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2010年2月4日、フィルムセンター「アンコール特集1995−2004年度の上映作品より」にて。 1967年度作品。 原作:有吉佐和子 脚本:新藤兼人 出演:市川雷蔵、若尾文子、高峰秀子、伊藤雄之助、渡辺美佐子、浪花千栄子、原知佐子、伊達三郎
木村玄、内藤武敏
あらすじ・・・華岡家に嫁いだ加恵(若尾文子)は、夫となる雲平(のちの青洲)(市川雷蔵)が医学の修業で留守のため、三年間、姑だけに仕えた。ようやく戻った雲平の前で、姑・於継(高峰秀子)はいつになく加恵につらくあたる。雲平の学費を稼いだのは加恵も同じであるにもかかわらず・・・だ。その夜、加恵はひとりで寝るようにも言われた。 夫の母親は妻には敵である。 間もなく父、直道(伊藤雄之助)は雲平に無限の夢を託しながら老いの病に死んだ。雲平は麻酔薬の研究に憑かれたように打ち込んでいた。ある日、於継は自分を人体実験に使ってくれと言い出した。驚いた加恵もまた同じことを申し出て、結局二人を実験台に使うことになる。 比較実験は成功をおさめるが、毒物の副作用で加恵は失明してしまう。(角川DVD解説より) 面白かった。 青洲(市川雷蔵)をめぐって、嫁(若尾文子)と姑(高峰秀子)の戦いのドラマ。 どちらが勝てるか。 と、いう映画なのだろうか。 姑が嫁を単にいじめるというようには感じない。 姑は青洲(市川雷蔵)を1番大事に思っている。 そのためには、何も辞さない覚悟をしている。 嫁は、世間では立派だと言われていた姑に憧れて嫁に来た。 しかし、表向きと内実の違いに、姑と競い合うようになる。 その間に入って、青洲は苦しむわけもなく、姑と嫁に麻酔の実験を繰り返す。 青洲は麻酔の実験台になってほしいと一言もいわずに、姑が嫁がと競い合って実験台になるという。 青洲が一番うまく渡っている。医術一筋の研究畑なので、麻酔が完成することに1番興味があるようにも見える。 嫁は副作用で目まで見えなくなる。一言も愚痴はこぼさない。 冒頭、幼い加恵(若尾文子)が、花の中にいる於継(高峰秀子)を見て憧れるシーンと、ラスト年をとった加恵(若尾文子)が花の中にいるシーンで終る。 麻酔の実験になって立派だと言われている自分が姑と同じ状況になっている。 夫を守る、家を守るという当たり前のことをしただけで、姑に勝ったとは思っていないと思う。 高峰秀子はやはりすごい。いつもの甘えた話し方ではなく、静かで丁寧なセリフ回し。 自分が麻酔の実験台だと思っていたのに実は違っていたことが分かり、それも嫁が知っていたことで驚愕するシーン、そのことが悔しくて死んでしまう。 哀れで寂しい女を熱演している。 若尾文子も負けじとばかりに嫁と親、眼が見えなくなるまで強い女を演じている。 増村保造監督、気になりますね。
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この作品は青洲(市川雷蔵)の態度がすごく印象的で忘れがたいです。失明したのにお姑さんに勝って(?)お花畑で満足そうにしている嫁(若尾文子)の姿がなんとも…^^;
増村監督の作品は
観客に対して「あなたは本当は自分を押し殺して、
したいように生きていないのではないですか?」という事を、
女性が男性に真実の愛を強烈に求めるという表現で撮ったというような事を父が監督のトークライブで聞いたそうです。
ハズレがほとんどなくて面白いです。
シーラカンスさんの好みに合うといいなぁ。
長文ごめんなさいm(._.)m
2010/2/12(金) 午前 0:42 [ - ]
この映画は4〜5年前にテレビの「増村保造レトロスペクティブ」で見ました。
似たようなタイトルで「清作の妻」という同じく増村・若尾の映画(主演は雷蔵でなく田村高廣)がありますが、そちらも鮮烈なドラマでした。
2010/2/12(金) 午前 6:02
「清作の妻」は好きな作品です。
随分前に映画館で観ました。田村高廣がカッコ良かったです。
「巨人と玩具」「黒の試走車」は生き馬の目を抜く企業の競争で戦うモーレツ社員の話で、骨っぽい内容で人気が有りお客さんが多かったです。
2010/2/12(金) 午後 8:07 [ - ]
こんばんは。
この作品の雷蔵は時代劇とはまた違ったイメージですが、なかなか上手く演じていましたね。
