最近気になること

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2010年2月13日、新文芸坐「追悼 森繁久彌」にて。

1961年度作品。
脚本:野田高梧、小津安二郎
出演:中村鴈治郎、原節子、小林桂樹、新珠三千代、司葉子、浪花千栄子、杉村春子、加東大介、森繁久彌、山茶花究、藤木悠、団令子、宝田明、白川由美、笠智衆、望月優子、有馬稲子

些細なことですが、「こばやかわけ」ではなく「こはやがわけ」です。
両方、一度言ってみてください。めっちゃ言いにくいですよ(笑)。
まあ、そんなことはどうでもいいか。
この映画、小津安二郎監督が東宝で撮った唯一の映画らしい。

造り酒屋の小早川万兵衛(中村鴈治郎)を中心に、小早川家にかかわる人々の悲喜こもごもを独特の情感で描写している。万兵衛の死んだ長男の嫁・秋子(原節子)を再婚させようと、親戚連中は手を尽くすが、秋子はなかなか承諾しない。次女・紀子(司葉子)は転勤した同僚への恋を断ち切れずにいる。一方、妻に先立たれた万兵衛は、昔なじみの妾(浪花千栄子)とよりを戻し、人目を盗んでは通い詰めていた。妻の法事の日の夜、急に倒れる万兵衛。一時は回復するが数日後、妾の家でぽっくり逝ってしまう。親戚一同が会し、静かな葬式が営まれる。(eiga.comの解説より)

小津監督といえば、父が娘の結婚に気をもむといった話が多いが、この映画でも確かに表面的には同じ展開のように見えるが、まったく異なる視点で描かれる。
造り酒屋の小早川万兵衛(中村鴈治郎)である主人公が、昔の妾の家へ足げく通い、その家で死ぬまでの話。
娘や長男の嫁の見合い話は添え物。
自分が決めたことを好きなように生きればいいのだということを小津安二郎監督は伝えたかったのだと思った。
実際、ラストで、娘も長男の嫁も自分がいいと思ったように生きる決意をする。
小早川万兵衛(中村鴈治郎)には愛きょうがあり、余計にそう感じたかもしれない。

「人が死んでも、また別の人が生まれてくる、ようできてるな」(ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが)という農夫の言葉が印象的。
小津安二郎監督58歳の映画。
明らかにこの映画で「死」を意識しているのは間違いない。
「死」を達観しているのか、それとも恐怖心なのか。
ひねくれた観方をすると、中村鴈治郎に自分を投下して、周りの人たちからも悲しんでほしいという願望を込めていたのかもしれない。

この映画の中村鴈治郎の自然な味わいのある芝居をみるだけで、楽しい。
森繁久彌は原節子の見合い相手で、加東大介とバーのシーンしか出てこない。
できれば、中村鴈治郎とからませてほしかったな。
また違った小津映画になっていたと思う。
喜劇映画になっていたかもしれませんが。
原節子と司葉子が話をする時、必ず座っておしゃべりをする構図が独特。

閉じる コメント(8)

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この映画がなぜ森繁久彌追悼でかけられるかがちょっとわからないのですが、
いい映画ですから、あまり気にしなくてもいいですね。
って、これを映画館で見るのは、すっごく贅沢なことだと思います。

2010/2/19(金) 午前 0:45 [ 鉄平ちゃん ]

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構図と色の美しさに感動した作品でした。
原節子と司洋子が、常に座っておしゃべりをする構図、
私もとても印象に残りました。
中村鴈治郎と新珠三千代親子の言葉の掛け合いも、絶妙でした。

少し前の記事ですが、TBさせて下さい。

2010/2/19(金) 午前 8:37 alf's mom

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鉄平ちゃんさん
この映画では森繁久彌の見合い相手が原節子でした。この映画の併映が「ふんどし医者」という映画で、森繁久彌の妻が原節子でした。そういう意味では気のきいた2本立でした。東京はほんと贅沢な映画環境です。同じタイミングで別の映画館でこの映画を上映していました。私は仮住まいなのでとりあえず観れる時に映画館でみようと思っています。

2010/2/19(金) 午後 11:03 シーラカンス

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「こはやがわ」には私も気がついていなくて、alfmomさんに教えていただきました。これは小津映画のカラーのぬくもりを感じることのできる作品でした。小津が鴈治郎に自分を重ねて周りの人の悲しみを買っているという着眼は面白いですね。小津はちょうど60歳で亡くなりましたから、そういう時期の心境だったのかもしれないです。

2010/2/20(土) 午前 6:40 ヒッチさん

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alfmomさん
原節子と司葉子が立っているのに、わざわざ座っておしゃべりをするこだわりが気になります。中村鴈治郎と新珠三千代親子が喧嘩していても親子の愛情が伝わっくる雰囲気がいいですね。「まあだだよ」と子供と鬼ごっこをしながら新珠三千代をすり抜けていく様も好きですね。

2010/2/20(土) 午後 0:32 シーラカンス

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ヒッチさん
中村鴈治郎なくしてこの映画のぬくもりを表現できなかったにでと思うぐらい飄々としてよかったです。
その時代の58歳は老齢だったことでしょう。前半と全く違うラスト近く、カラス、農家の夫婦、黛敏郎の不気味な音楽で一気に「死生観」を見せる小津監督には珍しい映画でした。

2010/2/20(土) 午後 0:53 シーラカンス

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たしかに、他の作品は死まで至らず、踏みとどまっていました。
この映画では、死んでしまいました。
でも、孫たちが引き継いでゆくことを暗示しているようにも感じられます。
TBさせてください。

2013/10/25(金) 午前 8:14 ギャラさん

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ギャラさん
小津監督の死生観がにじみ出た映画に見えます。やっぱり人から人につながっているように感じました。

2013/10/26(土) 午前 0:21 シーラカンス

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