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2010年2月28日、船堀シネパル「時代劇まつり」にて。 1961年度作品。 原作:吉川英治 脚本:成沢昌茂、鈴木尚之 音楽:伊福部昭 出演:中村錦之助、入江若葉、三國連太郎、木村功、丘さとみ、木暮実千代、浪花千栄子、花沢徳衛、
宮口精二
数多く映画化されている吉川英治の原作を五年がかりで五部作のシリーズとして完全映画化。内田吐夢監督の力強い演出によって迫力のある殺陣(タテ)が展開され、剣豪の剣の修行の厳しさと同時に、武蔵の人間的成長が描かれる。慶長五年、功名心に燃えた宮本村の武蔵(中村錦之助)と友人の又八(木村功)は、関ヶ原の合戦に出陣するが負け戦。敗走の途中で、二人はお甲(木暮実千代)と朱実(丘さとみ)という母娘に救われる。禅僧・沢庵(三國連太郎)の教示を得て修行の旅に出発するまでが、内田吐夢のダイナミックな演出で描かれる。暴れん坊時代の武蔵を描いたシリーズ第一作。 よかった。 若い時に観たら、沢庵の言葉がうっとおしいと感じたことだろう。説教くさいやつだと。(坊さんなので本物の説教なんですけどね) 今は、歳のせいか、ふむふむと納得できてしまう。 沢庵の粋な性格、心の大きさに惹かれる。 この監督の特性なのか、映像に「力」がある。 オープニング、関ヶ原の合戦で負けて、武蔵が泥沼の中をはいずりまわるシーンが印象に残る。 泥にまみれた顔を見て、中村錦之助の意気込みを感じた。 武蔵が野武士を追い、馬に乗って切り捨てるシーンも鮮やか。 また、山から降りてくる武蔵を最初ロングショットで撮り、空家をわめきながら姉を捜しまわるシーンをカメラで追いかけ、そこから俯瞰ショットへ、一気に1カットで撮る。 何故このシーンにここまでのこだわりが必要なのか分からないけど、見せかけでない熱い武蔵の気持ちが伝わる。 人の行動から気持ちを表すための映像へのこだわり。 いくさで怪我をした又八に、熟女お甲が怪我の悪血を吸い、吐く、また吸い、また吐く。 その後、お甲が恍惚感のような含み笑いをする。 次のシーン、お甲が帯を緩めて草原に横たわり、豪快に笑っている。 カメラが右に移動していくと、又八が情けなさそうに座っている。 なんともエロチックなシーンで、うまい演出だなと感心。 千年杉に吊られる武蔵、沢庵とお通が武蔵を捕まえに山でたき火するシーン、ラストで城に幽閉され祖先の亡霊に対峙する武蔵など色々見どころがあり娯楽映画としても面白い。 若さ溢れる「動」の武蔵(中村錦之助)と静の沢庵(三國連太郎)のやりとりも楽しい。 お杉ばば(浪花千栄子)が実に嫌な奴で、いい味を出していました。 機会があれば、是非5作まで観たいですね。
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説教くさいところは同じ感想ですね。昔に見ていたらワザとらしく感じていたかもしれないです。残り4本、いずれ鑑賞してみたいです。
2010/3/14(日) 午前 8:12
ヒッチさん
自分もあと4本観たいですね。内田吐夢監督の映画には「力」を感じます。
2010/3/14(日) 午後 11:01
是非、全作品観てほしいです。偉大な監督の意外な欠点もわかります。兎に角 スピーディな筋運びは見事。
2010/4/1(木) 午後 4:07 [ k ]
kさん
出来れば全作映画館で観たいです! 「意外な欠点」とは? 何か気になりますね〜。素直に面白かったです、青春、男と女、アクション、人生訓と見事な娯楽映画です。
2010/4/1(木) 午後 8:26