「沖縄決戦」「ブルークリスマス」が大好きとのことです。「ダイナマイトどんどん」もいいですね、岸田森がいい。
2014/7/1(火) 午前 0:09
みんけんひでさん
この頃の桜井浩子さんは可愛かったですね。ウルトラマンもよかった。
2014/7/1(火) 午前 0:14
幻のラストシーンは、見たかったですね。
落語が題材だから明るい話と思いきや諧謔的でつらい内容ですね。
でも面白かった。
TBさせてください。
2016/10/6(木) 午前 9:22
> ギャラさんさん
ねえ、現代に飛び出してくるマボロシのラスト見たかったな〜。主人公の明暗の落差が強烈でした。時代を走り抜けた痛快さは日本映画の傑作として引き継がれていくでしょう。
2016/10/6(木) 午後 6:20
痛快でテンポのいい作品でしたね
主人公も嘘つきで決して善人ではないのですが、ここまで調子がいいと憎めない(笑)
この作品もまた日本映画の傑作のひとつだと思います
トラバお願いします♪
2017/1/1(日) 午後 3:44
> ベベさん
痛快でどこか影がある、面白い映画でした。やっぱテンポがいい映画は楽しい。
2017/1/1(日) 午後 10:01
午前10時の映画祭などでもやっていたようですが、本当に名作なんですね。
私は初めて観ましたが、とても面白かったです。
おっしゃるように、テンポがいいし、落語らしい笑いやオチもあるし、とにかく楽しいですよね。でもただの笑いだけで終わらせず、主人公が病気だけど前を向いて行くラストとか、とてもバランスのとれた作品だと思いました。
TBさせてくださいね。
2017/7/27(木) 午後 8:18
> choroさん
時代がずいぶん変わってしまいましたけど、自分の中では痛快さと寂しさがまじりあった稀有な日本映画だと思っています。またつい観たくなります。
2017/7/28(金) 午後 10:43
choroさんの記事経由でやってきました。以前から噂(?)を聞いていて観たかった作品。噂に違わずキレもユーモアも哀愁もあり、何より左平次が魅力的でした。
TBさせて下さいね。
2017/7/29(土) 午前 11:17
> アンダンテさん
左平次ありきの映画ですよね、軽快な動きが、自分の部屋に戻ると労咳のようで一気に暗くなる、人は色んな面を持っているんだと。それでも痛快で押し切るところが語り継がれる名作のゆえんかなと。
2017/7/29(土) 午後 10:40
TBありがとうございます。
お返しさせていただきます。また、見てみたら違うかもしれませんね。
幻のエンディングは気になりました。
2018/12/5(水) 午前 0:24 [ ふつうの映画感 ]
> ふつうの映画感さん
たぶん若い人の感覚からすると、古臭いとしか受けとめられない映画なんでしょうね。自分の感性がどんどんずれていっている気がします。幻のエンディング、今なら全然違和感ないでしょうね。
2018/12/6(木) 午後 10:48