しかし、この作品では高峰と若尾の「静かなる決闘」(?)がテーマでしょうか。
高峰作品は好きですが、書かれているようにこの人の声はちょっと苦手です。(逆に若尾の色っぽい声は好きです…)
この作品には伊達三郎も出ていたんですね。この人シャクレ顔でちょっとした場面しか出てこないのに、やけに気になるんですよね。
タイトルクレジットにこの人の名前が出ると、いつ出るかと、気になってしまいます。
大抵は雷蔵や勝に斬られてしまいますが、時々、善人をやると「おお!」と喜んでしまいます。
2010/2/12(金) 午後 11:11 [ - ]
ユメニさん
そうか、麻酔の実験になって立派だと言われている自分はいやだというナレーションがあったので、姑に勝つことに喜んでいないと感じたのですが、世間で言われることが嫌なだけで、姑に勝ったことに喜んでいたのですね。花畑で昔姑がいた同じ場所にいることで陶酔する表情だったんですね。めっちゃ、増村監督が気になります。1年ぐらい前に特集やってたんですけどね〜、残念です。
2010/2/13(土) 午前 1:17
ヒッチさん
「清作の妻」って夫が戦争に行かないようにする話ですよね。観たいですね。
2010/2/13(土) 午前 1:27
ユメニさん
そうですか、「清作の妻」さらにそそられますね(笑)。「巨人と玩具」は観ましたが、申し訳ないですが、自分にはそんなに興味があるストーリーではなかったです。
2010/2/13(土) 午前 1:31
bigflyさん
雷蔵は多くは語らないんですね。逆に不気味です。すいません、ヒデリンは好きです。成瀬映画のヒデリンは言うことないです。
おお、強面の伊達三郎はいいですね。この映画では雷蔵の弟子で絶対悪い奴だと思ってたんですが、結局何もなかったです(笑)。11日に観た「ひとり狼」でも腕を切られる武士の役でした。木村玄(元)もいいですよ。
2010/2/13(土) 午前 1:39
そうでしたか。「清作の妻」と姉妹品風の作品(変な表現ですが)
「赤い天使」も変なストーリーですが面白いです。
私が映画館で増村映画を観た時、映画青年や映画好きの男性、
あと意外と中年の女性がちらほらいたのが意外でした。
女性にも人気がある監督なのかなぁとその時思いました(自分も女性ですが…あんまり周りにいないので(笑))
2010/2/13(土) 午後 9:00 [ - ]
あ、あと「花畑で昔姑がいた同じ場所にいることで陶酔する表情だった」というのはその通りで
世間がどうこうより、夫に姑より愛されたという満足の表情かと思いました。
特集上映が近いうち有ると良いですね。
2010/2/13(土) 午後 9:08 [ - ]
ゆめにさん(ひらがなにしてみました)
「赤い天使」も観たいと思っている映画です。ちょっと過激そうな映画ですよね。増村保造って、あまり一般大衆は知りませんよ。好きな人ははまるのでしょうね。
2010/2/14(日) 午前 0:34
ゆめにさん
「夫に姑より愛されたという満足の表情」、いや〜、その通りですね。自分のわだかまりが解けて安心しました。ありがとうございました。映画館で観たいので、我慢強く待ちます。
2010/2/14(日) 午前 0:37
伊藤雄之助のたいへんに濃い演技に圧倒されてしまいました。「赤い天使」はノコギリでギコギコ手術するシーンを見て、途中で挫折してしまいました(笑)「妻は告白する」もおもしろかったです。
2012/8/27(月) 午前 8:24
トリックスターさん
伊藤雄之助は、登場するだけで濃いですね。「太陽を盗んだ男」の役が印象深いです。いまだに「赤い天使」は未見です。ギコギコですか。増村作品はとにかく観て損はないかなと。「妻は告白する」の若尾文子は凄かったですね。
2012/8/29(水) 午前 0:28
妹の渡辺美佐子が、加恵が勝ったと言い残して死にましたが、加恵も於継も勝ち負けという枠ではくくれない感じがしました。
当時の倫理観の呪縛かもしれません。
市川雷蔵の飄々とした演技に好感を持ちました。
TBさせてください。
2014/9/30(火) 午前 10:06
ギャラさん
母と妻とのバトルに見えましたけど。というか女の意地みたいなものを感じましたけど。市川雷蔵って、色んな役ができて、柔軟性がありますね。
2014/10/1(水) 午後 11:01